保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ローマ教皇を政治利用する政教分離論者(1) ~言うは易く行うは難し~

日頃、靖国神社参拝の問題となると「政教分離」をうるさく言う人達が、核廃絶に関してはローマ教皇を政治利用する。まさに「二重基準」(double standard)である。 《13億人の信者を抱えるローマ・カトリック教会のトップ、フランシスコ教皇が長崎と広島…

2019年版防衛白書について(2) ~米国頼みが危ういから韓国と仲良くせよとはならない~

《韓国との関係は「戦後最悪」とされ、機密情報を共有する軍事情報包括保護協定は破綻寸前の状況だ。 政治、経済面で関係改善が期待される中国も、沖縄県・尖閣諸島周辺海域では艦船の侵入を続けている。ロシアも首脳会談が演出する「親密さ」と裏腹に、北方…

2019年版防衛白書について(1) ~色眼鏡が掛かった神戸新聞社説~

2019年版防衛白書の概観は、「現在の安全保障環境の特徴」として次の3点を挙げている。 (1) 既存の秩序をめぐる不確実性が増大し、政治・経済・軍事にわたる国家間の競争が顕在化している。 (2) テクノロジーの進化が安全保障の在り方を根本的に変えようとし…

東京社説の歪んだ「西側」批判 ~まず中国の人権弾圧を批判すべきだ~

《いわゆる中国脅威論。乱暴な振る舞いも多い新興大国ゆえ、恐れは分かるのですが、脅威はむしろ「あっち」でなく「こっち」の内部にある気もして…》(11月24日付東京新聞社説) どうも脅威は中国全体主義ではなく安倍政権にあると言いたいようであるが、私…

GSOMIAについて(5) ~韓国中央日報の冷静な分析~

《韓日の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了期限(23日0時)を目前にして韓国政府が猶予決定を下した。韓日対立局面の中、政府が8月に出した終了決定を自ら保留した。「終了通知効力停止」という表現を使用しながら、いつでもGSOMIAを終了させること…

GSOMIAについて(4) ~「ほとんどこちらのパーフェクトゲームだった」?~

《文在寅政権が、GSOMIA破棄という愚かな選択を寸前で取りやめたことは妥当である》(11月23日付産經新聞主張) 果たしてそうか。韓国が北朝鮮との統一を目指しているのであれば、GSOMIAを破棄するのが筋である。それを無理矢理日米側に繋ぎ止めることが<妥…

GSOMIAについて(3) ~破棄を凍結という韓国の独り相撲~

てっきりGSOMIAを失効させるのかと思いきや、土壇場で韓国は破棄を「凍結」した。 《韓国政府が22日、日本政府に対して、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)終了の通告を停止すると伝えた。23日午前0時失効の危機は回避され、1年間の自動延長となった》(…

GSOMIAについて(2) ~日本のマスコミの誤導~

《最大の要因は、旧植民地時代に製鉄所などに動員された元徴用工らへの賠償を日本企業に命じた、韓国最高裁の判決の確定である。 この問題は、1965年の日韓請求権協定で「解決済み」とされてきた。韓国も日本が支払った無償資金を「強制労働の補償」とみ…

GSOMIAについて(1) ~韓国は反日国家~

《米国の同盟国である韓国は、北朝鮮の軍事挑発の抑止に向けて、日米韓連携を維持する決意はあるのか。日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の扱いが試金石となろう》(11月16日付読売新聞社説) 何を寝惚けたことを言っているのか。韓国は公然と反日政…

RCEP妥結見送りについて

《日本や中国、インドなど16カ国による自由貿易圏構想「東アジア地域包括的経済連携(RCEP=アールセップ)」の首脳会議は、目標としていた年内の交渉妥結を見送った》(11月7日付毎日新聞社説) 日本には「環太平洋連携協定」(TPP)がある。RCEPとTPPは…

ペンス米副大統領の対中演説について(2) ~見て見ぬ振りは卑怯~

nothing in the past year has put on display the Chinese Communist Party’s antipathy to liberty so much as the unrest in Hong Kong. Hong Kong has served as an important gateway between China and the wider world for 150 years. Hong Kong is o…

ペンス米副大統領の対中演説について(1) ~安倍首相が「一帯一路」への協力を表明するのはなぜか~

《ペンス米副大統領は24日、ワシントンの政策研究機関「ウィルソン・センター」で行った「米中関係の将来」についての演説で、中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺に海警局の艦船を派遣するなどの「挑発行為」を展開していると批判した。香港問題では事態…

「記述式」導入は大学入試改悪だ(2) ~おかしな改革をごり押ししているのは誰だ~

採点を民間会社に丸投げするのも問題である。 《受験が想定される50万人規模の解答を短期間で採点するには1万人程度の人員が必要だという。このため採点業務はベネッセコーポレーションのグループ会社に全て委託することになっている》(11月13日付西日本新…

「記述式」導入は大学入試改悪だ(1) ~生煮えの制度と批判~

萩生田光一文科相の「身の丈」発言によって動き出した大学入試改革への批判。英語の民間試験導入は一旦見送られたが、もう一つの目玉である「記述式」にも批判が高まっている。 《中途半端な手当てですませようとせず、いったん白紙に戻して検討し直すべきで…

「桜を見る会」中止では済ませぬ「スッポン」たち

《首相主催の「桜を見る会」について、政府が来年度の開催中止を決めた》(11月15日付朝日新聞社説) が、一端噛み付いたら離さないスッポンのような人たちは赦(ゆる)さない。 《安倍首相は数々の疑問に、いまだ何ひとつ、まともに答えていない。このまま…

