保守論客の独り言

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米国のパリ協定離脱

《米政府が4日、地球温暖化対策の国際ルール・パリ協定から離脱すると国連に通告した。これから手続きに入り、1年後に協定から去ることになる》(116日付朝日新聞社説)

 このことをもって朝日社説子は、

《大国として無責任なふるまいといわざるをえない》(同)

と言う。温室効果ガスによる地球温暖化はまだ「仮説」に過ぎないのにである。

 「ヒートアイランド現象」による温暖化と温室効果ガスによる温暖化の区別がついていない段階で、二酸化炭素を減らすことでどれだけ温暖化を防ぐことが出来るのか甚(はなは)だ疑問であるのだけれども、日本のマスコミ連は「温室効果ガスによる地球温暖化仮説」を信じて疑わない。

「ほとんどの場合、人間たちは、自分が望んでいることを喜んで信じる」(カエサルガリア戦記』第3巻第18章)

 地球温暖化の影響とみられる異常気象はすでに多発している。

 中米バハマでは9月に、大型ハリケーン「ドリアン」の直撃を受け、秒速80メートルを超える強風で多くの家屋が破壊された。日本でも先月、台風19号が甲信越や関東、東北に甚大な被害をもたらした。

 気候変動に関する政府間パネルIPCC)の特別報告書は、地球の平均気温の上昇で台風はより強力になり、降雨量が増加すると指摘している》(117日付読売新聞社説)

 気温の上昇で台風が強力になるというのなら、1960年前後に日本に上陸した第二室戸台風伊勢湾台風の方が規模が大きかったのは何故か。おそらく観測記録の無い過去にも巨大台風が日本に上陸しているに違いない。

 自分が経験したことがないことに遭遇すると「異常」だと騒ぐが、地球の長い歴史に比せば、自分の経験などほんの一瞬に過ぎない。人類の誕生は400万年前。これを1年365日に換算すると12月31日の午前7時頃に過ぎない。

《この難局での米国の離脱通告を受けて菅義偉官房長官は「わが国はパリ協定を着実に実施していく」と述べ、小泉進次郎環境相は「米国が脱退したとしてもパリ協定はなくならない」と語った。

 その意気や良しである。だが、東京電力原発事故後、日本では火力発電への依存度が高まり、今のままでは世界に約束した「30年に26%削減」の自主目標の達成が危ぶまれる状況だ。

 米国はパリ協定を離脱してもシェールガスの利用拡大や原子力発電の堅持によって二酸化炭素の排出削減に向かうとみられているのと大きな違いだ。

 日本の原発の再稼働は9基にとどまる。政府は発電時に二酸化炭素を排出しない原発の再稼働や新増設の決断が必要である》(117日付産經新聞主張)

 原子力発電は二酸化炭素を放出しないから地球温暖化対策になるというのは本当なのか。原子力発電は大量の熱を放出する。そのこと自体が地球を温暖化させているのではないか。

 原子力技術との関連で原子力発電を述べるのならまだしも、地球温暖化対策として原子力発電を語るべきではない。