保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

国債購入上限撤廃への批判について(1) ~時代遅れの「財政ファイナンス」論~

MMT(現代貨幣理論)によって経済的視野が一変した。このことが分からない議論が各紙社説に蔓延している。 《中央銀行が青天井で国債を引き受けて政府の赤字を埋める「財政ファイナンス」は本来、禁じ手だ。通貨の信認が失われ、極端なインフレなどの弊害を…

ナイナイ岡村の風俗発言について(2) ~思い通りにならない怨恨~

《現在、例えば10代の女性は「家にいてください」と言われても、性虐待や家庭内暴力を受け、家庭に居場所を失い、各支援団体に救いの手を求めている。 リーマンショックでも東日本大震災でも、人々のストレスが高まると、家庭内での虐待や性暴力につながる事…

ナイナイ岡村の風俗発言について(1) ~現実と綺麗事~

《4月23日放送の『ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)で、岡村隆史が新型コロナウイルス感染拡大で風俗通いを自粛していることを語った》(FLASH 4/26(日) 6:31配信「岡村隆史、風俗を自粛『神様は乗り越えられない試練は作…

松井大阪市長の買い物発言について(2) ~日本は遅れていると思いたがる人たち~

松井発言について内田樹(たつる)神戸女学院大名誉教授は言う。 「CNNに続いてフランスのメディアでも取り上げられました。世界標準に照らせば、ただちに政治生命を失うレベルの大都市の市長としてはありえない『愚行』だからです。大阪の有権者にはその…

松井大阪市長の買い物発言について(1) ~女性は買い物に時間がかかる?~

4月23日の記者会見で松井市長は、朝日新聞の記者からスーパーでの感染防止策に関連する質問を受け、次のように答えた。 「○○君(記者の名前)が買い物行ったらいいねん。夫婦で行かずに。言われたもんだけ買って帰る、と。やっぱり、女の人が行くとね、それ…

こんな大変な時に温室効果ガス削減だなんて(3) ~温室効果ガス排出量と経済は比例する~

《温暖化ガスの大幅削減は容易ではない。原子力発電所の再稼働が進まず、石炭火力への依存をなかなか減らせないのが大きな原因だ。再生可能エネルギーの利用を増やす工夫が欠かせない。 地産地消ができる分散型電源や、IT(情報技術)を駆使して電力需給の変…

こんな大変な時に温室効果ガス削減だなんて(2) ~地球温暖化問題は政治問題~

《今年1月に本格始動したパリ協定は、産業革命前からの気温上昇を2度未満、できれば1・5度に抑えることを目指す。各国が自主的に削減目標を積み上げ、温室効果ガスを削減していく仕組みだ。 だが、各国が現行の目標を達成しても、今世紀末には気温が3度…

こんな大変な時に温室効果ガス削減だなんて(1) ~温室効果ガス削減はカルト~

《1月に本格始動した「パリ協定」に基づき国連に提出する温室効果ガス削減目標について、政府は据え置くことを決めた。 日本の目標は「2030年度までに13年度比で26%減」だ。協定は、批准国が5年に1度、目標を見直すことを義務づけている。今年は…

憲法審査会開催に応じない野党について(2) ~憲法論議から逃げるのは非立憲主義だ~

山尾志桜里衆院議員は、3月12日の立憲民主党代議士会において、 《強大な私権制限に国会承認かけない「非立憲」法案。賛成ありきの国対政治に先祖返りした「非民主」的手続き。立憲民主党の議員として、「非民主」的手続きで賛成と決められた「非立憲」法案…

憲法審査会開催に応じない野党について(1)

《新型コロナウイルスの感染拡大は、国権の最高機関であり立法機関である国会の機能すら麻痺(まひ)させかねない。憲法56条は「総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない」と定める。議員の間に感染者や濃厚接触者が広が…

「国際女性デー」について(4) ~マルクスの妄念~

《日本は国連の女性差別撤廃条約を1985年に批准し、そのための国内法の整備として男女雇用機会均等法も制定した。 それらによって取り組みは一定進んだが、国際的にみれば実態は大きく立ち遅れている。 世界経済フォーラムが発表した2019年の「男女…

「国際女性デー」について(3) ~日本文化における役割分担~

《まずは政治分野からである。国民の半数を占める女性の民意を反映させるために、政治家の半数は女性であることが自然だ。それが、社会の変化を促すことにつながる》(3月8日付毎日新聞社説) 何を根拠に政治家の半数が女性であることが<自然>というのであ…

「国際女性デー」について(2) ~平等思想 vs. 自生的秩序~

《日本の現状は、世界から取り残されている。世界経済フォーラムの男女平等度ランキングでは、153カ国中121位と過去最低だった》(3月8日付毎日新聞社説) その男女平等最底辺国が経済的には最上位国であるのはなぜか。 私は、生物的に雌雄が分離する…

「国際女性デー」について(1) ~近視眼的平等~

《きょうは国際女性デー。女性の政治的解放を目指す国際的な統一行動日だ。1904年3月8日、米国で行われた女性参政権を求めるデモにちなむ》(3月8日付西日本新聞「春秋」) が、私は、参政権の問題は本来、徴兵制と併(あわ)せて考える必要があると思うので…

2021年度中学教科書検定を巡って(6) ~情報戦で負けている日本~

《歴史の近現代を中心に日本をことさら悪く描く自虐史観に基づく記述が相変わらずある。例えば「従軍慰安婦」という不適切な記述が検定をパスした。「戦時体制下の植民地・占領地」との見出しを掲げた本文の脚注には、「戦地に設けられた『慰安施設』には、…

