保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

原発再稼働問題を考える(1) ~世論に振り回される司法~

《広島高裁は18日、四国電力の伊方原子力発電所3号機(愛媛県)に出していた運転停止の決定を取り消した。 (中略) 一方、水戸地裁では同日、日本原子力発電の東海第2原発(茨城県東海村)の運転差し止めを命じる判決が下された》(3月19日付産經新…

同性婚判決について(3) ~司法に凭れ掛かる護憲派~

《人の生き方はひとつではない。多様性を認め、すべての人が暮らしやすい社会の実現は、新たな活力を生む源泉にもなりうる。 LGBT(性的少数者)の尊厳が守られ、安心して生活できる環境づくりはその大切な一歩だ》(3月19日付日本経済新聞社説) <すべ…

同性婚判決について(2) ~判決文が読めない社説子たち~

判決文を恣意的に解釈し、「同性婚を認めないのは違憲だ」というデマを広めたいという意図がマスコミにはあるのかもしれないが、ひょっとして判決文を読解する力が足りないのではないかと私は少し疑ってもいる。というのは、同性婚否定派の読売、産經も同様…

同性婚判決について(1) ~同性婚否定は「違憲」というデマ~

《同性どうしの結婚が認められないのは憲法に違反するとして、北海道に住む同性カップル3組が訴えた裁判で、札幌地方裁判所は、法の下の平等を定めた憲法に違反するという初めての判断を示しました》(NHK NEWS WEB 03月17日 11時47分) が、これ…

茂木健一郎氏のテレビクイズ番組批判について

《脳科学者の茂木健一郎氏(58)が7日、ツイッターでクイズ番組「東大王」に苦言を呈した。 「東大王」とは幅広い知識を持つ東大生がクイズで芸能人と争う人気番組。ここから出た豊富な知識を持つ東大生が様々な番組で活躍している》(東スポ 3/7(日) 12:…

山口県光市の「おっぱい都市宣言」について

山口県光市の「おっぱい都市宣言」がSNS上で議論を巻き起こしているらしい。 《「おっぱい都市宣言」は1995年に市議会で決議され、2005年に改めて決議された》(東スポ Web 2/24(水) 16:50 配信) とのことであるから、今更(いまさら)のことな…

東京新聞の御用作家、半藤一利氏(5) ~目標と手段の混同~

《日本には国としてのしっかりした基軸があると半藤さんは書きます。それは、日本国憲法です。 「この平和憲法こそが人類を生かすための最大の理想であると思います」。そして「今がチャンスなんです。日本が率先して理想主義をどんどんやっていけばいいんで…

東京新聞の御用作家、半藤一利氏(4) ~殺戮に熱中する人間~

《日本人は時代の空気に順応しやすい。「そんな人たちは、戦争の悲惨の記憶が失われて、時間が悲惨を濾過(ろか)し美化していくと、それに酔い心地となって、再び殺戮(さつりく)に熱中する人間に変貌する可能性があるのじゃないでしょうか」(半藤一利『…

東京新聞の御用作家、半藤一利氏(3) ~新聞の黒歴史~

《昭和6年当時で大きかったのはラジオの存在です。今のNHKですが、日本放送協会は“国営”ですから、すぐ情報が入ります。満州事変なんか9月18日に起きて、19日の朝の6時からのラジオ体操の放送を中断して、「臨時ニュースを申し上げます」といって…

東京新聞の御用作家、半藤一利氏(2) ~デマを本当のことだと思ってしまう人達~

《われわれは、ちゃんと学んでいるでしょうか。都合の悪い歴史に目をつぶり、スマートフォンなどから好きなニュースだけ見て、それで満足していないでしょうか。 「かつてこの国にはおなじことがありました。戦争中の大本営発表を信じて、国民の多くが日本は…

東京新聞の御用作家、半藤一利氏(1) ~軽率な歴史観~

the historian will get the kind of facts he wants. History means interpretation. – E. H. Carr, What is History? (歴史家は自ら欲する類(たぐい)の事実を手に入れる。歴史とは解釈ということだ) ― 〇 ― 《ざっくばらんな語り口で、歴史を生き生き…

夫婦別姓について(3) ~国会の怠慢~

《夫婦同氏制の下においては、婚姻に伴い、夫婦となろうとする者の一方は必ず氏を改めることになるところ、婚姻によって氏を改める者にとって、そのことによりいわゆるアイデンティティの喪失感を抱いたり、婚姻前の氏を使用する中で形成してきた個人の社会…

夫婦別姓について(2) ~福島党首の支離滅裂~

3月3日の参院予算委員会で、社民党の福島瑞穂党首が丸川珠代男女共同参画担当相に対し、選択的夫婦別姓に反対する趣旨の文書に署名した理由を繰り返し問い、 《明言を避けた丸川氏に対して「男女共同参画担当として不適格だ」と断じた》(産経ニュース2021.3…

選択的夫婦別姓について(1) ~「多文化共生」or「他文化強制」~

《保守派を自任する衆参50人の議員有志が、選択的夫婦別姓への反対を呼びかける文書を地方議会に送っていた》(3月4日付神戸新聞社説) のは、 《「あるべき家族像」を他者に押しつけ、異なる意見に耳を貸そうとしない。強権的ともいえる自民党国会議員…

アイヌ不適切発言について

《日本テレビは12日、同局系の情報番組「スッキリ」でアイヌ民族を傷つける不適切な表現があったとして、同日のニュース番組内でおわびした。 問題の発言は、動画配信サービス「Hulu(フールー)」の番組を紹介するコーナーであった。アイヌ女性のドキ…

