保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

マスコミ

自民党総裁選:読売社説(2) ~公正さを欠く社説~

《河野氏は将来、太陽光発電などの再生可能エネルギーで日本の全電力を賄うことは「絵空事ではない」と主張した。原子力発電所については、耐用年数となったものは廃炉とし、「いずれゼロになる」との考えを示している。 しかし、再生エネは天候などに発電量…

自民党総裁選:読売社説(1) ~批判するのが偉いのか~

《安倍前内閣の経済政策「アベノミクス」のどこを引き継ぎ、どこを変えるかが争点の一つだ》(9月22日付読売新聞社説) 気になるのは、社説子自体が「アベノミクス」をどのように評価しているのかが見えないことである。「アベノミクス」は看板としては「…

自民党総裁選:「『負の遺産』にけじめを」という朝日社説(2) ~真相究明よりも政権批判~

《公文書の改ざんという前代未聞の不祥事であるにもかかわらず、真相解明が不十分で、政治家は誰も責任をとらなかった森友問題への対応は試金石といえる》(9月18日付朝日新聞社説) おそらく「安倍晋三前首相が指示して公文書を書き換えさせた」という話…

自民党総裁選:「『負の遺産』にけじめを」という朝日社説(1) ~横柄な朝日~

《直面する諸課題への処方箋(しょほうせん)を競うのはもちろんだが、9年近く続いた安倍・菅政権の功罪を総括し、「負の遺産」にけじめをつけることが、国民の信頼回復には欠かせない》(9月18日付朝日新聞社説) 政治とは<処方箋を競う>ようなもので…

自民党総裁選:産經主張を批判的に読む(3) ~今ある憲法改正論は戦後レジームの維持修復~

《自民が国民政党を自任するなら、そのリーダーは安定した国家観を持つことが求められる。 皇位継承は国の基本に関わる…126代にわたって、一度の例外もなく男系(父系)継承を貫いてきた日本の皇統の大切さを語り、守る立場を明らかにしなければならない…

自民党総裁選:産經主張を批判的に読む(2) ~網羅的的外れ~

《日本は、同盟国の米国や友好国と連携して中国や北朝鮮を抑止していく必要がある。経済関係は密接だが、中国が安全保障上の脅威であることは間違いない。その問題意識に欠ける政治家は首相にふさわしくない。外交努力に加え、防衛力充実や経済安全保障の強…

自民党総裁選:産經主張を批判的に読む(1) ~玩具箱を引っ繰り返した様~

自民党総裁選について書く各紙社説を読んで、改めてその中身の薄さに唖然とせざるを得なかった。表層的な事ばかりを追い掛け続けてきたために、政治の本質について語る力が退化してしまったのではないかと心配される。 産經新聞だけは他紙社説と異なり色々書…

自民党総裁選を巡って(3) ~政治指導者に必要なのは「大局観」~

《コロナ下で露呈したのは、世論からかけ離れた政権の認識だ。 記者会見で首相は、コロナ対策について「明かりは、はっきりと見え始めている」と語った。多くの人の実感とはほど遠い》(8月27日付毎日新聞社説) 成程、菅義偉首相の発言には疑問もあろう…

自民党総裁選を巡って(2) ~マスコミの古臭い政治観~

《政策を決める首相の資質や政治手法自体に疑問符がつけられている。根拠なき楽観、異論に耳を貸さない独善的態度、専門知の軽視、国民の心に届く言葉の欠如……》(8月27日付朝日新聞社説) 自分のことを棚に上げて、菅義偉首相を<独善的態度>などとよく…

自民党総裁選を巡って(1) ~マスコミの白痴化~

各紙社説が「自民党総裁選」について意見を述べている。が、中身のないことと言えばこの上ない。 「ロックダウン」を求める声が上がる中で憲法に「緊急事態条項」がないことの不備を指摘する社説もなければ、アフガニスタンの在留邦人を救出出来ないことが平…

