保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

明石市長の「火付けてこい!」発言について(1) ~表の顔と裏の顔~

《兵庫県明石市の泉房穂市長(55)が2017年6月、道路の拡幅事業で立ち退き交渉を担当する職員に対して吐いた暴言が一斉に報じられた》(Abema TIMES 1/30(水) 15:30配信) 1年半も経ってどうして市長選直前の今これが公にされたのか甚だ疑問ではあるけれども…

韓国とは「距離」を取るべきだ

《韓国国防省は24日夕方、「自衛隊機による低空威嚇飛行の証拠」とする写真を公開した。 公開された写真は韓国海軍の駆逐艦から撮影された動画を静止画にしたもので、飛行する自衛隊の哨戒機とともに「右舷通過時、高度およそ60メートル」との説明が加えられ…

いたずらに労働人口減少を煽る日経社説(3) ~「価値」を創り出す人を生み育てる場~

《1人あたりの付加価値を高めるには働き手の能力開発がより大切になる。公共職業訓練を産業構造の変化に合わせた内容に改めるなど、社会人の学び直しの支援をもっと充実させるべきだろう》(1月15日付日本経済新聞社説) 人工的な<能力開発>によって高めら…

いたずらに労働人口減少を煽る日経社説(2) ~生産性の向上が必須?~

どうも現在の産業構造を維持したまま、労働力不足を女性や高齢者で埋めようとしているのではないかという疑いが濃厚である。それでは不足の穴は埋められても、生産性の向上は見込めない。女性には女性に適した、そして高齢者には高齢者に見合った働き甲斐の…

いたずらに労働人口減少を煽る日経社説(1) ~労働人口が20%も減る?~

《働き手の減少に改めて危機感を持つ必要がある。日本の2040年の就業者数は17年に比べ20%も減る可能性がある、との推計を厚生労働省が公表した》(1月15日付日本経済新聞社説) 「可能性が高い」と言うのならまだしも、<可能性がある>などという、なるのか…

都立高校教員の体罰動画について(3) ~日本における「構造的アノミー」~

《戦前の日本を特徴づけた頂点における天皇制国家と底辺における村落共同体という二つの重要な共同体は、もはや存在しない。 存在する共同体としては、いまや会社、官庁などの共同体的機能集団しかない。故に、誰も生活のためという理由だけでなく、連帯を求…

都立高校教員の体罰動画について(2) ~アノミーに陥った学校~

先生と生徒の関係が崩れてしまっている中で今回の事件は起った。その最大の原因は、生徒を増長させてしまった学校にあると私は考える。 《校長は18日の会見で教師の暴行について「生徒に非があるような内容ではありません」と発言。被害生徒は校則で禁じら…

都立高校教員の体罰動画について(1) ~テレビ局が切り取った情報~

《東京・町田市の都立高校で発生した、教師による生徒の殴打事件が波紋を呼んでいる。テレビ局は当初、高校の生徒から提供された動画のうち「教師が生徒を殴る瞬間」の部分だけを切り取って放送した。世間では“暴力教師による一方的な体罰事件”という見方と…

陛下の政治的発言とマスコミのその政治利用(3) ~平成は戦争のない時代だったのか~

《戦争の天皇でなく、平和の天皇でいられた喜びは、昨年12月23日のお言葉でも明らかです。85歳の誕生日を迎え、陛下はときに涙声になりつつ、こう述べたのです。 「平成が戦争のない時代として終わろうとしていることに、心から安堵(あんど)しています」 …

陛下の政治的発言とマスコミのその政治利用(2) ~左寄り新聞の恣意的憲法解釈~

第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。 《憲法尊重擁護義務といわれる重要な規定ですが、大切なのは、この一文に「国民」の文字がないことです。これは日本国憲法が社会契約説に立って…

陛下の政治的発言とマスコミのその政治利用(1)

先日も私は陛下は政治的発言をなされるべきではない旨を本ブログに書いた。それは御発言が「政治利用」されかねないからである。 平成元(1989)年1月9日、今上陛下は、皇居宮殿で行われた即位後の「朝見の儀」において次のように述べられた。 「大行天皇の…

御代替わりと新元号(3) ~伝統に優先する「国民生活」~

《平成改元の際は、昭和天皇が逝去し、天皇陛下が即位された後に元号の制定手続きが行われたため、一部混乱を招いた。 事前公表に踏み切る理由を、安倍晋三首相は「国民生活への影響を最小限に抑える観点から」と説明する。「国民がこぞってことほぐことがで…

御代替わりと新元号(2) ~皇室問題を政治的に扱うこと勿れ~

勿論、伊藤博文公の歴史観が絶対だと言いたいのではない。所功氏は旧皇室典範第10条の来歴を次のように書いている。 《旧典範の第10条(終身在位)が決まるまでの議諭を振り返りますと、その草案作成に尽力した井上毅は、明治18年ころの「謹具意見」で、女帝…

御代替わりと新元号(1) ~政治色の濃い「譲位」~

《天皇陛下が、皇太子殿下へ皇位を譲られる歴史的な年を迎えた。立憲君主である天皇の譲位は、日本の国と国民にとっての重要事である》(1月3日付産經新聞主張) <立憲君主である天皇>。産經までもがこの程度の認識なのかと私は遣る瀬無さを感じた。 この…

伊勢神宮集団参拝: 違憲批判を物ともせぬ立憲民主党

1月4日、立憲民主党は幹部が揃って伊勢神宮を参拝し、これを公式ツイッターに投稿した。 本日4日、枝野代表は福山幹事長らと伊勢神宮 を参詣し、一年の無事と平安を祈願しました。 これには批判のコメントが多々寄せられた。 「この写真を見ると、靖国への合…

若者には無限の可能性があるのか?

