保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

教育

なぜ中学生は制服を着るのか

《福岡県の公立中1年のA君は「制服を着たくない」と悩み続けている》(西日本新聞 2020/5/30 11:00) という。 《A君は全員が同じ服を着用することで個性が軽視され、大人たちが納得する「中学生らしさ」が押しつけられているように感じるという》(同) …

学習遅れ「複数年で解消」について ~現場感覚を尊重すべきだ~

《新型コロナウイルスの影響による休校の長期化で学習の遅れが深刻になっていることを受け、萩生田光一文部科学相は15日の記者会見で、予定していた学習内容を年度内に終えられない場合、「特例的に最終学年以外は、複数年度の教育課程の編成を認める」と…

9月入学制移行は短絡的(2) ~春は物事を始めるのに最適の季節~

コロナ禍で少なくとも4月、5月の2か月分の授業の遅れが生じ、これをどのように処理するのかの名案が浮かばず、それどころか、5月末で学校が再開できるのかどうかの見通しもままならない状況であるとすれば、一層のこと「9月入学」にしてしまった方が、欧米な…

9月入学制移行は短絡的(1) ~「9月入学」に向け動き出した?~

またぞろ戦後日本人の「奴隷根性」が鎌首を擡(もた)げてきた。 《政府は30日、新型コロナウイルス感染拡大による休校長期化を受け、「9月入学」の実現に向け具体的な検討作業に入った。 来年秋からの制度化を想定。杉田和博官房副長官が関係府省の事務次官…

2021年度中学教科書検定を巡って(6) ~情報戦で負けている日本~

《歴史の近現代を中心に日本をことさら悪く描く自虐史観に基づく記述が相変わらずある。例えば「従軍慰安婦」という不適切な記述が検定をパスした。「戦時体制下の植民地・占領地」との見出しを掲げた本文の脚注には、「戦地に設けられた『慰安施設』には、…

2021年度中学教科書検定を巡って(5) ~教師の首を絞めるアクティブラーニング~

《経済協力開発機構による2018年勤務状況調査では、日本の中学教師のアクティブラーニングへの取り組みは加盟国の平均より遅れていた。 学校ごと、教師ごとの差を広げないためには、研修などを一層充実させる必要がある。また、教師が忙しすぎて新たな指…

2021年度中学教科書検定を巡って(4) ~龍馬のいない歴史~

《近年の英語の大学入試改革をめぐる論議では、専門家から「話せるようになるためにも文法の土台が大切」との指摘が相次いだ。一方に偏らない教え方の工夫が求められる。 「技術・家庭」の技術分野も変容が著しい。全教科の中で最もページ数が増えたが、それ…

2021年度中学教科書検定を巡って(3) ~<アクティブ・ラーニング>が邪魔~

《深い学びをめざす方向性に異論はない。ただ、子どもにじっくり考えさせるには、一つひとつのテーマに相応の時間をかけなくてはならない。授業の枠内でこなし切れるか、消化不良を起こさないか、心配になる》(3月27日付朝日新聞社説) はっきり言って、学…

2021年度中学教科書検定を巡って(2) ~金持ち優遇の教育改革~

《新指導要領は、全教科で「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング=AL)の実現を目標に掲げている。知識や技能を身につけるだけではなく、自ら問いを立て、対話しながら学ぶ過程を重視している。今回、検定を受けたすべての教科書がこの方…

2021年度中学教科書検定を巡って(1) ~妄想に駆られた検定~

《文部科学省は、2021年度から中学校で使われる教科書の検定結果を公表した。 「主体的・対話的で深い学び」を掲げる新学習指導要領の全面実施で、教科書は大きく変わった。 公民では、社会保障の授業の最初に中学3年までの医療費や教育費を調べ、課題…

休校継続と学ぶ権利(2) ~混乱する教育現場~

《この先、休校がさらに長引いたとき、何より心配なのは学びへの影響だ。誰もが思い浮かべるのは、動画やデジタル教材を使った自宅学習の導入だろう。家庭の経済状態などによる格差を広げかねない面もあって注意が必要だが、急場をしのぐには有効な手立てと…

休校継続と学ぶ権利(1) ~「学ぶ義務」が必要~

《憲法が定める「教育を受ける権利」が、新型コロナウイルスによって脅かされている》(4月3日付朝日新聞社説) さすが憲法大好きの朝日新聞である。冗談(joke)で言っているのか本気で言っているのか分からないが、新型コロナウイルスによって<基本的人権…

「他人が握ったおにぎり」を食べられない問題について(3) ~お袋のおにぎりは旨かった~

《そもそも高校の行事において、食中毒や集団感染を予防する手立てを考えておくということは、管理者の責任だろう》(河合塾:横浜市立大学(前期)小論文総括) 最近の学校は衛生面での意識は高く、農家の方がおにぎりを出してくれることは想定外のことだっ…

「他人が握ったおにぎり」を食べられない問題について(2) ~問題とどう向き合うかが問題だ~

《私が本問に接しまず気付いたことは、医師という職業に従事した場合、将来遭遇するであろう3つの事項が、課題文の中にさりげなく盛り込まれているということである。それは、 (1)少数者の人権尊重・擁護に対する考え方、 (2)高齢者に対する意識の度合い、 (…

「他人が握ったおにぎり」を食べられない問題について(1) ~他所の家の料理を食べる経験がない~

昨年、横浜市立大学医学部医学科の入試に次のような小論文の問題が出された。 【問題】あなたは高校の教師である。ある日、授業の一環として稲刈りの体験作業があり、僻地の農家に田植えの体験授業に生徒を連れて出かけた。稲刈りの体験作業の後、農家のおば…

