保守論客の独り言

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8月15日「終戦記念日」社説を読む(24)北海道社説その2

《地球は分割ずみである。日本は、膨大な面積の植民地を奪取した。日本は5千万人の人口を擁し、しかも経済的には比較的弱い。アメリカは1億1千万人の人口を擁し、日本より何倍も富んでいながら、植民地を1つももっていない。日本は、4億の人口と世界でもっとも豊富な石炭の埋蔵量とをもつ中国を略奪した。こういう獲物をどうして保持していくか?》(レーニンロシア共産党(ボ)モスクワ組織の活動分子の会合での演説』:『レーニン全集』(大月書店)第31巻、p. 449)

 日本は朝鮮を植民地にしたのではなく「併合」したのである。その証拠に、日本は朝鮮を搾取するどころか逆に「持ち出し」でインフラを整備し、農業生産を高め、学校を作った。レーニンには、世の中に「善政」というものがあることが分からなかった。

 また、<中国を略奪>というが、そもそも満洲はシナの領土ではない。シナ本来の領土は、万里の長城以南までである。さらに、満洲国建国以前の満洲は混沌(こんとん)とした状態にあって、とてもじゃないけれど日本が略奪したなどと言える状態にはなかった。

《強大な資本主義が、弱い資本主義が奪いあつめたものをすべてその手から奪取しないであろうと考えるのは、こっけいである。こういう事態のもとで、アメリカ人は平然としていられるであろうか? 強大な資本家と弱い資本家とが隣りあわせていながら、前者が後者から奪取しないと考えることができるであろうか? もしそうだったら彼らになんの値うちがあるだろうか?》(同)

 米国を煽って日米を闘わせ、両者が疲弊するのを待って漁夫の利を得ようと考えたレーニンはまさに「卑劣漢」である。

《しかし、このような情勢のもとで、われわれは平気でいられるだろうか、そして共産主義者として、「われわれはこれらの国の内部で共産主義を宣伝するであろう」と言うだけですまされるであろうかこれは正しいことではあるが、これがすべてではない。共産主義政策の実践的課題は、この敵意を利用して、彼らをたがいにいがみ合わせることである。そこに、新しい情勢が生まれる。

2つの帝国主義国、日本とアメリカをとってみるなら──両者はたたかおうとのぞんでおり、世界制覇をめざして、略奪する権利をめざして、たたかうであろう。日本は、あらゆる最新の技術的発明と純アジア的拷問とを結びつけた前代未聞の残虐なやり方で朝鮮を略奪しているが、この略奪をつづけるためにたたかうであろう》(同、pp. 449f)

 資本主義国と直接戦っても勝てない。だから資本主義国を煽って嚙合わせ、互いに弱ったところで漁夫の利を得ようという算段である。資本主義国が衰弱したところで共産主義革命を仕掛ける。これが「敗戦革命論」というものである。