保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

国際政治

核抑止論について(4) ~核の議論を避けるな~

中川八洋氏は、 《日本人の多くは、「核=抑止力deterrent」(“抑止力”としての核)、という悪しき先入観の呪縛から脱け出ることができず、「“防衛力”としての核」を検討することが少なかった》(中川八洋『日本の核武装の選択』(徳間書店)、p. 178) と言…

核抑止論について(3) ~日本が自立するためには避けられない「核論議」~

西部邁氏は日本が核武装することが必要だと言う。 《その理由は、第一には日本が核武装諸国に囲まれていること、第二にアメリカから実質的に独立するには個別的自衛力を強めるほかないということである。 --とくに重要なのは核武装による対米独立なのであっ…

核抑止論について(2) ~核抑止論と力の均衡論~

《日本政府には、広島、長崎のような悲劇や核兵器使用の脅しから国民を守る責務がある。だから通常兵力と並んで核抑止力も日本の守りに加える政策を長らく採ってきた。この核抑止力は自前で用意せず、日米同盟に基づき米軍の核戦力つまり米国の「核の傘」を…

核抑止論について(1) ~核が廃絶された世の中が一番危険だ~

《来日していたローマ教皇(法王)フランシスコが被爆地長崎や広島での演説で、核兵器の使用や保有は「倫理に反する」と廃絶を訴えた。「核兵器は安全保障への脅威から私たちを守るものではない」と述べ、核抑止力を否定した。 「真の平和は非武装以外にあり…

ローマ教皇を政治利用する政教分離論者(3) ~原発を停めれば安全という浅慮~

《フランシスコ・ローマ教皇は25日、東京都文京区の東京カテドラル聖マリア大聖堂で開かれた「青年との集い」に出席した。集いには日本で暮らす難民申請者5人と難民留学生1人が招かれた。教皇は「苦難を経験し、皆さんの国で難民となることを求めてきた人た…

ローマ教皇を政治利用する政教分離論者(2) ~政治の分からぬ核廃絶論者~

「核兵器のない世界が可能であり必要であるという確信をもって、政治をつかさどる指導者の皆さんにお願いします。核兵器は、今日の国際的また国家の、安全保障への脅威からわたしたちを守ってくれるものではない、そう心に刻んでください。人道的および環境…

2019年版防衛白書について(2) ~米国頼みが危ういから韓国と仲良くせよとはならない~

《韓国との関係は「戦後最悪」とされ、機密情報を共有する軍事情報包括保護協定は破綻寸前の状況だ。 政治、経済面で関係改善が期待される中国も、沖縄県・尖閣諸島周辺海域では艦船の侵入を続けている。ロシアも首脳会談が演出する「親密さ」と裏腹に、北方…

GSOMIAについて(5) ~韓国中央日報の冷静な分析~

《韓日の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了期限(23日0時)を目前にして韓国政府が猶予決定を下した。韓日対立局面の中、政府が8月に出した終了決定を自ら保留した。「終了通知効力停止」という表現を使用しながら、いつでもGSOMIAを終了させること…

GSOMIAについて(4) ~「ほとんどこちらのパーフェクトゲームだった」?~

《文在寅政権が、GSOMIA破棄という愚かな選択を寸前で取りやめたことは妥当である》(11月23日付産經新聞主張) 果たしてそうか。韓国が北朝鮮との統一を目指しているのであれば、GSOMIAを破棄するのが筋である。それを無理矢理日米側に繋ぎ止めることが<妥…

GSOMIAについて(3) ~破棄を凍結という韓国の独り相撲~

てっきりGSOMIAを失効させるのかと思いきや、土壇場で韓国は破棄を「凍結」した。 《韓国政府が22日、日本政府に対して、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)終了の通告を停止すると伝えた。23日午前0時失効の危機は回避され、1年間の自動延長となった》(…

GSOMIAについて(2) ~日本のマスコミの誤導~

《最大の要因は、旧植民地時代に製鉄所などに動員された元徴用工らへの賠償を日本企業に命じた、韓国最高裁の判決の確定である。 この問題は、1965年の日韓請求権協定で「解決済み」とされてきた。韓国も日本が支払った無償資金を「強制労働の補償」とみ…

