保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

自民党失言防止マニュアルについて(1) ~少子高齢化問題の認識の浅さ~

《自民党が作った失言防止マニュアルを、ミタパンの愛称で知られるフジテレビの三田友梨佳アナウンサーが痛烈に批判したことが、ネット上で注目を集めている》(HUFFPOST5/19(日) 15:04配信) 確かに国会議員がマニュアルを守って発言するなどとすれば情けな…

これでは北方領土を取り返せない(2) ~戦勝国の走狗?~

現代における「戦争」とは独り「熱戦」だけではない。北方領土を奪還すべく「情報戦」を仕掛けることもれっきとした「戦争」である。 日ソ不可侵条約を一方的に破棄し、満洲、千島に攻め込み傍若無人の限りを尽くし、戦後、日本人捕虜をシベリアに抑留し強制…

これでは北方領土を取り返せない(1) ~元海上自衛隊トップの妄言~

海上自衛隊に入隊以来34年間、潜水艦艦長を始め、種々の組織の長やスタッフを経験したとされる金沢工業大学、虎ノ門大学院教授・伊藤俊幸氏が次のように丸山穂高衆院議員を批判する。 《丸山穂高衆院議員による「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対…

大阪都構想問題 ~公明も自民も腰砕け~

《大阪市をなくして東京23区のような特別区に再編するのが、地域政党「大阪維新の会」が掲げる都構想である。 これまで反対だった公明党大阪府本部と自民党大阪府連が一転して、構想の是非を問う住民投票に協力する方針を示した》(5月14日付産經新聞主張…

裁判員制度10年(5) ~有害な民主主義論~

《もしも市民に付与される公共的義務がかなりの量にのぼることが環境上許されるならば、そのことは市民を教育のある人にするであろう。古代の社会制度と遺徳的理念には欠陥があったにもかかわらず、市民裁判や市民集会の習慣は、アテナイ市民の知的水準を、…

裁判員制度10年(4) ~民主主義を学ぶ学校~

《殺人でも量刑が重くなる傾向があり、裁判員らは死刑判決もいとわなかった。制度開始時には一般国民が死刑を選択できるか疑問視する意見もあった。だが裁判員は真摯(しんし)に事件と向き合い、悩んだ末に多くの裁判で死刑判決を選択した》(5月20日付産經…

裁判員制度10年(3) ~守秘義務に守られた制度~

《裁判員裁判では当初、求刑より重い判決が相次いだ時期があり、最高裁も一審重視の立場を示していた。しかし最高裁は14年、従来の判例を前提とせずに判断する場合は「具体的で説得力ある根拠を示すべき」と軌道修正するような見解を示し、「求刑超え」の…

裁判員制度10年(2) ~市民感覚で人を裁く恐ろしさ~

《判断に市民感覚が生かされている事例が多く見られる。 裁判官裁判の時代に比べ、性犯罪事件で重い刑を選択する傾向が目立つ。卑劣な犯罪に対する厳しい姿勢が反映された結果だ。執行猶予の半数以上に保護観察が付いているのは、被告の更生を裁判員が重視し…

裁判員制度10年(1) ~人の生き死にを素人に判断させるおかしな制度~

《国民が刑事裁判の審理に加わる裁判員制度が、施行から10年を迎える。制度への理解を深め、参加する意義を訴えていくことが欠かせない》(5月19日付読売新聞社説) いつまで国民を欺(あざむ)き続けるのか。裁判員制度が導入されるにあたって、この制度…

女性天皇と女系天皇(3) ~旧宮家の皇籍復帰~

《菅義偉官房長官は5月1日、安定的な皇位継承について、今秋以降に検討を本格化する考えを示した。女性天皇容認が念頭にあるのは間違いない。 「小泉純一郎政権時代の2005年、皇室典範に関する有識者会議で『皇位継承は男女問わず、長子優先』という結論が出…

女性天皇と女系天皇(2) ~女性天皇待望論?~

《「新しい天皇の即位式の映像見て、人口減少で存続の危機にあるのは経済国家としての日本だけでなくその皇室もだってことに気づいたわ」という下りから始まるニューヨーク•タイムズ紙の記事を読んで、日本の皇室の長い歴史の中には、女性が天皇だったことが…

女性天皇と女系天皇(1) ~女性天皇賛成の世論~

女性天皇とは文字通り女性の天皇であるが、女系天皇と違って男系天皇の中での中継ぎ的存在である。一方、女系天皇とは、配偶者の男性が天皇家とつながりがないもので、女系天皇となってしまえば、皇室と無縁の男子が皇室に割り込み、男系を遡れば天皇家と無…

丸山議員の北方領土発言について(3) ~取り戻す気はあるのか~

《国民の代表である議員として許容される範囲をあまりに逸脱した発言だ。もはや国会に籍を置くべきではなかろう。 日本維新の会の丸山穂高衆院議員が、北方領土返還は戦争をしないと実現できないともとれる発言をした。ビザなし交流で元島民と国後島を訪れ現…

丸山議員の北方領土発言について(2) ~リアル「イワンのばか」~

《同行記者団によると、丸山氏は11日午後8時ごろ、訪問団員との懇談中、元国後島民で訪問団長の大塚小弥太(こやた)さん(89)に「ロシアと戦争で(北方領土を)取り返すのは賛成か反対か」と語りかけた。大塚団長が「戦争なんて言葉を使いたくない」と言っ…

丸山議員の北方領土発言について(1) ~無責任な丸山批判~

《北方四島ビザなし交流の訪問団の一員として国後島を訪問した日本維新の会の丸山穂高衆院議員(35)=大阪19区=が11日夜、滞在先の国後島古釜布(ふるかまっぷ)で元島民の男性に対し、北方領土問題について「戦争をしないとどうしようもなくないか」「(…

