保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

国連を利用する狡猾な中国(1) ~国連と呼ぶから誤解する~

《新型コロナウイルスの感染拡大を機に、国連機関での中国の発言力拡大への懸念が改めて浮上している。現在、15の国連専門機関のうち4機関のトップを中国が務める。中国の意向で台湾が世界保健機関(WHO)に参加できずにいる問題にも批判が集まる。経済力を…

森友問題:遺族提訴について(3) ~自殺に追い込んだのはマスコミと野党だ~

《改ざんは、国有地の大幅値下げ売却について、安倍首相が「自分や妻昭恵氏が関係していたら首相も国会議員も辞める」と国会で答弁した後に始まった。そこで昭恵氏らの名が出てくる記述などが消された。 佐川氏は、首相らの関与が疑われるのを避けようと忖度…

森友問題:遺族提訴について(2) ~妥当な売買取引~

2017年2月8日、大阪府豊中市の木村真・市議会議員が、国(財務省近畿財務局)が森友学園に売った豊中市内の国有地だけ値段が情報開示されないとして情報公開の裁判を起こしたのが値引き問題の始まりである。 木村市議は、関西地区生コン支部と地方議員ネット…

森友問題:遺族提訴について(1) ~真相を追及できないマスコミと野党~

《森友学園への国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざんに加担させられ、自ら命を絶った近畿財務局の赤木俊夫さん(当時54)の妻が、国と当時の理財局長だった佐川宣寿(のぶひさ)氏に損害賠償を求める訴えを起こした。 弁護団が公表した赤木さんの手記に…

WHO新型コロナウイルス「パンデミック」表明について(3) ~安心できる情報こそ必要だ~

《急ぐべきは、感染を確認するPCR検査の拡充と、感染者の増加に備えた医療体制の整備である。ともに立ち遅れが指摘されている。「日本の感染者数が比較的少ないのは、十分な検査をしていない結果ではないか」という、市民の不信や不安を早急に解消すべきだ》…

WHO新型コロナウイルス「パンデミック」表明について(2) ~マスコミの中国への忖度?~

《ここまで感染が広がったのは、WHOの認識の甘さが原因だ。中国での新規感染者数の減少などを理由に「まだパンデミックではない」と言い続けてきた。 日本政府の対応が後手に回ったのは、WHOの初動の遅れが影響したからとの声も出ている。今後、各国からの非…

WHO新型コロナウイルス「パンデミック」表明について(1) ~独り言うべきことを言う産經主張~

《世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の現状について「パンデミック(世界的大流行)といえる」と表明した》(3月13日付産經新聞主張) 表明の主体を他紙のようにWHOとせず、テドロス事務局長としているのが…

新型コロナ特措法成立について(2) ~安倍政権とマスコミ・野党との相互不信~

《五輪開催さえ危ぶまれるような先行き不安の中で、安倍政権は、新型コロナウイルスの感染拡大を阻むための法整備の必要を唱えている。全く理解に苦しむ。 既に、旧民主党政権下の2012年に成立した「新型インフルエンザ等対策特別措置法」がある。海外から流…

新型コロナ特措法成立について(1) ~立憲民主、国民民主が賛成しても反対する新聞~

《衆院内閣委員会はきのう(=3月11日)、新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正案を、与党や立憲民主、国民民主両党などの賛成多数で可決した。この特措法は民主党政権時代の2012年に制定され、最大の特徴は首相が強制力を伴う「緊急事態宣言」を発令で…

「他人が握ったおにぎり」を食べられない問題について(3) ~お袋のおにぎりは旨かった~

《そもそも高校の行事において、食中毒や集団感染を予防する手立てを考えておくということは、管理者の責任だろう》(河合塾:横浜市立大学(前期)小論文総括) 最近の学校は衛生面での意識は高く、農家の方がおにぎりを出してくれることは想定外のことだっ…

「他人が握ったおにぎり」を食べられない問題について(2) ~問題とどう向き合うかが問題だ~

《私が本問に接しまず気付いたことは、医師という職業に従事した場合、将来遭遇するであろう3つの事項が、課題文の中にさりげなく盛り込まれているということである。それは、 (1)少数者の人権尊重・擁護に対する考え方、 (2)高齢者に対する意識の度合い、 (…

「他人が握ったおにぎり」を食べられない問題について(1) ~他所の家の料理を食べる経験がない~

昨年、横浜市立大学医学部医学科の入試に次のような小論文の問題が出された。 【問題】あなたは高校の教師である。ある日、授業の一環として稲刈りの体験作業があり、僻地の農家に田植えの体験授業に生徒を連れて出かけた。稲刈りの体験作業の後、農家のおば…

「宿題」のない中学校について(4) ~進歩的退歩~

工藤: 日本の子どもたちは「先生、僕、明日から勉強するよ」と言って塾へ行くわけです。これが笑い話ってわかりますか? 大橋未歩: 先生に向かって「塾へ行く」と言うのですものね。 工藤: 学校で勉強しているのに、それと同じことを塾へ行ってやるのかと…

「宿題」のない中学校について(3) ~フィンランド教育への幻想~

工藤: まったく宿題を出されない場合、子どもたちがどのような行動パターンを取るかというと、自分に必要だと思うから勉強しますよね。それも、自分のやりたいことをやります。学校の勉強をやりたいと思うのか、絵の勉強をしたいと思うのか、好きな科学の本…

「宿題」のない中学校について(2) ~宿題がなければ勉強しないのが現実~

Excellence is an art won by training and habituation: we do not act rightly because we have virtue or excellence, but we rather have these because we have acted rightly; “these virtues are formed in man by his doing the actions”; we are wh…