確率論的地震動予測について ~不道徳な地震学者~

《中央防災会議の調査部会は東日本大震災後の2013年、「現在の科学的知見からは(南海トラフ)地震の規模や発生時期を高い確度で予測することは困難」とする報告をまとめました。座長を務めた山岡耕春名古屋大教授は「予測できるか、否かではなく、確率…

UN「国際女性デー」なる女性逆差別について(3) ~共産主義思想に塗れたUN~

FBI捜査官・クレーオン・スカウセン著『裸の共産主義者』(The naked Communist)に挙げられた、アメリカの共産党が1958年に掲げていた目標の1つに次のようなものがあった。 Promote the U.N. as the only hope for mankind. If its charter is rewr…

UN「国際女性デー」なる女性逆差別について(2) ~日本は共産主義化後進国~

《議員候補者の男女均等を目指す法律が18年にできたが、実効性に欠ける。 議員や候補者の一定数を女性に割り当てる「クオータ制」を、既に118カ国・地域が採用している。日本も導入すべきだ。 クオータ制には「女性優遇だ」との批判がつきまとう。だが…

UN「国際女性デー」なる女性逆差別について(1) ~マスコミの印象操作~

1908年アメリカ合衆国のニューヨークで、参政権のない女性労働者が労働条件の改善を要求してデモを起こした。これを受けドイツの社会主義者クララ・ツェトキンが、1910年にデンマークのコペンハーゲンで行なわれた国際社会主義者会議で「女性の政治…

生活保護判決について(3) ~先ずは国会議員の資格厳格化が必要~

生活保護法 第1条 この法律は、日本国憲法第25条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。 第2条 すべて国…

生活保護判決について(2) ~外国人生活保護は違法~

《全国29地裁で同様の裁判が起こされ、判決は2例目。昨年夏の名古屋地裁判決は、生活保護行政を担う厚生労働相の広い裁量権を認め、訴えを退けた。今回の大阪地裁も厚労相の裁量権は認めつつ、客観的な統計や専門的知見との整合性がなく、裁量権の逸脱に…

生活保護判決について(1) ~先例「朝日訴訟判決」~

《国が2013~15年に段階的に行った生活保護基準額の引き下げは、判断過程や手続きに過誤や欠落があり違法とする判決を、大阪地裁が言い渡した》(2月25日付朝日新聞社説) 生活保護基準額に関して司法が判断することに私は少なからず違和感がある。…

バイデン米大統領の「シナ人権弾圧」擁護発言について(2) ~ずれた論点~

Cooper asked, “When you talk to him, though, about human rights abuses, is that as far as it goes in terms of the US, or is there going to be any actual repercussions for China?”――news.com.au, Feb 18, 2021 (クーパーは、「人権侵害の話をし…

バイデン米大統領の「シナ人権弾圧」擁護発言について(1) ~希薄な「人権意識」~

US President Joe Biden has appeared to downplay China’s genocide of Uighur Muslims, saying “culturally there are different norms” in every country. ―― Frank Chung, Joe Biden suggests China’s Uighur genocide is part of ‘different cultural n…

孔子廟判決と政教分離について(5) ~未だ解けない「日本弱体化計画」の呪縛~

問題は次の部分である。 《現職閣僚らによる靖国神社への参拝など、国家と宗教の関係に疑義を抱かせる行いは後を絶たない。靖国というと近隣諸国への配慮の観点から語られることが多いが、問題の根本には多くの犠牲のうえに手にした憲法上の要請がある。今回…

孔子廟判決と政教分離について(4) ~求められるのは「政治と宗教の平衡」~

憲法に書かれているわけでもない<政教分離>という言葉が独り歩きしてしまっている、そんな印象が強い。 《法理の内容までが正確に紹介されないままにわが国にその原則(つまりスロウガン)だけが導入されたため、戦後のわが国の憲政において、この政教分離…

孔子廟判決と政教分離について(3) ~言葉の問題~

「政教分離」という表現は、米独立宣言起草者の一人であるトーマス・ジェファーソンの造語「教会と国家の間の分離の壁」(a wall of separation between Church and State)に由来する。 Believing with you that religion is a matter which lies solely be…

孔子廟判決と政教分離について(2) ~国家の非宗教性~

《裁判でも原告と市側は儒教が宗教か否かについて激しく争っていた。にもかかわらず、最高裁は今回、儒教一般についての評価や孔子廟を管理する崇聖会が宗教団体かどうかの判断はしなかった。 定説のない宗教論争に立ち入らず、問題の核心部分から逃げた印象…

孔子廟判決と政教分離について(1) ~マルクス宗教廃止の翳(かげ)~

《儒教の祖である孔子を祭る「孔子廟(びょう)」の敷地を那覇市が無償で使わせるのは、憲法の政教分離原則に違反すると、最高裁大法廷が判断した。 憲法は「国及びその機関は、いかなる宗教的活動もしてはならない」と定める。目的は、国家と宗教の分離を制…

古文・漢文オワコン論について(3) ~肝心要は言葉である~

《人間にとっては、徳その他のことについて、毎日談論するという、このことが、まさに最大の善きことなのであって、わたしがそれらについて、問答しながら、自分と他人を吟味しているのを、諸君は聞かれているわけであるが、これに反して、吟味のない生活は…