保守論客の独り言

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安倍首相の野次「意味のない質問だよ」について(2) ~安倍降ろしの風が吹く~

立憲民主党逢坂誠二議員の質問に答え、安倍晋三首相は次のように弁明した。

「最後のところで、辻元委員がずっと私に質問ではなくて、罵詈雑言(ばりぞうごん)の連続だった。頭から腐ると、腐ってる本体が私であると。これを言い続けた。政策に関わりなく。私に反論する機会を与えずに繰り返された。テレビ(中継)つきで。

それで終えられた後、それはあまりにも、こんなやり取りじゃ無意味じゃないかということを申し上げた。当然、そう思うじゃないですか。一方的にここでののしる。ここは質疑の場であって、一方的にののしる場なのか? 私はそうだとは思わない。私は、それでは質疑は無意味になってしまうと思ったから、これじゃ無意味じゃないかと申し上げたわけだ」(毎日新聞2020年2月13日)

 辻元清美議員の誹謗中傷にではなく安倍首相の野次にばかり批判の矛先が向いているのは奇妙である。安倍降ろしの風が吹き始めているということなのか。

《反論の機会も与えられずに罵詈雑言を浴びたと安倍首相は受け止めたのだろう。だが、一国の首相が野党議員の非難に腹を立ててやじを飛ばすのはみっともない。もっとどっしり構え、憲政史上最長の在任となった首相らしい振る舞いを心がけてほしい》(2月14日付産經新聞主張)

石破茂元幹事長は鳥取県米子市で記者団の取材に「長く国会議員をしているが初めて聞いた。野党議員も全国民の代表者。敬意を持つのが当然だ」と指摘した。

 中谷元・元防衛相は高知市で、辻元氏が「タイは頭から腐る」と首相を非難した予算委発言を踏まえ「タイは腐ってもタイ。泰然自若として、ユーモアで返すくらいの度量が必要だ」と首相に寛容さを求めた》(共同通信2/15(土) 21:02配信)

自民党世耕弘成参院幹事長は14日の記者会見で、安倍晋三首相が12日の衆院予算委員会立憲民主党辻元清美幹事長代行に「意味のない質問だ」とヤジを飛ばしたことに関し「ああいうことをやると、人柄などを誤解させることにつながりかねない。本当にやめた方がいい。何のプラスもない」と述べた》(産経ニュース2020.2.14 16:14)

《内閣は国会に連帯して責任を負い、首相と閣僚には説明や答弁の義務があると憲法は定めている。

 国民への説明責任を果たすべき首相が、言論の府である国会で議員の質問を「無意味」と言い放つなど、言語道断である。

 野党が「議会制民主主義への冒涜(ぼうとく)だ」と反発した》(2月14日付北海道新聞社説)

 野党が「森友・加計・桜」と難癖付けばかりに勤(いそ)しんでいるのはそもそも議会制民主主義の冒涜ではないのか。その野党が安倍首相の野次を<議会制民主主義への冒涜>などと言うのは目糞鼻糞の類(たぐい)である。【続】