2023-01-01から1年間の記事一覧
《自民党の杉田水脈衆院議員がアイヌ民族などを侮蔑する内容をブログに投稿したことについて、札幌法務局は「人権侵犯の事実があった」と認定した。 投稿はアイヌ民族などの尊厳を否定し、ヘイトをあおる差別発言だった。法務局の判断は妥当であり、現職の国…
問題とされているのは、ブログの次の部分である。 国連の会議室では小汚い格好に加え、チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場。完全に品格に問題があります。(杉田水脈【日本国の恥晒し】流石に怖かった今回の国連:2016年2月17…
9月23日付朝日社説は、「杉田水脈氏 もう議員の資格はない」との見出しを掲げ、杉田議員を批判した。 《現職の国会議員が、公の機関から「人権侵犯」を認定されるとは、驚きあきれる。重く受け止めるなら、ただちに反省の弁を述べるのが当然なのに、それ…
終戦から78年。今、「新しい戦前」とも言われる。昨年末のテレビで、タモリさんが口にしたことでも知られる。 岸田文雄政権は昨年12月、安保関連3文書を閣議決定した。反撃能力(敵基地攻撃能力)保有を明記し、専守防衛を大きく変容させ、本年度から5…
78年前の夏―。世界には2つの重い現実があった。 1つは、戦争であまりにおびただしい命が失われたこと。悲惨な現実を受け、武力行使禁止を原則とする国連憲章、戦争放棄を記した日本国憲法が生まれた。 もう1つは、米国による広島、長崎への原爆投下だ。…
「タコツボ」云々(うんぬん)が丸山眞男氏の観念論だとすれば、半藤氏の言う<日本型のタコツボ社会>も「空想」と言うしかない。<小集団主義>も、おそらくは、軍部が暴走したことにしたい半藤氏の願望が生み出した「空想」だろう。ここに<主義>と呼称…
《戦前の日本では、きわめて大ざっぱにいえばこういうタコツポ化した組織体の間をつないで国民的意識の統一を確保していたものが天皇制であり、とくに義務教育や軍隊教育を通じて注入された「臣民」意識でした》(丸山真男「思想のあり方について」:『日本…
本紙前身の福岡日日新聞も太平洋戦争の開戦翌日付の社説で「一億国民が待ちに待った対米英戦争は開始された…起(た)て!大和男児(おのこ)、奮(ふる)え!大和撫子(なでしこ)」などと扇動しました。自省し、政治を厳しく監視する報道の使命をかみしめま…
戦前戦中の昭和史には教訓が多いと説いた半藤さんが、最も重視していたのが「国民的熱狂をつくってはいけない。言論の自由・出版の自由こそが生命である」でした。(西日本社説) 行け行けどんどんと新聞が国民を煽(あお)ったことで「熱狂」が生まれ、日本…
《昭和天皇が『独自録』のなかで、「私が最後までノーと言ったならばたぶん幽閉されるか、殺されるかもしれなかった」という意味のことを語っています》(半藤一利『昭和史』(平凡社)、p. 500) が、『昭和天皇独白録』(文春文庫)を見る限り、これに該当…
続けて近衛は書く。 《海軍が賛成するのは政治上の理由からであって、軍事上の立場から見れば、まだ米国を向ふに廻して戦ふだけの確信はない』といふので『これは洵(まこと)に意外なことを承(うけたまわ)る。 国内政治のことはわれわれ政治家の考へるこ…
《対米戦争を導くとわかっていながら、なんとなしに三国同盟を結んでしまった》(半藤一利『昭和史』(平凡社)、p. 500) <なんとなしに三国同盟を結ん>だなどというのは言い掛かりも良い所である。戦争は遊びではない。生死を分かつことになるかもしれな…
戦前戦中の昭和史には教訓が多いと説いた半藤さんが、最も重視していたのが「国民的熱狂をつくってはいけない。言論の自由・出版の自由こそが生命である」でした。そこには、新聞を売らんがために、むしろ積極的に国威発揚の片棒を担いだ新聞人への警鐘も込…
31年の満州事変から国際連盟脱退、そして37年の日中戦争へ。日本が戦争への坂道を転げ落ちていった時代と、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更、反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有、今後5年間での防衛費倍増などに乗り出した昨今を重ね、「新し…
日米同盟を強化して防衛力増強を図るのではなく、粘り強く安定を模索する外交に活路を見いだすべきである。(北海道社説) <安定を模索する外交>って何だ。こんなもの社説子の只の妄想である。 軍備膨張と際限のない軍拡競争を招いた反省から、戦後は防衛…
