《自民党の杉田水脈衆院議員がアイヌ民族などを侮蔑する内容をブログに投稿したことについて、札幌法務局は「人権侵犯の事実があった」と認定した。
投稿はアイヌ民族などの尊厳を否定し、ヘイトをあおる差別発言だった。法務局の判断は妥当であり、現職の国会議員の言動が認定された意味は極めて重い》(9月24日付北海道新聞社説)
先ず、杉田女史は、投稿時は浪人中で議員ではなかった。次に、<チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場>と書いただけで、<アイヌ民族などを侮蔑>するものではない。<アイヌ民族などの尊厳を否定し、ヘイトをあおる差別発言>と煽りまくっているのは社説子の方である。
<法務局の判断は妥当>と言う社説子の判断は妥当とは思われない。自分に都合の良いときだけ<妥当>と言っているような気がしてしまうのだ。
《法務局はアイヌ民族の女性からの人権救済の申し立てを受け、杉田氏の人権侵犯を認定し、人権尊重への理解を求める「啓発」を行った》(同)
<コスプレおばさん>と呼んだのは「侮辱」だというのならまだしも、<人権>などという言葉を持ち出して事を大きくし、<人権侵犯>だなどと大仰(おおぎょう)に言うのは、行為と言葉の大きさが見合っていない。
《政府が19年に制定したアイヌ施策推進法(アイヌ新法)はアイヌ民族を先住民族と位置づけた。アイヌ民族との共生社会を実現することを目的に掲げ、差別や権利侵害を禁じている》(同)
が、アイヌは、真の「先住民」ではない。元道議の小野寺まさる氏は言う。
《北海道の歴史において縄文時代→続縄文時代→擦文時代と続き、本州の鎌倉時代後期にいきなりアイヌ文化時代が文化が後退する形で始まったのは何故なのでしょう。また14世紀初頭の蝦夷島には日ノ本、唐人、渡党という3つの集団が存在していたことが『諏訪大明神絵詞』には克明に書かれています》(2020年9月16日付Twitter)
真の「先住民族」とは言えないアイヌを、政府が史実を捻じ曲げて、政治的に<先住民族と位置づけた>のである。ここには政治の恐るべき劣化と傲慢があると言えるだろう。
《こうした人権侵害をなくし、アイヌ民族が誇りを持って暮らせる社会にすることが、新法を成立させた国会議員の責務である》(同)
アイヌ協会によって政治的に認定されたアイヌは居るが、アイヌ語を話すアイヌは居ない。アイヌ語と共に<口頭伝承>も消えた。アイヌは文字を持たなかったから、伝承すべき文化もはっきりしない。要は、「アイヌ民族」は、政治的に作られているだけではないかということだ。【了】
(参照)