保守論客の独り言

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都立高校教員の体罰動画について(1) ~テレビ局が切り取った情報~

《東京・町田市の都立高校で発生した、教師による生徒の殴打事件が波紋を呼んでいる。テレビ局は当初、高校の生徒から提供された動画のうち「教師が生徒を殴る瞬間」の部分だけを切り取って放送した。世間では“暴力教師による一方的な体罰事件”という見方となっていた》(日刊SPA! 2019/01/22 08:54)

 どうしてテレビ局は「教師が生徒を殴る瞬間」の部分だけを恣意的に切り取って放送したのだろうか。「反権力」を気取るテレビ局は、学校における権力者たる教師を標的にしたかったということなのか。

 が、今学校がどのような状態にあり、教師がどのような立場に置かれているのかが分かっていればこのような報道にはならなかっただろう。生徒は善で教師は悪などと決めつけて教師の体罰だけを糾弾するのは生徒を増長させるだけであるし、問題を誤った方向に誘導しかねない。

《動画の冒頭には、生徒の「Twitterで炎上させようぜ」という声が入っている。そもそも撮影者には、ネットに上げようとする意図があったということだろう。

 生徒が教師に対して詰め寄りながら「バカじゃねえのかよ」「小さい脳みそで考えろよ!」「ふざけんなよ、オラ!」などと暴言を吐いており、煽っている様子がうかがえる。さすがの教師も堪忍袋の緒が切れ、生徒の顔面を殴ってしまったのである》(同)

 これが動画の一部始終のようである。テレビ局が伝えなければならないのは、自分たちが加工した「正義」ではなく、加工されていない「生の情報」である。生の情報がありさえすれば、今回の事案は教師だけがやり玉にあげられるような話ではないことは常識的に分かるだろう。

《番組(=フジテレビ系「直撃LIVEグッディ!」)の取材に応じた同級生の一人は、被害生徒が休み時間に友人たちに「これから(挑発)する」と話し、用意周到に教師との“タイマン”を準備していたとする証言を告白。また、ケンカを売る理由が「先生の授業を受けたくない」からで「学校から辞めさせる目的」があったことを明かした。

 実際、仲間の生徒たちは動画をネット上に公開し「教育委員会よろしく」の文字と、地に落ちた教師をあざ笑う笑顔の顔文字をつけている。動画撮影は被害生徒とぐるになった友人が行い、他に2人の生徒がその場にいたという》(東スポWeb 1/21(月) 16:44配信)

 これでもまだ判断するには情報が不足している。どうしてここまで生徒たちが増長してしまったのか、もっとその背景に切り込まねば真相は見えてこない。【続】