岸田文雄政権は昨年末、日米同盟の強化や相手のミサイル拠点などをたたく敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有を明記した「国家安全保障戦略」などの安保関連3文書を閣議決定した。 ひとたび戦端が開かれたら双方の犠牲は避けられず、国民生活をも破壊すること…
《地球は分割ずみである。日本は、膨大な面積の植民地を奪取した。日本は5千万人の人口を擁し、しかも経済的には比較的弱い。アメリカは1億1千万人の人口を擁し、日本より何倍も富んでいながら、植民地を1つももっていない。日本は、4億の人口と世界でも…
日本でも朝鮮半島や台湾周辺の緊張の高まりを背景に防衛力の増強が図られている。戦前の軍備拡大路線の轍(てつ)を踏むことになりはしないか。懸念は拭えない。(北海道社説「終戦から78年 軍拡の道歩んではならぬ」) <戦前の軍備拡大路線の轍>とは何…
昨年末のテレビ番組でタレントのタモリ氏が「新しい戦前」と語って注目された。「新しい」という言葉は前向きなニュアンスも含んでいないか。再来させてはならないという意味を込めて「新たな戦前」と言いたい。(琉球新報「戦後78年の『終戦の日』 『新たな…
《そもそも人間にはいかほど智恵があっても、その人情に親切なる所がないと、その智恵は悪智悪覚に帰し、悪いことをして人を害し、身を賊(そこな)うに終るペし。ゆえに余は人を便うにしても、智恵の多き人よりも人情に厚き人を選んで、採用しています。孝…
「教育ニ関スル勅語」(教育勅語)には、 父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ恭儉己レヲ持シ博愛衆ニ及ホシ學ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ智能ヲ啓發シ德器ヲ成就シ進テ公益ヲ廣メ世務ヲ開キ常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵ヒ… (父母に孝行をつくし、兄弟姉妹仲よくし…
先の大戦に敗れてから78度目の終戦記念日を迎えた。国内外で戦火にたおれた無辜(むこ)の人々に哀悼の意を表し、平和への誓いを改めて心に刻みたい。(日本経済新聞「戦争阻む歴史を見る眼を培いたい」) <戦火にたおれる>の「戦火」は「戦禍」とし、「…
岸田文雄政権が反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有や防衛費倍増などを決めた後、初の論戦となった先の通常国会は行政の追認機関かと見まがった。 反撃能力は、米国が攻撃を受けた際も集団的自衛権として行使され得るのか。自衛隊が実質的に米軍傘下に入る事態…
さて、沖縄基地問題を考えるにあたっていつも問題だと思われるのは、基地撤退を望む人達が基地反対を唱えるだけで、具体的な撤退案を示さないことである。中には、反対の声を大きくして政府から「沖縄振興」という名目の支援金を釣り上げようと思っている人…
「今回の審議がどうぞ再び大政翼賛会のような形にならないように、若い皆さんにお願いをしたい」。1997年の国会で、京都選出の野中広務氏が刺すような高い声を張り上げた。 米軍用地の継続使用手続きを簡素化する法改正が、野党が加わり圧倒的多数で可決…
京都新聞は、2回に分けて終戦の日の社説を掲載している。 日本は今年、世界3位の軍事大国への道を歩み始めた。 防衛費の「倍増」と、「反撃能力」の保有。岸田文雄政権が昨年12月に閣議で決めた安全保障戦略の改定に盛り込んだ。先の国会では防衛財源の…
かねてこの計画を「核汚染水で海洋環境の安全と人類の生命、健康にかかわる重大問題」と批判してきた中国は、初日の放出後、日本産水産物の全面禁輸を宣言し、25日には水産加工品の購入や使用も禁止した。 理由は「中国の消費者の健康を守り、輸入食品の安…
(連載中の「8月15日「終戦記念日」社説を読む」は中断します) 朝日がシナ(China)に対し反論するなんて夢にも思わなかった。購読者数が激減し、このままでは近い将来会社を畳まねばならなくなることを憂慮し、起死回生を図らんと最後の「勝負手」を放…
極めて考えにくいことだが、全核保有国が同時に核廃絶に踏み切っても、その後、どこかの国や勢力が核武装すれば万事休すだ。(産經主張) だったらどうして<廃絶や軍縮の願いを発信するのは当然>などと言うのか。核廃絶の願いを発信しつつ、核を廃絶すれば…
今の日本が悲劇を防ぐために抜かりなく取り組んでいるかといえば疑問である。それを痛感させられたのが、広島と長崎の原爆忌だった。 広島平和宣言は、「核による威嚇を行う為政者がいる」として、「世界中の指導者は核抑止論は破綻」している点を直視するよ…