「宿題」のない中学校について(4) ~進歩的退歩~

工藤: 日本の子どもたちは「先生、僕、明日から勉強するよ」と言って塾へ行くわけです。これが笑い話ってわかりますか? 大橋未歩: 先生に向かって「塾へ行く」と言うのですものね。 工藤: 学校で勉強しているのに、それと同じことを塾へ行ってやるのかと…

「宿題」のない中学校について(3) ~フィンランド教育への幻想~

工藤: まったく宿題を出されない場合、子どもたちがどのような行動パターンを取るかというと、自分に必要だと思うから勉強しますよね。それも、自分のやりたいことをやります。学校の勉強をやりたいと思うのか、絵の勉強をしたいと思うのか、好きな科学の本…

「宿題」のない中学校について(2) ~宿題がなければ勉強しないのが現実~

Excellence is an art won by training and habituation: we do not act rightly because we have virtue or excellence, but we rather have these because we have acted rightly; “these virtues are formed in man by his doing the actions”; we are wh…

「宿題」のない中学校について(1) ~「宿題が何の役にも立たない」?~

《2014年から千代田区麹町中学校の校長を務める工藤勇一氏。宿題、定期テスト、固定担任制の廃止など、異例の改革を次々と行う手腕には多くのメディアが注目し、麴町中学には文部科学省など全国の教育関係者が視察に訪れる。その大胆な改革の根底にある子育…

「具体」という言葉遣いについて

学校の会議で「具体の~」という言葉遣いをしばしば耳にする。私には非常に違和感がある表現なのであるが、話し言葉の揺らぎなのかと思っていたら、先日書き言葉でも次のようなものが目に留まった。 《多くの人は、生活の中で法律の条文に触れることは稀でし…

新共通テストを巡る不祥事について ~問題作成者が対策本を書く反倫理~

《新年度から始まる大学入学共通テストで、国語の問題作成に携わる複数の委員が民間出版社から対策問題集を出版していた。 同じ人間が試験問題も対策本も、では試験の公正さを疑われるのは当然だ》(2月23日付北海道新聞社説) 当該委員も大学入試センターも…

外国籍の子供の「学ぶ権利」について(5) ~日本語が不自由な外国籍の子供を指導する困難~

《近年とくに増加している外国人は、ブラジル、フィリピンなど、南米や東南アジアから日本へ働きに来る人たちである(いわゆる「ニュー・カマー」)。こうした「ニュー・カマー」の増加は、日本が「経済大国」といわれるまでに経済発展を遂げた結果である。 …

外国籍の子供の「学ぶ権利」について(1) ~どうして日本国憲法よりも「子どもの権利条約」が優先されるのか?~

《外国籍の子どもには就学義務はないが、国籍を問わず、全ての児童に教育を受ける権利がある。日本も批准した「子どもの権利条約」に明示されている》(2月12日付西日本新聞社説) 子どもの権利条約第28条1項には次のようにある。 締約国は、教育についての…

どうしてセンター試験をやめるのか?(2) ~理の無い変革~

《大学入試センター試験が31年の歴史に幕を下ろした。高校や大学から「改良を重ね、思考力を問う良問が増えた」と、一定の評価を受けた試験だった。 思考力のさらなる重視をかかげて「共通テスト」に切り替わるが、英語民間試験と記述式問題の導入をめぐる…

どうしてセンター試験をやめるのか?(1) ~文科省は「教育破壊省」~

《大学入試センター試験は今回が最後となり、共通一次試験の後継として1990年から続いた30年の歴史に幕を下ろした。来年度の受験生からは「大学入学共通テスト」を受けることになる。 なぜ、センター試験では駄目なのか。変更に至った明確な根拠は、今も国民…

PISA:読解力低下について(5) ~早期英語教育より国語教育を優先すべし~

《よく引用されるものに2つの調査があります。 ひとつは「小学校英語推進派」であるJASTEC(日本児童英語教育学会)のプロジェクトチームが行なった調査です。 これは小学校で英語を学んだ中・高校生と、そうでない中・高生、849人を対象に英語技能の熟達度…

PISA:読解力低下について(4) ~文科省よ、大人しくしていてくれ~

《文部科学省は今後、小中高校の国語の授業などで、文章の論理展開を重視した指導を充実させる方針だという。論理的思考力の涵養(かんよう)に加え、文学に親しむ時間もしっかりと確保して、他者への共感性や想像力を培いたい》(12月4日読売新聞社説) など…

PISA:読解力低下について(3) ~批判的読解が必要だ~

《日本はかねて、「自分の考えを他人に伝わるように根拠を示して説明する」のが苦手といわれてきた。今回もそれは克服できていない。文科省によると、誤答の一つのパターンとして、問題文中の一節を写すだけで、自分の言葉で解答していない答案が見受けられ…

PISA:読解力低下について(2) ~国語を蔑ろにした結果~

《PISAは日本の教育政策に大きな影響を与えてきた。03年調査でも読解力や数学の順位が大幅に低下し「ゆとり教育」が原因と指摘された。それを機に、全国学力テストが始まり、学習指導要領が改定されて授業時間が増えた。 その後、順位はいったん回復したが…

PISA:読解力低下について(1) ~国語を冷遇したつけ~

《経済協力開発機構(OECD)は3日、世界79カ国・地域の15歳約60万人の生徒を対象に2018年に行った学習到達度調査(PISA)の結果を公表した。日本は「読解力」が15位となり、前回15年調査の8位から後退した。「数学的応用力」は6位(前回5位)、「科学的応用…