保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

戦前の歴史認識を改める時(3) ~樽井藤吉の幼稚な論理~

《わが日本国、合同をもって不利となすものあり。 その1にいわく、朝鮮は貧弱の国なり、今あえてこれと合するは、これ富人の貧者と財産を共にするの理なり。 その2にいわく、朝鮮は文化は洽(あまね)からず、百工興らず、智見また進まず、今これと合するは…

沖縄県民投票結果について(2) ~時として「妥協」も必要~

《普天間基地は同県宜野湾市の人口密集地にある。事故が起きれば住民を巻き込んだ大惨事につながりかねない。2004年には米軍ヘリコプターが隣接する大学に墜落する事故があった。返還は早ければ早いほどよい。 他方、普天間が担ってきた米海兵隊の拠点という…

沖縄県民投票結果について(1) ~間接民主制を否定する直接投票~

《米軍普天間飛行場を移設するために辺野古の海を埋め立てることの賛否を問うた昨日の県民投票は、「反対」が圧倒的多数を占めた。全有権者の4分の1を超えたため、県民投票条例に基づき、結果は日米両政府に通知され、玉城デニー知事はこれを尊重する義務…

戦前の歴史認識を改める時(2) ~伊藤博文の常識的判断~

《日韓併合後の補充金と称する日本政府の持ち出し(日本人の税金)は、1911年が1235万円で、それ以前の平均2500万円の半額に減った。これは残りの半分を日本政府発行の公債と、日本からの借入金で補っており、毎年日本から約2000万円前後を調達するという状…

戦前の歴史認識を改める時(1) ~日本海と東海の併記を迫る南北朝鮮~

《日本海の呼称をめぐり韓国や北朝鮮が「東海」への改称や併記を主張している問題で、日本政府が、世界の海洋名称をまとめた指針「大洋と海の境界」を刊行する国際水路機関(IHO)側の強い要請に応じ、2国と非公式協議を開催する方針を固めたことが18…

安倍首相のトランプ氏ノーベル平和賞推薦について(2) ~トランプ氏へのノーベル平和賞授与はなくはない~

毎日新聞余録は、トランプ氏に似た人物として古代ローマの皇帝ネロを持ち出す。 《自分を竪琴(たてごと)と歌の名手と信じていたが、史書は「声は小さく、しわがれていた」と記す▲…自分に拍手喝采(はくしゅかっさい)させる5000人の若者を組織した。ネロが…

安倍首相のトランプ氏ノーベル平和賞推薦について(1) ~「ノーベル平和賞」の意味~

《先週のホワイトハウスでの記者会見で、北朝鮮との緊張緩和を理由に「安倍首相からノーベル平和賞に推薦された」と明らかにした。 トランプ氏によれば、安倍首相からノーベル賞委員会に送った5ページの書簡の写しを渡され、「日本を代表して、謹んであなた…

韓国国会議長の天皇謝罪要求について(2) ~距離感を間違えるな~

《文氏は天皇陛下による謝罪で慰安婦問題が解決すると述べた。唐突で理解に苦しむ発言だ。そもそも天皇の政治利用は日本の憲法で認められていない》(2月19日付京都新聞社説) <天皇の政治利用は日本の憲法で認められていない>から謝罪できないというのは…

韓国国会議長の天皇謝罪要求について(1) ~傍若無人、馬耳東風の韓国~

《韓国の文喜相(ムン・ヒサン)国会議長は今月8日に公開されたアメリカメディアのブルームバーグによるインタビューで、慰安婦問題についてこう発言した。 「日本を代表する首相か、あるいは私としては間もなく退位される天皇が望ましいと思う。その方は戦…

同性婚一斉提訴について(2) ~もっと地均(じなら)しが必要だ~

次に、「同性婚」を認めないのは憲法が定めた「法の下の平等」に反しているのかどうかという点である。これも「法の下の平等」というものの拡大解釈であり、やはりこのような「解釈改憲」ではなく憲法を改正するのが筋であると思う。 第14条 すべて国民は、…

同性婚一斉提訴について(1) ~憲法改正こそ本筋~

《男性同士、女性同士が結婚できないのは、「婚姻の自由」や「法の下の平等」を定めた憲法に反するとして、13組の同性カップルが全国4地裁で国家賠償請求訴訟を起こした》(2月15日付毎日新聞社説) が、そもそも憲法24条は「同性婚」を含んだ「婚姻の自…

米国のINF条約破棄について(2) ~米中露の動きを止める手立てはない~

《広島市長と長崎市長は連名で先月末、トランプ、プーチン両氏に要請書を送り、「代替措置なしにこの条約が撤廃されれば、核兵器使用のリスクが高まる」と訴え、互いの信頼関係を築くよう求めた。安倍政権は、そのために両国首脳を説得する役割を心がけるべ…

米国のINF条約破棄について(1) ~判を押したような日本のマスコミの反応~

《トランプ米政権がロシアとの中距離核戦力(INF)廃棄条約について破棄通告を発表した。通告後、6カ月で失効する。 これを受け、ロシアのプーチン大統領も同条約の義務履行を停止すると表明した》(2月4日付京都新聞社説) 米国の条約破棄のみを否定的…

安倍首相の「悪夢のような民主党政権」発言に端を発する泥仕合について(2) ~子供の喧嘩~

西部邁氏は言う。 《(憲法)21条の言論の自由というのは間違っていると思っている。人間の卑猥な好奇心とか、人間を傷つけたいという攻撃精神とかいうものを言論は含みうるわけですからね。そう簡単に言論の自由は野放しですよとはいかないと思っている。 …