GSOMIAについて(1) ~韓国は反日国家~

《米国の同盟国である韓国は、北朝鮮の軍事挑発の抑止に向けて、日米韓連携を維持する決意はあるのか。日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の扱いが試金石となろう》(11月16日付読売新聞社説) 何を寝惚けたことを言っているのか。韓国は公然と反日政…

RCEP妥結見送りについて

《日本や中国、インドなど16カ国による自由貿易圏構想「東アジア地域包括的経済連携(RCEP=アールセップ)」の首脳会議は、目標としていた年内の交渉妥結を見送った》(11月7日付毎日新聞社説) 日本には「環太平洋連携協定」(TPP)がある。RCEPとTPPは…

ペンス米副大統領の対中演説について(2) ~見て見ぬ振りは卑怯~

nothing in the past year has put on display the Chinese Communist Party’s antipathy to liberty so much as the unrest in Hong Kong. Hong Kong has served as an important gateway between China and the wider world for 150 years. Hong Kong is o…

ペンス米副大統領の対中演説について(1) ~安倍首相が「一帯一路」への協力を表明するのはなぜか~

《ペンス米副大統領は24日、ワシントンの政策研究機関「ウィルソン・センター」で行った「米中関係の将来」についての演説で、中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺に海警局の艦船を派遣するなどの「挑発行為」を展開していると批判した。香港問題では事態…

「EU離脱」へ警鐘を鳴らす毎日新聞について

《英国人にとって通貨ポンドは、買い物の際に支払う「お金」以上の意味を持つ。独立した国家としてのアイデンティティーであり、国民の誇りである。他の欧州諸国と一線を画し、単一通貨ユーロに参加しなかった大きな理由だ》(8月10日付毎日新聞社説) 英国…

毎日社説:勘違いだらけの戦後日本外交論(2) ~「米国なかりせば」とはならない~

《安倍政権で際立つのは、米国依存だろう。米国の影響力を通じて日本の権益を確保するという姿勢だ》(7月5日付毎日新聞社説) これは独り安倍政権だけの問題ではない。戦後を通して、日本は一貫して<米国の影響力を通じて日本の権益を確保するという姿勢>…

毎日社説:勘違いだらけの戦後日本外交論(1) ~米国隷属と連合国隷従~

毎日新聞社説子は言う。 《冷戦後の世界をリードした米国の影響力が後退し、台頭する中国やロシアが存在感を増している》(7月5日付毎日新聞社説) <台頭する>は冗語のように思うけれども、それは措こう。 成程、米国の影響力が後退し中国が台頭してきたこ…

チベット問題で「中国は民族融和を目指せ」という神戸新聞社説

《弾圧に抵抗するチベット人が中国軍と衝突し、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世が亡命する契機となったチベット動乱から、60年となった。 亡命政府があるインド北部ダラムサラで開かれた式典で、ロブサン・センゲ首相は「中国はチベットの文明…

難航する英EU離脱について(3) ~守るべき英国政治の伝統~

right now, parliament faces a choice between the impossible — no deal — and the horrible — the prime minister’s deal. If accepted, the latter would be followed by years of painful trade negotiations, with, at present, no agreed destination…

難航する英EU離脱について(2) ~英国の二枚腰~

《29日に迫っていた英国の欧州連合(EU)離脱期限の延期が下院で決まった。しかし、打開策は見当たらない。続々判明する離脱の弊害。民意を問い直すことこそ、民主主義の本分ではないか》(3月16日付東京新聞社説) 状況次第で猫の目のように変わりかねな…

難航する英EU離脱について(1) ~国民投票に決定を委ねたツケ~

《英国議会が欧州連合(EU)からの離脱を巡る採決で、否決や修正を重ねた揚げ句、離脱の延期を決めた。この結果、英政府はEUに対し今月29日に予定された離脱日の延期を要請することになった。 EUが受け入れれば、経済や社会の混乱を招く「合意なき離…