保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

国際政治

【特別編】自民党総裁選@日本記者クラブ主催討論会:外交安全保障(台湾有事)

18日、日本記者クラブ主催の自民党総裁選候補者討論会が開かれた。 《中国は覇権主義的行動を強め、米国など自由と民主主義を重視する国々は、外交、軍事、経済安全保障の分野で、対中抑止を開始している。東西冷戦終結以来、およそ30年ぶりの国際情勢の…

閣僚の「8月15日の靖国参拝」について(3) ~8月15日は「終戦」か「敗戦」か~

8月15日を「敗戦記念日」と考えるものもいる。日本は戦争に負けた。が、大東亜戦争後、亜細亜は欧米の植民地支配から解放され、多くの国が独立を果たしたのである。 《1941年に合衆国と英国を一時的に打ち破ることによって、日本は西方列強が無敵では…

ナショナル・ルサンチマンが生んだ核廃絶の責務意識(5) ~核廃絶は悪魔の囁き~

《私たち自身も過去と向き合わなければならない。五輪開会式のショーディレクターがかつてユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)を揶揄(やゆ)したとして解任された問題では、負の歴史が共有されていないことがあらわになった。戦時中の日本による加害行為を含…

ナショナル・ルサンチマンが生んだ核廃絶の責務意識(4) ~世間知らずの青臭い科白~

《被爆者の悲願だった核兵器禁止条約が発効してから初めての原爆忌である。 あの日、強烈な熱線や爆風、放射線で町は一瞬にして焼け野原となった。1945年末までに約20万人もの尊い命が奪われた。 生き残った被爆者たちは放射線による健康被害に苦しみ…

ナショナル・ルサンチマンが生んだ核廃絶の責務意識(3) ~全国紙総崩れ~

《広島はきょう、長崎は9日に「原爆の日」を迎える。 1945年夏、2度にわたる米軍の原子爆弾投下により、20万人を超える市民が犠牲になった。放射線を浴びた多くの人が今なお健康被害に苦しむ。 惨禍の記憶を次世代に伝え、二度と核兵器が使われない…

ナショナル・ルサンチマンが生んだ核廃絶の責務意識(2) ~核廃絶の瞬間が最も危険~

《米国の退潮に伴い「核の傘」の信頼が弱まり、同盟国に核武装の連鎖が起きかねない。世界ではそんな懸念も論じられる。科学者らが警告する地球滅亡までの終末時計は、最悪の100秒前で止まったままだ》(8月6日付朝日新聞社説) 《米科学誌が人類滅亡ま…

ナショナル・ルサンチマンが生んだ核廃絶の責務意識(1) ~台湾有事は自分事~

《世界はいま、核の恐怖の果てにある破局か、それとも、より安全な共生の未来か、どちらの道へ進むかの分岐にある。 米国と中国の覇権争いを筆頭に、欧州・アジア・中東で国家間の対立が熱を帯び、核戦争の不安を高めている。 一方で、だからこそ協調の価値…

日本を「核の先制不使用」の例外にせよと主張するシナ軍事評論家(2) ~国際世論を味方に付けろ!~

The commentator points to recent remarks by high-ranking Japanese officials as the motivation behind his proposal. Japan's Defense Minister Nobuo Kishi and his deputy, Yasuhide Nakayama, have spoken in support of Taiwan's security in the f…

日本を「核の先制不使用」の例外にせよと主張するシナ軍事評論家(1) ~危険な連合国憲章旧敵国条項~

ニューズウィーク誌に ‘China Officials Share Viral Video Calling for Atomic Bombing of Japan’(中国政府関係者、日本への原爆投下を呼びかける動画を公開)と題する恐ろしい記事が掲載された。 Communist Party officials in northwestern China appear…

「シナ人権侵害」非難決議見送りについて(4) ~獅子身中の虫~

《日本維新の会、国民民主党、立憲民主党や自民の外交部会などが了承手続きを終えたが、公明の同意が得られず、採決見送りとなった。国会決議は全会一致とする慣例を盾に取った判断といえる》(6月17日付産經新聞主張) ここまで露骨にシナを擁護しようと…

「シナ人権侵害」非難決議見送りについて(3) ~産經主張のおかしな論理~

《中国政府による深刻な人権侵害を非難する国会決議案の採択が、自民、公明両党の執行部の判断で見送られたことで…浮かび上がるのは、専制主義の中国と対峙(たいじ)して自由、平和、繁栄を守っていかねばならないという時代の要請を理解しない国会と政党の…

「シナ人権侵害」非難決議見送りについて(2) ~「アリバイ作り」の非難決議~

先日に引き続き「新疆ウイグル等における深刻な人権侵害に対する非難決議案」を見ていこう。 このような状況において、人権の尊重を掲げる我が国も、日本の人権外交を導く実質的かつ強固な政治レベルの文書を採択し、確固たる立場からの建設的なコミットメン…

「シナ人権侵害」非難決議見送りについて(1) ~人権は普遍的価値ゆえ内政干渉が許されるという危険な論理~

《中国政府による深刻な人権侵害を非難する国会決議案の採択が、自民、公明両党の執行部の判断で見送られた》(6月17日付産經新聞主張) 決議案の中身を見ておこう。 新疆ウイグル等における深刻な人権侵害に対する非難決議案 近年、新疆ウイグル、チベッ…

温室ガス46%削減について(3) ~小型モジュール炉という切り札~

朗報がないわけでもない。 《46%削減の表明で厳しい立場に身を置いた日本だが、実は世界をリードする切り札を持っている。日本原子力研究開発機構が開発した次世代原発・高温ガス炉の存在だ。小型モジュール炉(SMR)であるだけでなく原理上、炉心溶融…