首相候補が見当たらない悲劇(2) ~中選挙区制に戻すべきだ~

一番の問題は「小選挙区制」である。小選挙区制は当選者が1人なので必然、政党を選ぶ選挙となる。逆に言えば、人を選ぶ選挙とならない。そのため選挙を通じて人は育たない。 選挙を通じて人を育てるためには、かつてのような「中選挙区制」に戻すことが望ま…

敗戦記念日社説:孤軍奮闘する朝日新聞(4) ~「平和なくして平等はなく、平等なくして平和はない」?~

《平和なくして平等はなく、平等なくして平和はない――。市川(房枝)は晩年、そう強調した。 違いを認め合い、対等な立場で個人の尊厳が守られている国の間で戦争は起きないし、逆に戦争が起きれば平等も尊厳も、そして生存自体も脅かされる》(8月15日付…

敗戦記念日社説:孤軍奮闘する朝日新聞(3) ~全体主義者の科白~

《「男女に等しく政治的な権利を」という今では当たり前の主張は、男尊女卑の家父長的家族制に基礎をおく戦前の体制と真っ向から対立するものだった。このため当時の運動は、男女平等の本質を説くより、「台所と政治をつなぐ」ことの利点を訴えるという、妥…

敗戦記念日社説:孤軍奮闘する朝日新聞(2) ~平等はシジフォスの岩~

《ポップスからルソーに至る、さらにはロールズにまで達する「自然状態」という虚構のなかで、能力差のない人間の集まりというものを空想し、そこで「人は生まれながらにして平等である」というふうに自然権を謳(うた)うのはもう止めようではないか。人間…

敗戦記念日社説:孤軍奮闘する朝日新聞(1) ~戦後思潮の過ち~

今年の「敗戦記念日」の各紙社説はいよいよネタが尽きた感が強い。読むに値する情報がない。 そんな中、朝日新聞だけは、褒めるのも変な話ではあるが、しっかり独自路線を貫いている。 《戦後の日本が憲法を手にめざしたのは、国民が主権を行使し、個人が等…

ナショナル・ルサンチマンが生んだ核廃絶の責務意識(3) ~全国紙総崩れ~

《広島はきょう、長崎は9日に「原爆の日」を迎える。 1945年夏、2度にわたる米軍の原子爆弾投下により、20万人を超える市民が犠牲になった。放射線を浴びた多くの人が今なお健康被害に苦しむ。 惨禍の記憶を次世代に伝え、二度と核兵器が使われない…

東京五輪を批判し広告が入らぬ大手紙の自業自得について

《コロナ禍で開幕した東京オリンピック…日本人アスリートの金メダルラッシュがテレビを賑わせている。一方、創業以来最大の赤字を出した朝日新聞をはじめ厳しい経営が続く新聞業界は、期待したスポンサー企業の広告が入らず困惑している》(日刊ゲンダイ2021…

政治指導者不在のコロナ禍の悲劇(2) ~印象操作~

NHKのWEB記事は次のようなグラフを掲げ、40~50代の重症患者数増加に警鐘を鳴らす。 《特に増えているのが40代から50代の重症患者で、先月18日には4人でしたが、徐々に増え、先月27日には11人、そして今月6日には26人と感染拡大の第…

旭川医大における北海道新聞記者の違法取材について(4) ~実名報道~

2011年まで25年間、北海道新聞社に記者として勤務し、報道本部(現・報道センター)次長として、全社の警察・司法取材を見渡すポジションにいたこともある高田昌幸・東京都市大学メディア情報学部教授は、大学を卒業して3カ月ほどしか経っていない試…

旭川医大における北海道新聞記者の違法取材について(3) ~幼稚な出鱈目報告~

《この日の会議に先立ち、18日に行われた学長選考会議の際、報道各社が旭医大の取材対応に不信感を抱き、会場の4階に行って事務局とトラブルになり、旭医大が許可なく校舎内に立ち入らないよう報道陣に強く抗議していました。北海道新聞も22日とは別の…