「桜を見る会」について

《毎春、東京・新宿御苑で行われる首相主催の「桜を見る会」出席者が、第2次安倍政権発足以降、年々増え続け、首相の後援会関係者が大勢招待されている》(11月13日付朝日新聞社説) と野党連が噛み付いた。 《税金で賄われる内閣の公的な行事を私物化して…

米国のパリ協定離脱

《米政府が4日、地球温暖化対策の国際ルール・パリ協定から離脱すると国連に通告した。これから手続きに入り、1年後に協定から去ることになる》(11月6日付朝日新聞社説) このことをもって朝日社説子は、 《大国として無責任なふるまいといわざるをえない…

安倍首相の野次を「民主主義の危機」と非難する毎日新聞について

《6日の衆院予算委員会で、国民の範たるべき安倍晋三首相が、またも閣僚席から国会議員にヤジを飛ばしたのだ。これまでも物議を醸した首相のヤジや不規則発言だが、国会会議録を調べると出るわ出るわ、今年だけでその数、20回超……》(「やまぬ安倍首相のヤジ…

韓国国会議長の無礼三昧

《慰安婦問題をめぐり、今年2月に上皇さま(当時は天皇陛下)による謝罪を求めた韓国の文喜相(ムンヒサン)・国会議長(74)が、4日に東京である20カ国・地域(G20)国会議長会議を前に、朝日新聞のインタビューに応じた。自身の当時の発言につい…

オーストリア展覧会「JAPAN UNLIMITED」の認定取り消しについて

《ウィーンで開催中の展覧会について、在オーストリア日本大使館が友好150周年事業の認定を取り消した》(11月9日付朝日新聞社説) そもそもどうして大使館がお墨付きを与えたのかが分からない。 安倍晋三首相と思しき人物がインターナショナル・アセンブ…

中島岳志氏の保守論への疑問

朝日新聞のインタビューに応え、中島岳志氏は韓国への否定的言論の広がりの要因の1つを次のように述べる。 「韓国が経済成長で国力をつける一方、世界における日本の相対的地位が下がったこと。根底にはこうした変化があると思います。韓国の姿勢も『日本に…

英語民間試験導入延期について(5) ~入試を変えて英語教育を変えようとするのは横暴だ~

萩生田光一文部科学相は言う。 「子どもたちに英語4技能を身につけさせることは、これからのグローバル社会に必ず必要で、入試でどのように評価していくのか、できるだけ公平でアクセスしやすい仕組みはどのようなものなのか新しい学習指導要領で初めて実施…

英語民間試験導入延期について(4) ~スピーキングテストはやめるべし~

《準備してきた受験生や保護者、高校の教員らには、振り回されたことへの怒りや戸惑いがあるだろう。だが大きな欠陥を抱えたまま強行すれば、どれほどの混乱を招いたか計り知れない。見送りの結論は妥当だ》(11月2日付朝日新聞社説) 私はこの<妥当>とい…

英語民間試験導入延期について(3) ~英語4技能幻想~

《文部科学省は民間試験への理解を求めて、各地で説明会を開きましたが、教育現場からは試験を懸念する声が相次いでいました。 10月30日、岡山県で開かれた説明会には100人を超える高校教員が集まり、文部科学省の担当者が日本の高校生は英語を話す力や書く…

英語民間試験導入延期について(2) ~哲学なき変革は混乱を招くのみ~

《立憲民主党、国民民主党、共産党、社民党の野党4党などは経済状況や住んでいる地域にかかわらず、公平に受験できる環境を整えるためにはさらに検討が必要だとして、導入を延期する法案を衆議院に提出しました》(NHK NEWS WEB 2019年11月1日 14時44分) …

英語民間試験導入延期について(1) ~民間試験は不要~

《萩生田文部科学大臣は閣議のあとの記者会見で、大学入学共通テストに導入される英語の民間試験について、来年度からの実施を延期することを明らかにしたうえで、試験の仕組みを抜本的に見直し、5年後の令和6年度の実施に向けて、改めて検討する考えを示…

即位の礼について(5) ~過去を軽んずることは、自らを軽んずること~

《政教分離の原則は、宗教戦争に明け暮れた欧州の悲惨な歴史を踏まえ、政治権力と宗教の分離を求めるものだ。権威を帯びても権力を振るわず、宗教団体を持たれない天皇の祭祀、儀式に杓子(しゃくし)定規に当てはめては、天皇を戴(いただ)く憲法の精神に…

即位の礼について(4) ~憲法と皇室伝統は矛盾する~

《平成の御代(みよ)替わりをおおむね踏襲した今回の即位の礼に対して、一部から、現憲法に反するとの指摘が出ている。もっと素直にお祝いできないものか》(10月22日付産經新聞主張) 思わず心の声が出たのかもしれないが、皇室の伝統的儀式と現行憲法が矛…

即位の礼について(3) ~憲法と皇室の矛盾~

《天皇陛下が即位を内外に宣言される「即位礼正殿(せいでん)の儀」が、皇居・宮殿で行われた。一連の皇位継承の中心をなす伝統儀式が挙行されたことを心よりお祝いしたい》(10月23日付読売新聞社説) 陛下が即位を宣言されたことがお目出度いのであって、<…

即位の礼について(2) ~「憲法下の象徴像」って何なのだ?~

《政府は「前回検討済み」として、見直しを拒んだ。前回の式典のあり方に対し、大阪高裁から疑義が表明された経緯などには目を向けず、天皇の権威を高めるために明治になって作られた形式にこだわった。 平成流と呼ばれた上皇ご夫妻の活動を通じて、「国民に…