「宿題」のない中学校について(1) ~「宿題が何の役にも立たない」?~

《2014年から千代田区麹町中学校の校長を務める工藤勇一氏。宿題、定期テスト、固定担任制の廃止など、異例の改革を次々と行う手腕には多くのメディアが注目し、麴町中学には文部科学省など全国の教育関係者が視察に訪れる。その大胆な改革の根底にある子育…

「安倍総理だけがちょっと異様すぎる」と放言する辻元議員について(2) ~森友問題は極左周辺で起きている~

《質疑は衆議院のホームページで見られますが、50分の持ち時間の半分以上、憲法議論をしているんです。他にも官僚や幹部自衛官の不祥事など、多くの議論をしたのですが、最後の90秒で安倍総理は興奮してしまったみたい。総理が「反論する機会を与えられず」…

「安倍総理だけがちょっと異様すぎる」と放言する辻元議員について(1) ~辻元議員の方が余程「異様」~

『AERA』に掲載されたインタビュー記事で、辻元清美・立憲民主党幹事長代行がまたしても 「安倍総理だけがちょっと異様すぎる」 などと暴言を吐いている。辻元議員が問題なのは言うまでもないが、このような暴言を掲載し拡散するAERAの方が、或る意味、もっ…

オークショットと大阪都構想(3) ~人が活躍できる「場」の必要~

大阪には物質的にはたくさんのものが「有(あ)る」。大阪が衰退していったのはそれらを有効に活用しなかったからである。「都構想」とは、この今有るものを有効活用しようとするのではなく、今有る「無駄」を省(はぶ)こうとするものである。 が、古来「無…

オークショットと大阪都構想(2) ~得られる可能性と失う確実性~

第41回サントリー学芸賞に選ばれた、善教将大・関西学院大准教授の「維新支持の分析」によると、 《維新の台頭と躍進は、橋下氏の政治手法などからポピュリズム(大衆迎合主義)と結び付けて語られがちだが、決してそうではないという。 個別利益の代表者…

オークショットと大阪都構想(1) ~愛着心~

《地域政党・大阪維新の会が推進する「大阪都構想」。その賛否を問う2度目の住民投票が11月にも実施される見通しだ》(2月25日付京都新聞社説) 大阪維新の会(以下、「維新」)ある限り、その大看板たる「大阪都構想」(以下、「都構想」)を取り下げる…

「植村・櫻井」慰安婦報道裁判について

《従軍慰安婦報道を巡り、雑誌などの批判記事で名誉を傷つけられたとして、元朝日新聞記者が、出版社やジャーナリストに損害賠償などを求めた訴訟で、原告敗訴の判決が札幌高裁で言い渡された》(2月8日付北海道新聞社説) 至って普通の判断であろうと思われ…

「具体」という言葉遣いについて

学校の会議で「具体の~」という言葉遣いをしばしば耳にする。私には非常に違和感がある表現なのであるが、話し言葉の揺らぎなのかと思っていたら、先日書き言葉でも次のようなものが目に留まった。 《多くの人は、生活の中で法律の条文に触れることは稀でし…

後藤新平の「政治倫理化運動」について(5) ~スターリンの掌の上で踊らされた後藤新平~

後藤新平は、まさに「聖人君子」の見本のような人である。が、こういう人に限ってコロッと騙(だま)される。 1928(昭和3)年1月7日、共産党中央執行委員会にて後藤新平はスターリンと会談を行った。 後藤 支那の政情は益(ますます)混乱を重ねこの儘(ま…

後藤新平の「政治倫理化運動」について(4) ~「今人大眼目なし」~

《我輩が現代の國情、ことに政界の狀况を眺めまして、憂慮痛憤に堪へざることは、今日の日本に於いて、實に奇怪なる政治用語が流行し、これが爲めに國民精神の根本を茶毒(とどく)したと申すことであります。 それは、何であるかと申しますと、『政治は力な…

後藤新平の「政治倫理化運動」について(3) ~小廉曲謹(しょうれんきょくきん)~

《日本現代の思想的傾向は如何相なつて居るのであるか。只目前の小利害にのみ齷齪(あくせく)して、こんな空氣の全國に瀰漫(びまん)する結果として、國民の腦裡は知らず識らず小乘主義の人生觀を以て滿たされておらないでありませうか。 而(しか)して之…

後藤新平の「政治倫理化運動」について(2) ~彼を知り己を知れば百戦殆からず~

《唯(ただ)黨(党)利黨爭に沒頭して、甲黨と乙黨とが提携したり又合倂したりして、兩黨を分裂せしめたりして、議員の頭數を增すとか、甲黨乙黨兩黨が互に若干增減の頭數になつたとか、ならぬとか云ふこと計(ばか)り考へて居る。それも一時の場合黨人の…

後藤新平の「政治倫理化運動」について(1) ~今の国会は学生の擬国会~

後藤新平が東北帝国大学で行った講演をまとめた『国難来(こくなんきたる)』(藤原書店)がおよそ1世紀を経て復刻された。 《およそ百年前、後藤新平による「国難来たる」との呼びかけは、まるで現代日本に警告しているかのように聞こえる。関東大震災から…

新共通テストを巡る不祥事について ~問題作成者が対策本を書く反倫理~

《新年度から始まる大学入学共通テストで、国語の問題作成に携わる複数の委員が民間出版社から対策問題集を出版していた。 同じ人間が試験問題も対策本も、では試験の公正さを疑われるのは当然だ》(2月23日付北海道新聞社説) 当該委員も大学入試センターも…

見直しが進む戦勝国史観について

東京裁判で唯一「日本人被告全員無罪」を主張したインドのラダ・ビノード・パール判事は次のように言った。 《時が、熱狂と、偏見をやわらげた暁には、また理性が、虚偽からその仮面を剥ぎとった暁には、そのときこそ、正義の女神はその秤(はかり)を平衡に…