2021年度中学教科書検定を巡って(5) ~教師の首を絞めるアクティブラーニング~

《経済協力開発機構による2018年勤務状況調査では、日本の中学教師のアクティブラーニングへの取り組みは加盟国の平均より遅れていた。 学校ごと、教師ごとの差を広げないためには、研修などを一層充実させる必要がある。また、教師が忙しすぎて新たな指…

2021年度中学教科書検定を巡って(4) ~龍馬のいない歴史~

《近年の英語の大学入試改革をめぐる論議では、専門家から「話せるようになるためにも文法の土台が大切」との指摘が相次いだ。一方に偏らない教え方の工夫が求められる。 「技術・家庭」の技術分野も変容が著しい。全教科の中で最もページ数が増えたが、それ…

2021年度中学教科書検定を巡って(3) ~<アクティブ・ラーニング>が邪魔~

《深い学びをめざす方向性に異論はない。ただ、子どもにじっくり考えさせるには、一つひとつのテーマに相応の時間をかけなくてはならない。授業の枠内でこなし切れるか、消化不良を起こさないか、心配になる》(3月27日付朝日新聞社説) はっきり言って、学…

2021年度中学教科書検定を巡って(2) ~金持ち優遇の教育改革~

《新指導要領は、全教科で「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング=AL)の実現を目標に掲げている。知識や技能を身につけるだけではなく、自ら問いを立て、対話しながら学ぶ過程を重視している。今回、検定を受けたすべての教科書がこの方…

2021年度中学教科書検定を巡って(1) ~妄想に駆られた検定~

《文部科学省は、2021年度から中学校で使われる教科書の検定結果を公表した。 「主体的・対話的で深い学び」を掲げる新学習指導要領の全面実施で、教科書は大きく変わった。 公民では、社会保障の授業の最初に中学3年までの医療費や教育費を調べ、課題…

「アベノマスク」について(3) ~朝日のデマはもはや無効~

案の定WHOも指針を転換した。 《WHO=世界保健機関は新型コロナウイルスの感染が広がる中、マスクの使用に関する指針の内容を更新し、一般向けのマスクを着けても感染を予防できる根拠はないと改めて指摘する一方で、自分が感染している場合に他の人にう…

「アベノマスク」について(2) ~朝日岡崎記者の欺瞞~

《布マスクの効用をめぐっては、専門家の間でも懐疑的な見方が多い。 九州大学大学院の矢原徹一教授(生命科学)は「国は布マスクの配布に加え、子どもたちのために自作するよう要請しているが、適切ではない」と指摘する。 布マスクは織り目のサイズが大き…

「アベノマスク」について(1) ~表層しか見ないのは日米同じ~

安倍首相が各家庭に布製マスクを2枚ずつ配布すると表明したことについて米ブルームバーグ通信は次のように報じた。 In a country where people have long covered their faces to protect against allergies and avoid spreading disease, masks were the fi…

休校継続と学ぶ権利(2) ~混乱する教育現場~

《この先、休校がさらに長引いたとき、何より心配なのは学びへの影響だ。誰もが思い浮かべるのは、動画やデジタル教材を使った自宅学習の導入だろう。家庭の経済状態などによる格差を広げかねない面もあって注意が必要だが、急場をしのぐには有効な手立てと…

休校継続と学ぶ権利(1) ~「学ぶ義務」が必要~

《憲法が定める「教育を受ける権利」が、新型コロナウイルスによって脅かされている》(4月3日付朝日新聞社説) さすが憲法大好きの朝日新聞である。冗談(joke)で言っているのか本気で言っているのか分からないが、新型コロナウイルスによって<基本的人権…

同性カップルの権利について(3) ~憲法学内での解釈改憲はやめるべきだ~

《婚姻は「両性の合意」のみに基づいて成立すると定めた憲法について判決は、制定当時は同性婚が想定されていなかったにすぎず、否定する趣旨ではないと指摘した》(3月29日付信濃毎日新聞社説) 憲法解釈において、制定当時想定されていなかったことは、否…

同性カップルの権利について(2) ~隔靴搔痒の要求~

《2015年には同性愛者ら450人余が日弁連に人権救済を申し立てた。日弁連は昨年7月、同性婚を認めないのは重大な人権侵害だとして関連法の改正を求める意見書を政府、国会に提出している》(3月29日付信濃毎日新聞社説) 日本国憲法第24条には、 婚姻…

同性カップルの権利について(1) ~不貞行為の慰謝料を求める権利~

《東京高裁が同性カップルにも事実婚(内縁)が成立し、法的に権利が保護されるとの判決を出した。高裁段階では初の司法判断という》(3月22日付毎日新聞社説) この<権利>が後国家的「国民の権利」ではなく、前国家的「人間の権利」であるというのなら仕…

国連を利用する狡猾な中国(3) ~国連忌避ではいられない~

《特許や商標など知的財産の保護と利用促進をはかる国連の専門機関、世界知的所有権機関(WIPO、本部ジュネーブ)の次期事務局長を決める選挙が4日に行われ、米国などが推すシンガポール特許庁長官のダレン・タン氏が、中国出身の王彬穎WIPO事務次…

国連を利用する狡猾な中国(2) ~戦後親米保守を主導してきた読売の欺瞞~

《世界保健機関(WHO)は2007年に就任した香港出身の事務局長の下で、総会への台湾のオブザーバー参加を認めなくなった。エチオピア出身の現事務局長は、新型コロナウイルス対応が中国寄りだと批判されている。 国際民間航空機関(ICAO)も中国人…