保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

元日社説読み比べ(6) ~「イノベーション」を煽る「死の舞踏」~

《第1になすべきは企業の変革である。社会保障などを担う国の体力を強くするには、産業競争力を高めねばならない。人事制度の見直しに着手した会社は多い。デジタル化やグローバル化は、従来通りのやり方では対応できないことに気づいたのである。 生産性を…

元日社説読み比べ(5) ~読売新聞は左翼紙だ~

《習近平国家主席の来日は、日中の対話を深める好機である。「互恵関係」とは、中国を批判しない、という意味ではない。問題があれば、率直にただせばよい》(読売新聞) 読売新聞も親シナということなのであろう。香港の問題が大きく報じられ、チベット、新…

元日社説読み比べ(4) ~「平和呆け」の読売社説~

《日本は今、長い歴史の中でみれば、まれにみる平和と繁栄を享受している。 世界に大きな戦争の兆しはない。安倍首相の長期政権下で政治は安定している。諸外国が苦しむ政治、社会の深刻な分断やポピュリズムの蔓延(まんえん)もみられない。 経済成長率は実…

元日社説読み比べ(3) ~シナ目線の毎日社説~

《昨年暮れに来日した、フランスの経済学者ジャック・アタリ氏は今の世界の状況を「20世紀初頭に近い」と形容した。民主政治の不安定化を受けた指摘だ。 民主主義は、政策決定に時間がかかり、最終的に合意されたものもあいまいさが常に残る。それよりは、…

元日社説読み比べ(2) ~大事なのは「中庸」~

プーチンは言った。 “I am not trying to insult anyone because we have been condemned for our alleged homophobia. But we have no problem with LGBT persons. God forbid, let them live as they wish,” he said. “But some things do appear excessiv…

元日社説読み比べ(1) ~プーチン「リベラルの理念は時代遅れになった」~

《ロシアのプーチン大統領は昨年6月、移民に厳しく対処するべきだとの立場から、こう述べた。「リベラルの理念は時代遅れになった。それは圧倒的な多数派の利益と対立している」》(朝日新聞) この発言は、G20大阪サミット開幕直前の27日夜、プーチン大統…

「人権」と憲法97条(3) ~棚ぼたの基本的人権~

一方、芦部信喜はこの97条を擁護する。 《たしかに、制憲者が明確な憲法論に基づいて、97条を「最高法規」の章に置いたわけではなく、むしろ偶然の経緯で定められた沿革を考えると、11条が存在する以上、97条は無用だという議論も理由がないではない。 しか…

「人権」と憲法97条(2) ~GHQホイットニーの顔を立てた97条~

《人権、人間の尊厳、法の支配、民主主義――。 めざすべき世界像としてSDGsも掲げるこれらの言葉は、西洋近代が打ち立てた普遍的な理念として、今日に生きる。 基本的人権の由来を記した日本国憲法の97条にならえば、「人類の多年にわたる自由獲得の努…

「人権」と憲法97条(1) ~「人権」への懐疑~

《人権、人間の尊厳、法の支配、民主主義――。 めざすべき世界像としてSDGsも掲げるこれらの言葉は、西洋近代が打ち立てた普遍的な理念として、今日に生きる》(1月1日付朝日新聞社説) ※SDGs=Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標) …

日韓関係について(4) ~人の道に反する「嘘宣伝」~

《安倍首相は、朝鮮半島に残る歴史的な感情のしこりに無神経な態度が相変わらずだ。 先の臨時国会の所信表明で、100年前のパリ講和会議で日本が人種差別撤廃を提案したことを誇らしげに語った。だが、当時の日本が朝鮮の植民地支配で差別を批判されていた…

日韓関係について(3) ~陸奥宗光の目~

陸奥宗光は『蹇蹇録(けんけんろく)』で朝鮮統治について次のように書いている。原文には句読点がなく読みづらいので、口語試訳を添えておく。 《抑々(そもそも)我國の獨力を以て朝鮮内政の改革を擔任すべしとの議の世間に表白せらるゝや我國の朝野の議論…

日韓関係について(2) ~事実に基づかぬ朝日社説~

《これまでのところ深刻な経済ダメージが取りざたされるのは日本側だ。これまで中国に次ぐ2番目の規模だった韓国人観光客の足が遠のいた。 日韓の間に位置する長崎・対馬の観光業者は「経営的に限界という声が少なくない」(長崎県対馬振興局)という》(20…

日韓関係について(1) ~朝日社説の嘘っぱち~

朝日新聞の事実認識は客観を装った、世論誘導の「宣伝」(propaganda)である。 《発端は、徴用工問題をめぐり日本企業に賠償を命じた昨年の韓国の判決である。問題は解決済みとする日本政府は今夏、貿易分野で報復措置をとった。 これを受け、韓国側は軍事…

憲法9条を巡って(4) ~9条削除論~

一方、井上氏の説は明快である。 《私は、修正主義的護憲派の憲法解釈は、無理だと思っています。 この解釈は結局、旧来の内閣法制局見解と同じですね。「専守防衛の範囲なら自衛隊と安保は九条に違反しない」。安倍政権が変えようとしているものだけど。 そ…

憲法9条を巡って(3) ~「9条」の解釈は政治的なもの?~

《日本政府は、憲法9条について、日本を防衛するための必要最小限度の実力の保持とその行使は禁じていないとの立場をとってきました。国連憲章51条の規定する自衛権のうち、自国を防衛するための個別的自衛権は行使できます。 他方、自国と密接な関係にあ…