温室ガス46%削減について(2) ~独りシナは好き勝手~

《首相が掲げた「50年実質ゼロ」は、気候変動の影響を減らすため、パリ協定が努力目標とする「産業革命前からの世界の平均気温の上昇を1・5度までに抑える」のに必要とされる。達成には、50年までの段階での二酸化炭素(CO2)排出削減も欠かせない…

温室ガス46%削減について(1) ~環境を守ろうとする日本、一儲け企む世界~

《バイデン米大統領が盟主となり、世界の40カ国・地域の首脳に参加を呼び掛けたオンライン「気候変動サミット」が22、23の両日にわたって開かれた。 地球温暖化防止を目指す「パリ協定」の目標実現に向けて、米国やカナダなどから2030年時点におけ…

バイデン米大統領の施政方針演説について(3) ~独裁者を否定する独裁者~

I also told President Xi that we will maintain a strong military presence in the Indo—Pacific just as we do with NATO in Europe – not to start conflict – but to prevent conflict. I told him what I’ve said to many world leaders – that Ameri…

バイデン米大統領の施政方針演説について(2) ~後ろ向きの政策~

Second, the American Families plan will provide access to quality, affordable child care. We guarantee that low- to middle-income families will pay no more than 7% of their income for high-quality care for children up to the age of 5. The …

バイデン米大統領の施政方針演説について(1) ~社会福祉主義~

4月28日、米国のバイデン大統領が初の施政方針演説を行った。 まず気になったのは、バイデン氏が社会主義的であるところだ。 Wall Street didn’t build this country. The middle class built this country. And unions build the middle class. (ウォー…

「RCEP」国会承認について

《日本、中国、韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)など15カ国が2020年11月に署名した地域的な包括的経済連携(RCEP)協定が28日午前の参院本会議で承認された。早ければ年末にも発効する見通しで、国内総生産(GDP)で世界の3割を占める巨大経済圏が誕生する…

福島第1原発処理水の海洋放出について(4) ~UNや中韓の難癖~

《国連の人権専門家は3月、処理水は環境と人権に大きな危険を及ぼすため「太平洋に放出するという決定は容認できる解決策ではない」との声明を発表した。海洋放出は子どもたちの将来的な健康リスクを高めるなど、人権侵害に当たると警告している》(4月14…

親中派だけが問題なのではない

《中国政府が新疆ウイグル自治区で100万人以上のウイグル族を弾圧している問題について、米、英、カナダなどEU(欧州連合)は制裁に踏み切り、オーストラリアとニュージーランドも制裁賛成の共同声明を出した。 しかし、日本政府はG7(主要7か国)の…

UN「国際女性デー」なる女性逆差別について(3) ~共産主義思想に塗れたUN~

FBI捜査官・クレーオン・スカウセン著『裸の共産主義者』(The naked Communist)に挙げられた、アメリカの共産党が1958年に掲げていた目標の1つに次のようなものがあった。 Promote the U.N. as the only hope for mankind. If its charter is rewr…

UN「国際女性デー」なる女性逆差別について(2) ~日本は共産主義化後進国~

《議員候補者の男女均等を目指す法律が18年にできたが、実効性に欠ける。 議員や候補者の一定数を女性に割り当てる「クオータ制」を、既に118カ国・地域が採用している。日本も導入すべきだ。 クオータ制には「女性優遇だ」との批判がつきまとう。だが…

UN「国際女性デー」なる女性逆差別について(1) ~マスコミの印象操作~

1908年アメリカ合衆国のニューヨークで、参政権のない女性労働者が労働条件の改善を要求してデモを起こした。これを受けドイツの社会主義者クララ・ツェトキンが、1910年にデンマークのコペンハーゲンで行なわれた国際社会主義者会議で「女性の政治…

バイデン米大統領の「シナ人権弾圧」擁護発言について(2) ~ずれた論点~

Cooper asked, “When you talk to him, though, about human rights abuses, is that as far as it goes in terms of the US, or is there going to be any actual repercussions for China?”――news.com.au, Feb 18, 2021 (クーパーは、「人権侵害の話をし…

バイデン米大統領の「シナ人権弾圧」擁護発言について(1) ~希薄な「人権意識」~

US President Joe Biden has appeared to downplay China’s genocide of Uighur Muslims, saying “culturally there are different norms” in every country. ―― Frank Chung, Joe Biden suggests China’s Uighur genocide is part of ‘different cultural n…

米国弾劾裁判:トランプ氏無罪から考える(2) ~米国の民主主義とは超富裕層が既得権益を守ることなのか~

《原則や規範を無視したトランプ氏のふるまいは、4年前の就任時から繰り返されていた。司法を軽んじ、事実に基づく報道を敵視し、分断をあおる政権を議会与党は黙認してきた》(2月17日付朝日新聞社説) 司法判断が必ずしも正しいとは限らない。報道が常…

米国弾劾裁判:トランプ氏無罪から考える(1) ~民主主義は本当に脆弱なのか~

《トランプ氏の支持者らが連邦議会議事堂を占拠した事件を巡る弾劾(だんがい)裁判で、議会上院はトランプ氏を無罪とする評決を下した。 陪審員役の上院議員100人のうち、有罪としたのは与党・民主党系の50人に野党・共和党の7人を加えた57人だった…

都合の良い民主主義を語る民主主義信者(2) ~戦前の日本も民主主義~

《近代民主政治は、基本的人権の尊重、国民主権、権力分立という基本原理に基づいています》(2月7日付東京新聞社説) <人権>だの<国民主権>だのと言うこと辺り、<近代民主政治>なるものがいかに左翼色が強いのかが分かるだろう。歴史的、伝統的なも…