保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

立憲民主党に政権構想を迫る読売新聞の愚

読売新聞が立憲民主党に<説得力ある政権構想を示せ>と迫る社説を掲げたのには正直驚いた。政権を取る気のない、否、その能力のない政党に政権構想を示せと言うのは悪い冗談でしかないだろう。 《立憲民主党が党大会を開いた。枝野代表は「野党の連携で問題…

マスコミの頭を占有する森友問題(2) ~唯我独尊の似非民主主義者たち~

左寄りの新聞が難癖を付け続けるのは仕方がないのだろうが、驚くべきは産經新聞までが同様の批判を行っていることである。 《泰典被告は初公判で、「国策捜査」などと検察を批判した。1審とはいえ裁判所が認めたのは、両被告が人をだまし、詐欺を働いたとい…

マスコミの頭を占有する森友疑惑(1) ~強迫性障害~

《大阪市の学校法人森友学園に対する補助金不正事件で、詐欺罪などに問われた学園前理事長の籠池泰典被告と妻の諄子被告に対し、大阪地裁が有罪判決を言い渡した。 起訴状によると、両被告は大阪府豊中市の国有地に開校を予定していた小学校の建設に絡み、国…

外国籍の子供の「学ぶ権利」について(5) ~日本語が不自由な外国籍の子供を指導する困難~

《近年とくに増加している外国人は、ブラジル、フィリピンなど、南米や東南アジアから日本へ働きに来る人たちである(いわゆる「ニュー・カマー」)。こうした「ニュー・カマー」の増加は、日本が「経済大国」といわれるまでに経済発展を遂げた結果である。 …

外国籍の子供の「学ぶ権利」について(4) ~外国人の歴史の誤り~

《「外国人の人権」を考えるとき、そもそもなぜ、その外国人が日本で暮らすこととなったのかを、きちんと理解することが、なによりも重要である。「不満があるのなら自分の国へ帰ればいいじゃないか」という、ある意味では素朴な、しかしときには悪意をもっ…

外国籍の子供の「学ぶ権利」について(3) ~<人権>と<基本権>~

《外国人もまた基本的人権の享有が認められるか否かについて、学説は大きく2つに分かれている。 否定説は、憲法第3章「国民の権利及び義務」はあくまで日本国民の権利を保障するものであって、外国人の権利までをも保障するものではない。ただ外国人といえど…

外国籍の子供の「学ぶ権利」について(2) ~人権の前国家的権利性~

日本国憲法第98条2項に次のような条文がある。 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。 だからたとえ日本国憲法と矛盾しようとも「こどもの権利条約」を遵守しなければならない。「こどもの権利条約」が言う…

外国籍の子供の「学ぶ権利」について(1) ~どうして日本国憲法よりも「子どもの権利条約」が優先されるのか?~

《外国籍の子どもには就学義務はないが、国籍を問わず、全ての児童に教育を受ける権利がある。日本も批准した「子どもの権利条約」に明示されている》(2月12日付西日本新聞社説) 子どもの権利条約第28条1項には次のようにある。 締約国は、教育についての…

安倍首相の野次「意味のない質問だよ」について(3) ~このままでは国が亡びる~

《国会審議が何のために行われるのか首相は理解していない。 国会審議は、提出議案の可否を決めるとともに、国政に関する調査を行うためにある。また首相や閣僚は「答弁又(また)は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない」と憲法は定め…

安倍首相の野次「意味のない質問だよ」について(2) ~安倍降ろしの風が吹く~

立憲民主党・逢坂誠二議員の質問に答え、安倍晋三首相は次のように弁明した。 「最後のところで、辻元委員がずっと私に質問ではなくて、罵詈雑言(ばりぞうごん)の連続だった。頭から腐ると、腐ってる本体が私であると。これを言い続けた。政策に関わりなく…

安倍首相の野次「意味のない質問だよ」について(1) ~一国の首相を腐っていると侮辱する非礼~

《到底聞き流すわけにはいかない。安倍晋三首相が委員会審議中、野党議員に「意味のない質問だよ」とやじを飛ばした。行政監視や国政の調査を担う国会を冒涜(ぼうとく)する暴言だ。厳しい対処を求める》(2月14日付東京新聞社説) この野次は、立憲民主党…

桐生悠々について(4) ~自分事としての批判~

桐生悠々は、<昭和>に語り掛けるという手法で、時代状況を批判する。 《「昭和」! お前は今日の時局に何というふさわしからぬ名であるか。尤もお前も最初は明朗であり、その名通りに「昭」であり、「和」であったが、年を重ぬるに従って、次第にその名に…

桐生悠々について(3) ~パペット・ショー批判~

《将来若(も)し敵機を、帝都の空に迎えて、撃つようなことがあったならば、それこそ、人心阻喪(そそう)の結果、我は或は、敵に対して和を求むるべく余儀なくされないだろうか。何ぜなら、是の時に当り我機の総動員によって、敵機を迎え撃っても、一切の…

桐生悠々について(2) ~悠々は「平和主義者」ではなかった~

桐生悠々は、戦後言うところの「平和主義者」のような存在ではなかった。実際、<戦争は必ずしも悪いと決ってはいない>と言う。 《戦争と平和と、いずれを択(えら)ぶかといえば、国民の多くは後者を択ぶだろう。一部階級のものを除いて、残余の多数は、戦…

