保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

「ジャニーズ問題」から考える社会の小児病(1/3)

今回は、周回遅れではあるが、「ジャニーズ問題」を取り上げる。今更ながらこの問題を取り上げるのは、佐伯啓思氏のコラムを目にしたのが切っ掛けだ。

 そもそもの問題は、故ジャニー喜多川氏によるジャニーズ事務所所属タレントへの「性的加害」である。が、ジャニー氏が亡くなってからこれが問題となったのは何とも味が悪い。勿論、生前このようなことを告発しても、もみ消されるのが落ちであろうし、少なくとも芸能界に居られなくなってしまうであろうから、普通は躊躇(ちゅうちょ)するに違いない。が、相手が死亡し反論できない状態になって、一方的で検証不能な意見を述べるのは、潔くないと言われても仕方がない。

 もともとジャニー氏には、この手の噂が囁(ささや)かれていた。だから被害者とされる少年たちが何も知らなかったわけではないだろう。芸能界で伸(の)し上がるにはジャニー氏の後ろ盾が必要だ。だから危険を承知の上でジャニーズ事務所に入ったのではなかったか。

 が、ここで私は、この問題自体を追及したいわけではない。そもそも詳しい事情は、当事者にしか分からないのだから外野がどうのこうの言っても仕方ない。関心があるのは、佐伯氏が指摘する社会の幼稚化の問題の方である。

《ジャニーズ問題の背景には、10代半ばの少年、少女を人気タレントに仕立て上げ、そこに利益を生み出すという、わが国のエンターテインメント文化の現状がある。
 「かっこいい」「かわいい」がもっぱらの価値基準となり、商品価値が生まれれば、テレビなどのメディアもそれを後押しする。大人たちが、少年・少女たちにこびを売り、そのくせ、彼らをだしにして稼ごうとする。
 こうして、少年・少女たちが市場の舞台にのせられ、社会や文化の主役になり、大人がそれに迎合する》(佐伯啓思「幼児化が招く文化の喪失 ジャニーズ問題から考える」:2023年7月14日付静岡新聞

 敗戦後、GHQは、日本が米国への復讐心を逞(たくま)しくせぬよう骨抜きにするために、「3S(Sport(スポーツ)・Sex(セックス)・Screen(映画))」政策を実行した。

シオン議定書の第9議定で彼等はこんなことを云つてゐる。「ユダヤ人以外の國民に我々の諸原則を適用するに當(あた)つては、その原則を働きかける當(とう)の相手の國民性を充分に考慮に入れなければならぬ。我々の諸原則をそのまま適用すると云ふことは、我々流に敎育されてゐない國民に於(おい)ては、成功を齎(もたら)すことは覺束(おぼつか)ない。然(しか)し、愼重に仕事にかゝならば、極めて鞏固(きょうこ)な國民の性格でも、10年そこ/\で我々流に變(か)へて了(しま)ふことが出來る。斯(か)うなつた時我々は、既(すで)に我々に屈服してしまつてゐる諸國民の間に、新しい國民を1つ編入することが出來るのである」

 これがユダヤの1つの侵入方法である。この方針の下に彼等は3S政策を樹立したのだ。卽(すなわ)ちスクリーン(映畫(えいが))、セックス(性慾)、スポーツ(運動競技)と云ふ3つの麻醉藥を製造することに着眼したのである》(神田計三『覆面の敵 ユダの挑戦』(六合書院):国立国会図書館デジタルコレクション、p. 324)【続】