安倍首相の「悪夢のような民主党政権」発言に端を発する泥仕合について(1) ~「言論の自由」というもの~

2月10日の自民党大会で安倍首相が「悪夢のような民主党政権」と発言したことが波紋を呼んでいる。 12日の衆院予算委員会で岡田克也元民主党代表が安倍首相に噛みついた。 岡田 先般の自民党大会で総理はあの悪夢のような民主党政権が誕生したと言われました…

日本固有の領土と言えなくなった北方領土(5) ~譲歩ばかりの安倍外交では不安~

《鳩山内閣は日本の国連加盟やシベリア抑留者の送還でソ連の協力を得るため、歯舞、色丹の2島で妥協した。それが、56年10月に署名した共同宣言だった》(毎日新聞2019年2月8日 東京朝刊) 毎日記者は日本に厳しくロシアに甘い。そのことは日ソ不可侵条…

日本固有の領土と言えなくなった北方領土(4) ~経緯の表層をなぞる毎日記者~

《日本は51年9月、サンフランシスコ講和条約に署名した。そこには日本が千島列島を放棄すると書かれている。政府は条約批准の国会で千島には国後、択捉が「含まれる」と答弁し、吉田内閣の見解となった。 ところが、次の鳩山内閣になってソ連との平和条約…

日本固有の領土と言えなくなった北方領土(3) ~放棄した千島に択捉、国後は含まれるか~

《日本は51年9月、サンフランシスコ講和条約に署名した。そこには日本が千島列島を放棄すると書かれている》(毎日新聞 2019年2月8日 東京朝刊) Treaty Of Peace With Japan Article 2 (c) Japan renounces all right, title and claim to the Kurile Is…

日本固有の領土と言えなくなった北方領土(2) ~2月6日参院予算委員会 大塚代表代行 vs. 安倍首相~

日の参院予算委員会でも、「『固有の領土』という言葉は使えなくなったのか」と迫る国民民主党の大塚耕平代表代行に対し、安倍晋三首相は、「北方領土はわが国が主権を有する島々だ」とだけ述べた。 大塚 (前略) 北方領土は日本の固有の領土だという認識で…

日本固有の領土と言えなくなった北方領土(1) ~1月31日衆院本会議 野田前首相 vs. 安倍首相~

《毎年2月7日には、北方領土の返還を求める全国大会が催される。今年は、重大な変化が起きた。同大会を主催する官民団体が採択する大会アピールから、なんと「北方四島が不法に占拠されている」という事実を述べた文章が削除されたのである。同大会で最重…

日大アメフト悪質タックル問題(2) ~百ゼロ思考の危険~

《警視庁は5日、タックルした選手を書類送検する一方、前監督と前コーチによる選手への指示は認められなかったと結論した。 えーっ、なんで!? ではあの反則は選手の勝手な暴走だったのか》(斎藤美奈子『本音のコラム』:2月6日付東京新聞23面) 警視庁は、…

日大アメフト悪質タックル問題(1) ~前監督ら「嫌疑なし」は「理不尽」か~

《日本大アメリカンフットボール部の悪質タックル問題で、警視庁は5日、内田正人・前監督(63)と井上奨(つとむ)・元コーチ(30)に「容疑はない」とする捜査結果の書類を東京地検立川支部に送付し、発表した。傷害容疑で両氏の告訴状が出されていた…

麻生発言「産まなかった方が問題」について

《麻生副総理兼財務相が地元・福岡県内での国政報告会で、少子高齢化について「年を取ったやつが悪いみたいなことを言っている変なのがいっぱいいるが、それは間違い。子どもを産まなかったほうが問題なんだから」と述べた》(2月6日付朝日新聞社説) 案の定…

沖縄辺野古県民投票について

《辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票を巡り、県議会は「賛成」「反対」の選択肢に、「どちらでもない」を加えた3択とする条例改正案を賛成多数で可決した》(1月30日付沖縄タイムス) 沖縄県民でないお前に何が分かるのかと言われてしまうのであろうが、…

日露首脳交渉について ~takeなきgive~

安倍晋三首相とプーチン大統領は、モスクワで25回目の首脳会談を開いた。が、北方領土返還に関する具体的進展は見られなかった。一方、 《今後数年間で日露間の貿易額を現在の1・5倍の、少なくとも300億ドルへ引き上げることや、北方四島での共同経済…

小4女児死亡事件における教育委の対応について(2) ~事なかれ主義~

秘密を守らなかったというのが最大の問題ではあるが、もう1つの問題は、一時保護までした案件を誰も最後まで責任もって追跡し続けなかった、換言すれば、関係者の誰もが自分事だと考えずに放置してしまったことである。 市役所に相談に行ったら、たらい回し…

小4女児死亡事件における教育委の対応について(1) ~責任感も覚悟もなき大人たち~

《自宅で死亡した千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さんは、父親の栗原勇一郎容疑者(41)=傷害容疑で逮捕=の「いじめ」について、学校のアンケートで必死に助けを求めていた》(朝日新聞デジタル 2019年1月31日21時51分) 死に至らしめたのであ…

明石市長の「火付けてこい!」発言について(2) ~「欲求不満-攻撃仮説」~

心理学に「欲求不満」が募ると「攻撃性」が高まるという「欲求不満-攻撃仮説」(frustration-aggression theory)なるものがある。泉房穂・明石市長もこの理論に当て嵌まるのではないだろうか。 東大卒で弁護士資格を持つ頭脳明晰な泉市長には、どうして7年…