憲法9条を巡って(2) ~長谷部説は解釈改憲~

井上氏は続ける。 《ちなみに、この第2項の冒頭に「前項の目的を達するため」を挿入したのは芦田均なのですが、これによって、自衛のための軍備を合憲とする余地を残した、とする説があります。そういう「隠された意図」があった、と。 しかし、「陸海空軍そ…

憲法9条を巡って(1) ~井上達夫 vs. 長谷部恭男~

新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。― 〇 ― さて、新年最初の題目は「憲法9条」である。私はこれまで何度も「9条」について自説を述べてきた。そのことを知っている人であれば、今更感があるだろうが、今回は井上達夫、長…

歴代最長安倍政権について(3) ~取って代わる人が育っていないのが最大の問題だ~

《「米中新冷戦」の開始は、米ソ冷戦終結以来約30年ぶりの国際構造の激変だ。安倍首相はトランプ米大統領と習近平中国国家主席の双方に笑顔をみせているが、危うい対応である。中国の脅威を見据え、自由と民主主義、「法の支配」、繁栄を守るべく、日本の…

歴代最長安倍政権について(2) ~集団的自衛権行使容認は違憲~

《これほどまでに日本国憲法をないがしろにした政権は、過去に例がなかろう。歴代内閣が維持してきた憲法解釈を一方的に変更して、集団的自衛権の一部行使に道を開いた》(11月20日朝日新聞社説) 例によって、同様の批判が幾つか見られる。 《安倍政権は、…

歴代最長安倍政権について(1) ~批判にならない朝日の批判~

取り上げるのが遅れてしまったが、安倍政権が先月20日、歴代最長政権となった。 《安倍首相の通算在任日数がきょう2887日となり、明治・大正期に3度首相を務めた桂太郎を抜いて最長となった。短命に終わった第1次政権の後、12年12月に発足した第2…

PISA:読解力低下について(5) ~早期英語教育より国語教育を優先すべし~

《よく引用されるものに2つの調査があります。 ひとつは「小学校英語推進派」であるJASTEC(日本児童英語教育学会)のプロジェクトチームが行なった調査です。 これは小学校で英語を学んだ中・高校生と、そうでない中・高生、849人を対象に英語技能の熟達度…

PISA:読解力低下について(4) ~文科省よ、大人しくしていてくれ~

《文部科学省は今後、小中高校の国語の授業などで、文章の論理展開を重視した指導を充実させる方針だという。論理的思考力の涵養(かんよう)に加え、文学に親しむ時間もしっかりと確保して、他者への共感性や想像力を培いたい》(12月4日読売新聞社説) など…

PISA:読解力低下について(3) ~批判的読解が必要だ~

《日本はかねて、「自分の考えを他人に伝わるように根拠を示して説明する」のが苦手といわれてきた。今回もそれは克服できていない。文科省によると、誤答の一つのパターンとして、問題文中の一節を写すだけで、自分の言葉で解答していない答案が見受けられ…

PISA:読解力低下について(2) ~国語を蔑ろにした結果~

《PISAは日本の教育政策に大きな影響を与えてきた。03年調査でも読解力や数学の順位が大幅に低下し「ゆとり教育」が原因と指摘された。それを機に、全国学力テストが始まり、学習指導要領が改定されて授業時間が増えた。 その後、順位はいったん回復したが…

PISA:読解力低下について(1) ~国語を冷遇したつけ~

《経済協力開発機構(OECD)は3日、世界79カ国・地域の15歳約60万人の生徒を対象に2018年に行った学習到達度調査(PISA)の結果を公表した。日本は「読解力」が15位となり、前回15年調査の8位から後退した。「数学的応用力」は6位(前回5位)、「科学的応用…

風化する太平洋戦争(6) ~レーニンの認識論~

《人々が日本を朝鮮の冒険に誘いこもうとしたとき、日本人はアメリカ人にむかってこう言った、「もちろん、われわれはボリシェヴィキに勝つことができる。しかし、諸君はその代りにわれわれになにをくれるつもりか? 中国をか? われわれはどっちみち中国を…

風化する太平洋戦争(5) ~日米を彼らをたがいにいがみ合わせろ、と言うレーニン~

《将来の日米戦争という問題をあつかった膨大な文献がある。戦争が準備されつつあること、それが避けられないということ、このことには疑いの余地はない。平和主義者はこの間題を回避し、きまり文句でそれを塗りつぶそうとつとめているが、経済的諸関係と外…

風化する太平洋戦争(4) ~敗戦革命論~

《L・F・サフォード大佐は、当時、ワシントンの海事通信部で機密保全を担当していた。彼は、海軍提督(トーマス)ハートによる調査に対して、次のように答えている。 「12月4日、我々は2つの独立した情報源から、日本はアメリカ、英国を攻撃する、ただしソビ…

風化する太平洋戦争(3) ~自虐史観の呪縛~

《米大統領フランクリン・ルーズベルトは1940年10月8日の段階で、海軍大将ジェームズ・リチャードソンに対し「遅かれ早かれ、やつら(日本)は過ちを犯し、そしてわれわれは戦争に突入することになる」と語っていました。 陸軍長官ヘンリー・スチムソンの日…

風化する太平洋戦争(2) ~「自虐史観」の辻褄合わせ~

《正式決定の段階では落ちたが「南方施策促進に関する件」の大本営案(6月11日)には「対英米戦を賭するも辞せず」の部分があり、7月2日の御前会議で採択された「情勢の推移に伴う帝国国策要綱」(大本営決定は6月24日)では「対英米戦を辞せず」と強化され…