平成日本について(3) ~日本経済新聞は軽薄な反日メディア~

《平成の時代に直面した最大の試練は、人口減社会の到来だろう。少子高齢化で人口が急減する恐れは早くから指摘されていた。しかし若年層の雇用や所得水準はむしろ悪化し、出産や育児、教育への支援策も後手に回った》(4月30日付日本経済新聞社説) 「人口…

平成日本について(2) ~反省なきマスコミ~

《平成の出典となった「内平らかに外成る」「地平らかに天成る」の言葉には、日本と世界の平和と繁栄への思いが込められていた。 しかし90年代に日本が直面したのは、バブル崩壊の後遺症といえる金融機関の不良債権問題や長期デフレ、冷戦後の国際政治の激動…

平成日本について(1) ~刹那主義が蔓延した時代~

《日本は元号の二文字に託した願い通り平和な時代を過ごすことができたが、成長力の鈍化や人口減社会という新たな課題への処方箋を見いだせなかった30年でもあった》(4月30日付日本経済新聞社説) 果たして平成は「平和」だったのか。「平和」だったと考え…

「小島慶子『令和の皇室は生きづらさを覚える現代の家族の象徴だと思う』」について

<夫と息子たちが住むオーストラリアと、仕事のある日本とを往復する>という小島慶子女史に分からないのは仕方のないことなのであろうか。小島女史は言う。 《新天皇が即位して、元号が新しくなる。それで時代は変わるのでしょうか》(AERA 2019年5月13日号)…

LGBTQの割合は「13人に1人」ではなく「3%」

《性の多様性を祝福する祭典「東京レインボープライド」(4月28・29日)が開催中だ。これに先立ち、LGBTQをはじめとする性的マイノリティーに該当するのは3%程度だという調査結果(速報)が発表された。 これまでLGBTQは「13人に1人」とも言われてきたが、…

日本国憲法と天皇制(3) ~天皇の真の有難み~

《阪神大震災や東日本大震災などの災害をお見舞いし、被災者を励ます。膝を折り、被災者に寄り添う姿は、陛下の時代から生まれた新しい象徴天皇の姿だったといえる》(4月27日付東京新聞社説) これが<象徴天皇>というのなら、一体何を<象徴>していると…

日本国憲法と天皇制(2) ~日本人の心から消えゆく天皇~

《天皇にはまず象徴という地位があると考えるしかない。「象徴としての行為」とは、それを具現化するためのいとなみである。だから憲法に規定はないが、国事行為とも私事とも異なる重要な公的行為が「象徴としての行為」となる。具体的には国民に寄り添い、…

日本国憲法と天皇制(1) ~天皇制廃止論者の理屈~

日本国憲法 第1条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。 《象徴とは何か-。この漠たる表現に最も悩まれたのは天皇陛下ご自身だったかもしれない。陛下がこのテーマについて考えを巡らし…

投票に行かないことについて(2) ~「目に見える価値」を信奉する左翼進歩主義~

高山佳奈子・京都大教授は言う。 《投票に行かないということは、誰が政権の座に就こうがそれに従うという意思を自分の行動で示しているということでありますから、まさに独裁制を支持するという考え方。自分は人間としてではなく、奴隷として生きるという意…

投票に行かないことについて(1) ~民主主義への攻撃?~

《憲法記念日の3日、東京都内で開かれた護憲派集会で、京都大教授の高山佳奈子氏がマイクを握り、「今変えるべきは憲法ではなく安倍晋三政権だ」と訴えた》(産経新聞ニュース5/3(金) 18:35配信) 憲法を変えるべきかどうかは、安倍政権を変えるかどうかと…

幼稚な憲法議論を駁(ばく)す(4) ~近視眼的憲法観~

《憲法を子どもにも分かるやさしい表現で伝えよう。そんな試みが広がっています。 憲法=檻(おり)、権力=ライオンに例えた解説書「檻の中のライオン」(かもがわ出版)は、2016年の発行から増刷を重ね、すでに13刷、約2万部に達しました。出版社によると…

幼稚な憲法議論を駁(ばく)す(3) ~護憲派の欺瞞~

《国の最高法規である憲法に求められるのは安定性である。 制定から時間を経て実態に合わない点が生じた場合でも、関連法の整備や憲法解釈の運用で対応することもできよう。 改憲が必要となった場合でも、憲法の普遍的価値である基本的人権の尊重、国民主権…

幼稚な憲法議論を駁(ばく)す(2) ~憲法と自衛隊存在の齟齬(そご)~

《憲法というと、戦争放棄を定めた9条が議題になることが多く、「集団的自衛権とは何か」など日常生活とは縁のない小難しい論争ばかりという印象がある。 先日、同性婚を法的に認めるよう求める裁判が提訴された。憲法24条は「婚姻は両性の合意のみ」で成立…

幼稚な憲法議論を駁(ばく)す(1) ~日本国憲法は革命不発の残滓~

《新時代を迎え、これからの憲法論議にどう取り組めばよいだろうか。 結論からいえば、あまり気負いすぎないことだ。わたしたちは、憲法は不断の見直しが欠かせないと訴える一方、憲法改正そのものが目的であるかのような改憲論とは距離を置いてきた。 この…

象徴天皇の在り方を模索するという錯誤について(3) ~国民には死者も含めて考えるべし~

《象徴天皇制は、国家の制度を特定の個人と一家が背負う仕組みであり、その人数、年齢、健康状態などに起因する限界や矛盾を常に抱える。何より、公務を担う皇族が減るなか、平成の時代にぎりぎりまで広がった活動を、この先いかなる判断基準に基づき、どう…