保守論客の独り言

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旭川医大における北海道新聞記者の違法取材について(3) ~幼稚な出鱈目報告~

《この日の会議に先立ち、18日に行われた学長選考会議の際、報道各社が旭医大の取材対応に不信感を抱き、会場の4階に行って事務局とトラブルになり、旭医大が許可なく校舎内に立ち入らないよう報道陣に強く抗議していました。北海道新聞も22日とは別の記者が4階の現場にいましたが、18日のトラブルの情報は北海道新聞の記者の間で十分に共有されず、逮捕された記者も知りませんでした》(「社内調査報告」:北海道新聞 07/07 07:00)

 事情を知らなかったなどという言い訳が通用すると思っているところが不思議である。このような単純なことが周知徹底できないような駄目集団なら、北海道新聞には報道機関を名乗る資格はないだろう。

北海道新聞は取材のルールを記した「記者の指針」で、記者の倫理上、無断録音は原則しないと定めていますが、指導が徹底されていませんでした。

 職員に見つかった際も、すぐに北海道新聞記者と名乗り、取材目的であると告げるべきでしたが、動揺していたこともあって、できませんでした。キャップや別の記者から、校舎内で身分を聞かれても、はぐらかすように言われていたことも影響しました》(同)

 こんな幼稚な報告で幕引きを図ろうとするとは読者もまったく無礼(なめ)られたものだ。

《逮捕された記者は今年4月に入社したばかりである。20日間の研修を終え、赴任先の旭川に向かったのは4月20日すぎ。道外出身だから土地勘もないだろう。街のどこに何があるかを覚え、身の回りの生活を整えることで精一杯だったと思われる。記者としての仕事もスタートしたばかり。ようやくメモのとり方を覚え、短い原稿に慣れてきた頃だ。

(中略)

 そんな経験しか持たない会社員記者が誰の指示も受けず、単独で入構禁止の大学内に入り、扉の隙間から会議の様子を録音するとは思えない。実際、筆者が複数の関係者から得た情報によると、学長選考会の取材チームに組み入れられたこの記者は学内に入って会議の様子を探るように言われ、看護学科棟に向かったという。

 4月入社の社員にとっては、6月と言えば、まだ試用期間中である。指示にものを言える状況ではないだろう。行けと言われた本人は、行きたくないと言っていたとの話もある》(高田昌幸北海道新聞が速やかに果たすべき説明責任とは――「記者逮捕」を考える〈上〉」:論座20210629日)

 大事な取材なのであれば、新米記者に行かせたりはしないだろう。情報が取れれば儲けもの程度の意識で新米記者を突撃させたというのが本当のところなのではないか。【続】