桐生悠々について(1) ~言いたい事と言わねばならない事~

《人動(やや)もすれば、私を以て、言いたいことを言うから、結局、幸福だとする。だが、私は、この場合、言いたい事と、言わねばならない事とを区別しなければならないと思う。 私は言いたいことを言っているのではない。徒(いたずら)に言いたいことを言…

財政健全化病について(2) ~反・経世済民~

《安倍首相の言葉からは、財政健全化を達成しようという本気度が伝わってこない。目標が形骸化しているのではないか。 政府は、その指標となる基礎的財政収支(PB)の黒字化を2025年度に実現するとしている。 第2次政権になってから7回の施政方針演…

財政健全化病について(1) ~財務省の嘘宣伝~

《国と地方の長期債務(借金)の残高は20年度末に1125兆円に達する。これは国内総生産(GDP)の約2倍にあたる規模で、先進国で最悪の水準だ》(1月20日付北海道新聞社説) などと言われてきた。にもかかわらず、日本社会は暗くはない。それはなぜ…

大阪都構想再来について(2) ~水平化の鋭い鎌~

《松井一郎大阪市長は「都構想は制度の話であって、公営住宅の料金など個別政策の話ではない」として、サービス水準の議論は住民投票と切り離して考えるべきだとする。だが、格差を生むリスクを内包した制度である以上、サービス低下への懸念を払拭する努力…

大阪都構想再来について(1) ~<二重行政の無駄>の話は大阪衰退とは別次元の話~

大阪の駄目さ加減が分かる話題である。 《大阪都構想を改めて住民投票にかける制度案の大枠が決まった。大阪府と大阪市の議会で了承されれば、2020年11月にも住民投票が実施される》(2019年12月26日付日本経済新聞社説) どうして大阪維新の会は一度否決さ…

英国のEU離脱について(2) ~英国EU離脱後の成否のカギは日本にもある~

《国家主権を制限する一方で、国境を超えたヒト、カネ、モノ、サービスの自由な行き来を通じて域内の経済的な繁栄の実現を目指す――。EUは世界史的な意味を持つプロジェクトである》(1月30日付日本経済新聞社説) 確かに左方面からすれば<EUは世界史的な意…

英国のEU離脱について(1) ~「コスモポリタニズム」の実験場~

《2つの世界大戦を経た欧州は、不戦の誓いを出発点とし、平和と繁栄のために国境を取り払う理想を掲げた。国家主権を超える組織をめざし、地域の融合へ向けて拡大を続けた。 加盟すれば欧州市民として、自由に移動できる。どこでも学び、働き、暮らせる――。…

日米安保条約改定60年について(3) ~括弧つきの平和~

《現行の安保条約は戦争放棄と戦力不保持の憲法9条の制約が前提だ。自衛隊は「盾」として専守防衛に徹し、「矛」としての米軍が打撃力を受け持つ関係である》(1月19日付東京新聞社説) <戦争放棄と戦力不保持の憲法9条>と言うのなら、やはり自衛隊は違…

日米安保条約改定60年について(2) ~毎日社説子の矛盾した防衛論~

《条約は一方で米軍への基地提供を義務付けた。米軍は抑止力を提供しただけでなく、日本周辺海域の航行の安全を確保し、貿易の拡大など経済的な恩恵も双方にもたらした。 共通の敵だったソ連の崩壊後も同盟が存続したのは、北朝鮮や中国など新たな脅威に対処…

日米安保条約改定60年について(1) ~安保只乗り論の誤り~

各紙社説が「日米安保条約改定60年」について取り上げている。どうして60年などという中途半端な節目を設けるのか分からないし、各紙が横並びなのも気になるところである。 《日米安全保障条約改定の調印から60年を迎えた。米軍駐留を認める旧条約を更新…

無残な国会代表質問とマスコミの反応(2) ~孤立無援の言論戦~

《日本の進路と安全保障の根幹にかかわる対中問題について、ほとんどの登壇者に危機感が見られなかったのはどうしたことか。 安倍晋三首相は20日の施政方針演説で、中国とはあらゆる分野で交流を深め、「新時代の成熟した」関係を構築すると語った。 尖閣…

無残な国会代表質問とマスコミの反応(1) ~「桜」が大好きな立民・共産・マスコミ~

3日間にわたって行われた衆参両院での代表質問に対し、産經主張子は、 《今年最初の国会論戦にしては極めて物足りない。国の基本をもっと論じ、日本が直面している課題に踏み込んでもらいたかった》(1月25日付産經新聞主張) と言う。<極めて物足りない>…

施政方針演説について(3) ~大局観なき議論~

《与野党は、日本の将来像を大局的に論じなければならない》(1月21日付読売新聞社説) 指摘自体は正しいと思うが、それを読売新聞に言われても困りものだ。が、今の日本に「森友」だ、「加計」だ、「桜」だ、などと戯(たわむ)れている暇がないのもまた事…

施政方針演説について(2) ~売国の響き~

「観光立国」政策も大いに疑問である。安倍晋三首相は言う。 「全体で五百近い市町村が、今回、ホストタウンとなります。これは、全国津々浦々、地域の魅力を世界に発信する、絶好の機会です。 北は北海道から、南は沖縄まで。アイヌの皆さんが受け継いでき…

施政方針演説について(1) ~長期政権に代わる受け皿の無い悲劇~

通常国会が開会され、安倍晋三首相は令和初の施政方針演説を行った。とはいえ、2012年に政権を取り戻してから8回目の施政方針演説となる。例によって、「地方創生」「アベノミクス」「1億総活躍社会」「全世代型社会保障」「積極的平和主義」等々と看板政策…