旭川医大における北海道新聞記者の違法取材について(2) ~社内調査報告~

俺様至上主義者は朝日新聞だけに留まらない。 これ位の違法取材は何度もやってきたけど一回も捕まっていないから問題はないと言いたいのだろうか。捕まらなければ法を犯しても構わないという考え方は、かつては「お天道様が見てる」と言った日本的倫理観の欠…

旭川医大における北海道新聞記者の違法取材について(1) ~自由と権利の保持には不断の努力が必要~

《旭川医科大学(北海道旭川市)の校舎内に許可なく入ったとして、北海道新聞社の記者(22)が建造物侵入容疑で大学関係者に現行犯逮捕された事件で、旭川医大は24日、記者が会議内容を無断で録音していたとして、同社に抗議文を送ったことを明らかにし…

「赤木ファイル」開示について(3) ~改竄は佐川氏の自己保身~

《佐川氏が近畿財務局の決裁文書を十分に勉強せずに国会答弁を行い、その結果、自分の答弁に合わせるように改竄指示を行ったのではないかと筆者は当時から主張していたが、18年の財務省報告書でもそれが裏付けられている。 国会審議前に出ている報道への対…

「赤木ファイル」開示について(2) ~彼方を立てれば此方が立たず~

《なぜ改ざんは行われたのか。当時の安倍晋三首相や妻昭恵氏の影響はなかったのか。国側は再調査し真相を明らかにすべきである。 国有地が8億円余り値引きされ、森友学園に売却されたことが2017年2月、発覚した。開校予定の小学校名誉校長に昭恵氏が一…

「赤木ファイル」開示について(1) ~待ち望んだ開示だが…~

《遺族の求めから1年、財務省がようやく「赤木ファイル」の開示に応じた。改ざんに加担させられたことを苦に自死した元近畿財務局職員、赤木俊夫さんが経緯を記録した文書である》(6月24日付朝日新聞社説) が、<改ざんに加担させられたことを苦に自死…

立憲・泉政調会長の失言とその不誠実な対応について

《25日から始まった東京都議選の選挙戦で、応援演説に駆けつけた立憲民主党の泉健太政調会長が「障害者軽視」とも取れる問題発言をしていたことがAERA dot.の取材でわかった。 問題の発言があったのは、27日の午前。大田区選挙区から立候補する立憲民主…

最高裁大法廷が再び夫婦別姓を認めなかったことについて(2) ~世論調査と情報操作~

平成29年12月調査の内閣府の「家族の法制に関する世論調査」において、「2.選択的夫婦別氏制度の導入に対する考え方」は次のような結果だった。 先ずどうしてこのような複雑な文の選択肢を立てなければならないのか疑問である。さらに、「選択的夫婦別姓」…

最高裁大法廷が再び夫婦別姓を認めなかったことについて(1) ~主観に囚われた社説~

《夫婦別姓を認めない民法と戸籍法の規定が憲法に反するかどうかが争われた家事審判の決定で、最高裁大法廷は、「合憲」との判断を改めて示した。 明治期から夫婦に同姓を義務付けた規定は「社会に定着しており、合理的」とした2015年12月の大法廷判決…

新型コロナと憲法(2)  ~対米従属での改憲は危険~

《憲法学が専門の棟居快行(むねすえとしゆき)・専修大学教授は「自由と安全を両立させる必要がある。安全を口実に国家が個人に介入し、内閣の勝手にさせないよう、国会が縛っていくことが大事だ」と指摘する》(5月3日付毎日新聞社説) これはその通りなの…

新型コロナと憲法(1)  ~日本国憲法は改正でなく廃棄すべし~

毎日社説は、 《コロナ対策を突き詰めれば、憲法問題に行き当たる》(5月3日付毎日新聞社説) と言う。そして 《憲法は、国民の「生命、自由及び幸福追求」の権利について「最大の尊重」を国に求めている。だが、過去1年間、憲法が保障する権利という視点…