保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧

胡散臭い改憲論について(14)/14【最終回】

《憲法が定められてから50年以上たちますが、その間にさまざまな新しい問題が生まれてきました》(櫻井よしこ『憲法とはなにか』(小学館)2000年刊、p. 42) 逆に言うと、憲法制定当時は(大きくは)問題がなかったという認識である。 《時代の変化ととも…

胡散臭い改憲論について(13)/14

《2000年1月に憲法調査会が発足し、ようやく憲法論議が始まりました。しかし、これまでのように、不毛なイデオロギー論を通してのみ憲法を見つめるなら、憲法を論ずるせっかくの機会が十分に活かされるとは思えません。新しい時代に対応していくための…

胡散臭い改憲論について(12)/14

《日本で憲法論議というとイコール第9条の問題ととらえられ、憲法改正といえばタカ派というレッテルが貼られがちです。しかし、今の日本国憲法が抱えている問題点は、決して第9条だけではありません。戦後50年以上1度も改正されていないため、環境権や…

胡散臭い改憲論について(11)/14

櫻井よしこ女史は、 《日本は世界のために役立つことのできる価値観の国で、その力もある》(2024年5月7日付産経新聞) と言う。が、このような考え方が非常に危険な考え方であることは今更(いまさら)言うまでもない。何をもって〈日本は世界のため…

胡散臭い改憲論について(10)/14

米国に対し、岸田氏は、 「もう世界の秩序を米国1人で背負う必要はない。日本は米国とともに手伝います」(2024年5月7日付産経新聞) というようなことを言ったらしい。が、一体何を手伝うというのだろうか。 かつてジョセフ・ナイが、米国上院下院の…

胡散臭い改憲論について(9)/14

《日本国は長い長い歴史を持った素晴らしい国で、岸田さんは米国に対して「もう世界の秩序を米国1人で背負う必要はない。日本は米国とともに手伝います」といった》(2024年5月7日付産経新聞) 米国が「世界の警察」と呼ばれなくなって久しい。軍事力…

胡散臭い改憲論について(8)/14

《岸田さんについて全部いいというふうに思わないが、でも、やることはやってきている》(2024年5月7日付産経新聞) 岸田氏がやったことはと言えば、「移民政策」「国民負担増」「LGBT法」「安倍派潰し」。これで<やることはやってきている>と言…

胡散臭い改憲論について(7)/14

《私が岸田文雄首相の憲法改正の思いを後押しするようなことをいうと、「岸田さんなんて信じられない」という声がある。でも、岸田さんは今までの総理総裁の中で安倍さんとともに何回も何回も「自分の任期で自分の手で憲法改正をやります」といった人だ》(…

胡散臭い改憲論について(6)

<完璧な憲法改正>と言うのであれば、憲法改正と言わず「自主憲法制定」と言うべきである。マッカーサーに押し付けられた憲法を土台として幾ら部分的改正を行っても、「マッカーサー憲法」の基本精神、すなわち、「日本弱体化」は変わらない。 日本国憲法は…

胡散臭い改憲論について(5)

櫻井よしこ女史は言う。 《(3日に改憲派集会の)「公開憲法フォーラム」が開かれ、私は主催者の1人。(会場となった)永田町に多くの人が全国から集まった。会場の向かい側に何十人もの人が旗を立てていた。よくよく耳を澄ますと、私の名前が出てくる。「…

胡散臭い改憲論について(4)

《ジャーナリストの櫻井よしこ氏は4日、自身が主宰するインターネット番組「言論テレビ」で、保守の活動家にも憲法改正に向けた温度差が生じているとして「国柄を体現する憲法をつくりたいのは同じだ」と述べた。また、桜井氏は改憲の実現に関して「いろい…

胡散臭い改憲論について(3)

安倍政権は、「集団的自衛権行使容認」を閣議決定した。これは、事実上の「解釈改憲」であった。安倍政権がこのような遣り方をとったのは、好意的に見れば、朝鮮半島有事が焦眉(しょうび)の急で、憲法改正する時間的余裕がなかったからだということだろう…

胡散臭い改憲論について(2)

「日本保守」派の言う改憲論は、元々「自主憲法」制定だった(はずだ)。現行憲法は、国家主権が奪われた占領期に制定され、国際法「ハーグ陸戦協定」に違反するものであるから、「押し付け憲法」を廃棄し、日本人自らの手で自国の憲法を制定し直そうという…

胡散臭い改憲論について(1)

世間では、改憲論を唱えるのは「保守」と見做(みな)されている。が、注意すべきは、日本における保守には、大きく分けて2つの保守が存在するということだ。1つは、日本古来の文化伝統を守ろうとする保守、謂(い)わば「日本保守」、もう1つは、大東亜…