保守論客の独り言

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GSOMIAについて(4) ~「ほとんどこちらのパーフェクトゲームだった」?~

文在寅政権が、GSOMIA破棄という愚かな選択を寸前で取りやめたことは妥当である》(1123日付産經新聞主張)

 果たしてそうか。韓国が北朝鮮との統一を目指しているのであれば、GSOMIAを破棄するのが筋である。それを無理矢理日米側に繋ぎ止めることが<妥当>と言えるのだろうか。

北朝鮮は非核化に応じず、弾道ミサイルの発射を続けている。中国は傍若無人な海洋進出をやめていない。ロシアは極東で軍事活動を活発化させている。日米韓による実効的な安保協力と米韓同盟の立て直しが急務である》(同)

 親北朝鮮の韓国と日米韓で安保協力をとることがどこまで可能なのか。急激な変化を望まないという意味で取り敢えず日米韓の協力体制を維持するとしても、将来的には煮え切らぬ韓国は当てにせず日米で極東の全体主義に対峙する体制を構築することが必要となるに違いない。

《立て直しには文大統領自身が、自国や北東アジア地域の安全保障の確保よりも感情的な反日に走ってきたという誤った姿勢を深く反省し、日本や米国との真の協調路線に転じる必要がある》(同)

 韓国が反日となっているのは南北統一が念頭にあるからである。感情的な反日姿勢を反省せよということは南北統一を諦めろということと同じである。おそらくそれは無理な要求ではないか。

《「ほとんどこちらのパーフェクトゲームだった」

 韓国政府の突然の方針転換に日本政府高官はこう語った。日韓の軍事情報包括保護協定GSOMIA)の破棄通告を改めさせ、日米韓の安全保障協力が維持されるからだけではない。日本側の予想を超え、韓国が輸出管理の厳格化をめぐる世界貿易機関WTO)への提訴手続きまで見合わせたからだ》(産經ニュース11/22() 23:45配信)

 何がどう<パーフェクト>なのかさっぱり分からない。韓国は日本に謝罪したわけでもないし、反日姿勢を改めたわけでもない。ただ自分で言い出したGSOMIA破棄を破棄ではなくただ「停止」しただけである。

 日本にとってGSOMIAはどれほど必要なのか。勿論、日米韓の安保協力の象徴的意味合いは否定はしないが、GSOMIAを通じて北朝鮮側に日本の情報が筒抜けになるおそれもある。火器管制レーダー照射を謝罪してもいない。そのような状況の中でどうやって安保協力を実行足らしめると言うのであろうか。

《韓国青瓦台(大統領府)の金有根(キム・ユグン)国家安保室第1次長は22日午後、記者会見を開き、23日午前0時に失効期限を迎える日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)について、「いつでも協定の効力を終了させられるという前提の下、8月23日に行った終了通告の効力を停止する」と発表した》(1122日付朝鮮日報社説)

 いつでも効力を終了させられる協定って何だ。そんなもの協定でもなんでもない。【続】