保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

菅首相の所信表明演説について(1) ~理念がないのは政治もマスコミも同じ~

10月27日付各紙社説は菅義偉首相の所信表明演説を取り上げている。 《人目を引くキャッチフレーズは避け、実務重視で各論を積み上げていく。それが菅首相の流儀なのだろうが、就任後初めての所信表明演説としては、肩すかしと言うほかない》(朝日新聞)…

シナ習主席の2060年温室ガス排出ゼロ宣言について

《中国の習近平国家主席が9月22日に行った国連総会一般討論でのビデオ演説で、2060年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする脱炭素社会の実現を目指すと表明した。世界最大の二酸化炭素(CO2)排出国である中国が30年までに排出量が減少に転じ…

合同葬弔意要請について(2) ~おかしな要請~

「強制でなくとも、弔意を求めるのは職員の思想良心の自由に触れる。葬儀があるとの通知にとどめ、大学の自治に委ねるべきだった」(東京都立大の木村草太教授(憲法))(時事ドットコムニュース10/18(日) 7:21配信) <思想良心の自由に触れる>とは憲法に…

合同葬弔意要請について(1) ~教育への不当介入~

《昨年11月に101歳で死去した中曽根康弘元首相の内閣・自民党合同葬が17日、東京・高輪のグランドプリンスホテル新高輪で営まれた。葬儀委員長の菅義偉(すが・よしひで)首相ら政界関係者や近親者ら644人が参列し、国鉄民営化などの業績を残した…

有名芸能人の相次ぐ自殺を考える(6) ~「アイデンティティという危機」~

《一義的なアイデンティティに硬直し,単一の価値に凝り固まった自己はもはや思考することはできない.自己―思考する存在者としての自己―にとっての危機は,さまざまな価値を整序化する何らかの中心的・支配的な価値が欠けていることーいわゆる「アイデンテ…

有名芸能人の相次ぐ自殺を考える(5) ~アイデンティティの危機~

《「自分が何者であるか」が社会とのつながりにおいて把握され、かつ実感されているものがアイデンティティであり、これが危機にさらされるとき、人はいきいきとした存在感や生の目標をもてなくなる》(宮島喬『デュルケム 自殺論』(有斐閣新書)、p. 96) …

有名芸能人の相次ぐ自殺を考える(4) ~アノミー~

《産業上あるいは金融上の危機が自殺を増加させるといっても、それらが、生活の窮迫をうながすためではない。なぜなら、繁栄という危機も、それと変わらない結果をもたらすからである。其の理由は、それらの危機が危機であるから、つまり集合的秩序を揺るが…

有名芸能人の相次ぐ自殺を考える(3) ~自己本位的自殺~

《自殺の第一の形態(自己本位的自殺)…その特徴は、行動への活力を弱める憂鬱なもの思わしさにある。事業、公職、有益な仕事、そして家庭の義務ですら、彼を、ただ無関心とよそよそしい感情にいざなうばかりである。 彼にとっては、自分自身の外へ出ていく…

有名芸能人の相次ぐ自殺を考える(2) ~反省と憂鬱~

ヨーロッパにおいて、同じキリスト教でもカトリックが多いところよりもプロテスタントが多いところの方が自殺率が倍高いというデータから、プロテスタントが「個人主義」的であるのが原因ではないかとデュルケームは考えた。 《たとえば、プロテスタントは自…

有名芸能人の相次ぐ自殺を考える(1) ~自殺の潮流~

三浦春馬、芦名星、竹内結子。立て続けに有名俳優が自ら命を絶ったことは、関係者のみならず国民に少なからず動揺と不安を醸(かも)しているに違いない。一体何が起こっているのか、やや難解な話に踏み込まざるを得ないのだけれども、少し考えてみたいと思…

大阪市廃止住民投票について(4) ~全体主義的手法~

大阪市を廃止するというやり方には、「全体主義」的なものが感じられる。全体主義と言えば、ソ連邦やナチスドイツが思い起こされるところであるが、全体主義化の第一歩が「中間組織」の破壊である。 《共通の世界が完全に破壊され、内部に何らの相互関係を持…

大阪市廃止住民投票について(3) ~漸進主義~

俳人松尾芭蕉の有名な言葉に「不易(ふえき)流行」がある。本質的なものを大切にしつつ新陳代謝を欠かさない。私はここに保守政治の本質があると思っている。その要諦(ようたい)は「漸進(ぜんしん)主義」にある。 漸進主義は、急進的社会変革を嫌う。一…

大阪市廃止住民投票について(2) ~3S政策~

次なる「大阪市廃止構想」の疑問は、大阪市を廃止して大阪府に一括し、これまで大阪市がやってきたことを大阪府が引き受けようという「下向きの仕事」と、大阪を副都心にという「上向きの仕事」との両方向の仕事を新たに請け負おうとする「空想」にある。 は…

大阪市廃止住民投票について(1) ~大阪市廃止は単なるジリ貧~

《大阪都構想の住民投票が10月12日告示、11月1日投開票の日程で行われることが決まった》(9月7日付日本経済新聞社説) これは情報操作である。今回の住民投票は「大阪市廃止」の是非を問う引き算の話であるのに、<大阪都構想>などと言うから何か…

日本学術会議人事について(5) ~学術会議がなくなっても学問の自由はなくならない~

日本学術会議の大西隆・元会長は言う。 《微細なプラスチック片が分解されずに海に滞留し、摂取した魚、さらに人に害を及ぼすから、プラスチックの利用を大幅に削減しようというキャンペーンが、レジバッグ有料化やマイバッグ携帯につながった。このきっかけ…