《「君たちには無限の可能性がある」-。成人の日である。新成人に日本中でこの言葉がかけられているかもしれない▼門出を祝う日に水を差すつもりは毛頭ないが、脚本家の山田太一さんはこの「無限の可能性がある」が苦手だそうだ。「大人が若者を無責任に励ま…

寝屋川中1男女殺害裁判について(2) ~日本は法治国家と言えるのか~

《「近代裁判とは検事を裁く裁判である」…つまり、裁判官は被告人を裁くのではない。検事が不法な捜査や取り調べをしていないか、そのことを徹底的に調べあげるのが裁判の主たる目的であって、事実を明らかにすることが裁判の目的ではない》(小室直樹『痛快…

寝屋川中1男女殺害裁判について(1) ~「推定有罪」になってはいないか~

《大阪府寝屋川市の中学1年の男女を殺害したとして、殺人罪に問われた山田浩二被告に、大阪地裁が死刑を言い渡した》(2018年12月21日付読売新聞社説) 気になるのは、今回の判決が「推定有罪」となっていないかということである。 《被告は殺害を否認し、…

文大統領の徴用工発言について(3) ~韓国国民はこれで良いのか~

《国内の司法判断を理由に、国家間の取り決めに基づく義務を逃れることは許されない。韓国の文在寅大統領は、対日外交を安定化させる責任を放棄しているのではないか。 元徴用工への賠償を新日鉄住金に命じた韓国最高裁の判決について、文氏が記者会見で「韓…

文大統領の徴用工発言について(2) ~文大統領の読み違い?~

《今日の謀を爲すに、我國は隣國の開明を待て共に亞細亞を興すの猶豫ある可らず、寧ろ其伍を脫して西洋の文明國と進退を共にし、其支那朝鮮に接するの法も隣國なるが故にとて特別の會釋に及ばず、正に西洋人が之に接するの風に從て處分す可きのみ。惡友を親…

文大統領の徴用工発言について(1) ~まさに福澤諭吉が言い当てたこと~

《斯る國人に對して如何なる約束を結ぶも、背信違約は彼等の持前にして毫も意に介することなし。既に從来の國交際上にも屡ば實験したる所なれば、朝鮮人を相手の約束ならば最初より無效のものと覺悟して、事實上に自ら實を収むるの外なきのみ》(福澤諭吉:…

東名あおり運転事故判決について(2) ~大陸法 vs. 英米法~

《判決は、被告のあおり運転と夫婦の死亡に因果関係があると認定して同罪を適用した。 一方で、高速道路上に停止させた速度ゼロの状態が同罪の構成要件である「重大な危険を生じさせる速度」とするのは、解釈上無理があるとも指摘した。 同罪があくまで「走…

東名あおり運転事故判決について(1) ~罪刑法定主義~

《東名高速道路で昨年6月、執拗(しつよう)なあおり運転を受けて停車させられた夫婦がトラックに追突されて死亡した事故で、横浜地裁の裁判員裁判は石橋和歩被告に危険運転致死傷罪を適用し、懲役18年の判決を言い渡した》(2018年12月15日付産經新聞主…

大阪都構想でダブル選? ~大阪維新の会のジレンマ~

《大阪維新の会の代表と政調会長をそれぞれ務める松井一郎・大阪府知事と吉村洋文・大阪市長が、任期満了を待たずにそろって辞職し、来春の統一地方選に合わせて「ダブル選」を実施する可能性を示唆している。 発端は、大阪都構想を問う住民投票の日程を巡り…

各紙元旦社説批評(3) ~周回遅れの凡庸記事~

《コンピューターが発達し続ける先には、人工知能(AI)が人間の能力を超える時点があるという。米国の未来学者レイ・カーツワイル氏は、それを「シンギュラリティ(技術的特異点)」と呼び、2045年までに到来するとしている》(京都新聞) 「シンギュ…

各紙元旦社説批評(2) ~酷過ぎる読売社説~

《世界1位と2位の経済大国の対立は、安全保障や通商、ハイテクなど多岐にわたり、相当長い間続くと覚悟すべきである。 米国とソ連による冷戦の終結宣言から30年、「新たな冷戦」に怯え、身をすくめていても意味はない。米国の同盟国であり、中国と深い関…

各紙元旦社説批評(1) ~寒々とした各紙元旦社説~

新聞各紙の元旦社説を読んでこれほど虚しく感じたことはなかった。中身がない。論ずべきものを持たないマスコミ。まさにマスコミの為体(ていたらく)がここに表れている、私はそのように感じた。 読むに値しない、紙とインクの無駄遣いのような社説が散見さ…

立憲山尾衆院議員の「立憲的憲法改正」について(4) ~不文憲法と議論の両輪~

「自生的秩序」を生かすことは重要ではあるが、「弱点」もある。 though the use of spontaneous ordering forces enables us to induce the formation of an order of such a degree of complexity (namely comprising elements of such numbers, diversity…

立憲山尾衆院議員の「立憲的憲法改正」について(3) ~日本は不文憲法を採用すべきだ~

《老子に「天網恢々、疎にして漏らさず」(漏が失になっている書物もある)という名言がある。天の打つ網はめがあらいようでも、ちゃんと逃さないものだという意味であるが、この頃つくづくこの語の妙味に感嘆する。天の作せるわざわいは逃れることはできて…

立憲山尾衆院議員の「立憲的憲法改正」について(2) ~天網恢恢、疎にして漏れっ放しの憲法?~

《憲法九条があるにもかかわらず、専守防衛を逸脱し集団的自衛権の一部を認める安保法制は成立してしまいました。 そうです。憲法九条は安保法制を止めることができなかった。憲法の本質的役割は権力統制にあるにもかかわらず、最も権力が先鋭化する「自衛権…