保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

胡散臭い改憲論について(9)/14

《日本国は長い長い歴史を持った素晴らしい国で、岸田さんは米国に対して「もう世界の秩序を米国1人で背負う必要はない。日本は米国とともに手伝います」といった》(2024年5月7日付産経新聞

 米国が「世界の警察」と呼ばれなくなって久しい。軍事力が世界一なだけで、政治力も経済力も、最早(もはや)世界を圧倒するような存在ではない。だから日本の助けが必要なのであるが、「ウィーク・ジャパン派」の米国民主党は、日本を「使う」ことはあっても、日本と協調しようなどとは露程(つゆほど)も思ってはいないだろう。

東京裁判を強行したのは、民主党ルーズヴェルト政権であって、共和党のタフト上院議員らはそれに反対していた。

アメリカ人全員が反日に燃えて、日本を侵略国家だという烙印を押そうとしている」という見方は、実は大きな間違いなのだ。

 一部の国際政治学者も触れているが、当時のアメリカの外交政策を詳しく調べると、大別して2つのグループがあった。

 1つは、ルーズヴェルト大統領に代表されるグループで、「ウィーク・ジャパン weak Japan(弱い日本)派」と呼ばれる。

「アジアの戦争を引き起こしているのは日本なのだから、日本を弱くすればアジアの平和は保たれる」という考え方だ。具体的には日本に対する対日経済制裁などを主張し、日本が軍事的に弱くなるよう圧力を加えてきたグループで、「日本が中国大陸で戦争を始めたのは、明らかに日本による侵略戦争だ。アジアの平和を乱しているのは、日本だ」と主張していた。

 積極的に外国の政治に干渉しようとすることから、「国際主義」「グローバリズム」などとも呼ばれることがある。どちらかと言えば、民主党アメリ国務省の中の「中国派」と呼ばれる官僚たちに、この傾向が強かった。

 もう1つのグループが、ロバート・タフト上院議員に代表される人たちで、「ストロング・ジャパンstrong Japan(強い日本)派」と呼ばれる》(江崎道朗『アメリカ側から見た 東京裁判史観の虚妄』(祥伝社新書)、pp. 29-30)

【続】