日本学術会議人事について(4) ~御飯論法返し~

《発足翌年の50年と67年には「軍事目的の科学研究を行わない」とする声明を出し、3年前にも継承する見解をまとめた》(10月3日付朝日新聞社説) が、甘利明衆院議員は自身のHPで日本学術会議の二重基準を批判する。 《日本学術会議は防衛省予算を…

日本学術会議人事について(3) ~戦前の反省に立って設立された?~

国民民主党の山尾志桜里議員は、自身のブログで「任命拒否には違法の疑いがある」と述べた。 《この任命制度が制定された際の政府答弁をみると、「私どもは、実質的に総理大臣の任命で会員の任命を左右することは考えておりません」(手塚康夫・内閣官房総務…

日本学術会議人事について(2) ~形式的任命という口約束~

《政府は「形だけの推薦制であって、推薦していただいた者は拒否しない。形だけの任命をしていく」(83年、参院文教委)と答弁していた。政府による干渉や中傷、運営の口出しはしないと明言した》(10月3日付琉球新報社説) が、こんな無責任なことが国…

日本学術会議人事について(1) ~左翼の巣窟~

《「学者の国会」といわれる日本学術会議の新会員について、菅首相は、同会議が法律に基づき「優れた研究・業績がある」として推薦した候補者105人のうち、6人の任命を拒んだ》(10月3日付朝日新聞社説) これに対し、左寄りマスコミは「暴挙」だと反…

判子廃止騒動について

《河野太郎行政改革担当相が24日、行政手続きで印鑑使用を原則廃止するよう全府省に文書で要請した。やむを得ず使用する場合は、9月末までに理由の早急な回答も求めた。河野氏は24日夜のテレビ朝日番組で、デジタル化推進の一環と位置付けた》(産経ニ…

菅首相の「自助・共助・公助」発言について(4) ~「新自由主義=弱肉強食」という短絡~

ハイエクは言う。 It is as a means of socializing income, of creating a sort of household state which allocates benefits in money or in kind to those who are thought to be most deserving, that the welfare state has for many become the subst…

菅首相の「自助・共助・公助」発言について(3) ~累進課税と共産党宣言~

国に依存するということは個人の自由を放棄するということである。 《今日において社会主義とは、もっぱら課税という手段を通じて広範囲な所得の再配分を行なうことを意味しており、また、福祉国家という制度のことを意味するようになってきている》(F・A…

菅首相の「自助・共助・公助」発言について(2) ~「自助」とは何か~

(「菅氏の描く社会像は… 『自助』優先、弱者置き去りの懸念」:東京新聞2020年9月15日06時00分) 「自助」(self-help)とは、「共助・公助」を見据えた上で、「まずは自分でやってみる」ということではない。それでは「自らを助くる」ことにはならない。菅…

菅首相の「自助・共助・公助」発言について(1) ~枝野氏、志位氏の批判にならない批判~

菅義偉(すが・よしひで)首相が就任後の記者会見の終わりに述べた「自助」という言葉が波紋を広げている。 「私が目指す社会像、それは、自助・共助・公助、そして絆であります。まずは自分でやってみる。そして家族、地域でお互いに助け合う。その上で政府…

自民杉田議員「女性はいくらでもウソをつける」発言に興奮する人達について(2) ~異様な反発~

《共産党の小池書記局長は28日の記者会見で、「女性差別であり、許しがたい。謝罪、撤回を強く求め、できなければ議員辞職を求める」と語った》(読売新聞 2020/09/28 19:54) 小池議員は間違っている。非公開会議の不適切発言で議員辞職をまで求めるのは…

自民杉田議員「女性はいくらでもウソをつける」発言に興奮する人達について(1) ~気に入らぬ議員の吊し上げ?~

《自民党の杉田水脈(みお)衆院議員が非公開の党の会議で、女性への性暴力を巡る相談事業に関し「女性はいくらでもウソをつける」と発言していたことが分かった。複数の出席者が明らかにした。杉田氏は発言を否定しているが、野党は発言の撤回や議員辞職を…

「よい政治」とは何か(4) ~信なくば立たず~

《子貢政を問ふ。子曰く。食を足らし、兵を足らし、民は之を信にす。子貢曰く、必ず已むことを得ずして去らば、斯(こ)の三の者に於て、何をか先にせんと。曰く、兵を去らんと。子貢曰く、必ず已むことを得ずして去らば、斯の二の者に於て何をか先にせんと…

「よい政治」とは何か(3) ~時処位~

「よい政治」であるかどうかは具体的状況次第である。 江戸時代初期の陽明学者・熊沢蕃山(くまざわ・ばんざん)は、物事の善し悪しは「時処位(じしょい)」によって変わることを説く。 《法は、聖人が時・所・位に応じて、物事に適宜であるように作られた…

「よい政治」とは何か(2) ~中庸の徳~

子曰く、中庸の徳たるや、其れ至れるかな。民久しきこと鮮(すくな)し。【雍也第六】 《政治に於て、治者と被治者との関係ほどに至難のものは無い。この関係を円滑に運転してゆくのが是れ即ち政治で、之が又政治の頗(すこぶ)る至難の所以(ゆえん)である…

「よい政治」とは何か(1) ~渋沢論語~

《よい政治とは、よい政策を着実に推し進めることである。方向性を誤ってはならないし、実行力を伴わないのも困る》(9月4日付日本経済新聞社説) <よい政治>とは何か。<よい政治とは、よい政策を着実に推し進めること>と定義してお仕舞だったら苦労は…