保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

進まぬ英国のEU離脱交渉について

《兵は拙速を聞くも、未だ巧久を睹(み)ざるなり》(孫子) 「戦争には、多少まずい点があっても迅速に切り上げるという事例はあっても、完璧を期したので長びいてしまったという事例は存在しない」(浅野裕一『孫子』(講談社学術文庫)、p.31) 英国のE…

所信表明演説を巡る政治の貧困(3)~「移民」政策は欧米の後追い愚策~

《この春、高校、大学を卒業した若者たちの就職率は過去最高水準となりました。有効求人倍率は、2年近くにわたり、全国47全ての都道府県で1倍を超えています。こうした中で、全国の中小・小規模事業者の皆さんが、深刻な人手不足に直面しています。 この…

所信表明演説を巡る政治の貧困(2)~安倍首相は社会主義、共産主義者なのか~

《国の理想を語るものは憲法です。憲法審査会において、政党が具体的な改正案を示すことで、国民の皆様の理解を深める努力を重ねていく。そうした中から、与党、野党といった政治的立場を超え、できるだけ幅広い合意が得られると確信しています。 そのあるべ…

所信表明演説を巡る政治の貧困(1)~伝統断絶を訴える安倍首相~

24日、臨時国会が召集され、安倍晋三首相が所信表明演説を行った。 「次の5年、いや3年もあれば、世界は、私たちが今想像もできない進化を遂げるに違いない。そうした時代にあって、私たちもまた、これまでの「常識」を打ち破らなければなりません。私た…

フリージャーナリスト安田純平氏解放について

《内戦下のシリアで武装勢力に拘束されていたとされるフリージャーナリスト、安田純平さんが解放された。 行方不明から、約3年4カ月を経ての消息である》(10月25日付産經新聞主張) 普通であれば「よかった」ということになるのであろうが、今回の件…

大学入試英語改革は教育破壊だ!(3)~無責任な政治は国を腐らせる~

経済活動が国境を越え地球規模に拡大した「グローバリズム」も行き過ぎが露呈し、「保護主義」へと揺り戻しが始まっている。そんな時、滑稽にも、「グローバリズム」に対応すべく英語教育改革が叫ばれている。「バスに乗り遅れるな」という肝心の「バス」の…

大学入試英語改革は教育破壊だ!(2)~英語が話せることを目標とする単純思考~

《グローバル社会では話す力がますます求められるだろうという、改革の背景は理解できる》(9月28日付東京新聞社説) 非英語圏の日本において、果たして一般の日本人が今後どれほど<グローバル社会>に対応しなければならないというのであろうか。確かに…

大学入試英語改革は教育破壊だ!(1)~文科省は解体すべし~

《2020年度に始まる大学入学共通テストで導入される英語民間試験について、東京大は受験生に成績提出を義務付けないことを決めた。 全受験生に民間試験を受けることを義務付けた国立大学協会の指針とは異なる判断だ》(10月2日付毎日新聞社説) 混乱…

IPCC地球温暖化報告書を無批判に報告するマスコミ(2)~地球温暖化「狂騒曲」~

《命にかかわるこの夏の猛暑、近海で発達しながら次々に列島を駆け抜ける強い台風…。日本こそ、温暖化の影響に対して「脆弱」な国なのだ。 気象庁の検討会も、この夏の記録的な豪雨と猛暑の背景に「地球温暖化に伴う気温上昇と水蒸気量の増加があった」と断…

IPCC地球温暖化報告書を無批判に報告するマスコミ(1)~地球温暖化説は「科学」ではなく「カルト」~

《地球の気温は上昇するばかりで、このままでは異常気象や自然災害で世界が危険にさらされる。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、そんな特別報告書をまとめた》(10月11日付朝日新聞社説) <地球の気温は上昇するばかり>というのは「…

プラスチックゴミ削減について

《2030年までにペットボトルやレジ袋、食品容器など使い捨てプラスチックの排出量を25%削減する。環境省が策定中のプラスチックごみ削減戦略の素案に、そんな数値目標が盛り込まれることが分かった》(10月15日付京都新聞社説) プラスチックの不…

消費税率10%への引き上げについて(3)~軽減税率は将来の消費増税への布石~

《日銀の試算では、消費増税に伴う家計の負担増は、5%から8%になった際は8兆円だったが、今回は約2兆円にとどまる。引き上げ幅が小さい上に、食品と定期購読されている新聞に、8%の軽減税率が適用されるためである》(10月13日付読売新聞社説) …

消費税率10%への引き上げについて(2)~「朝三暮四」~

今回の増税で最大の問題は軽減税率を導入しようとすることである。 Simple is best なる真理は税制にも適用されるべきものであって、制度が複雑になればなるほど、一般庶民には理解出来ない、一部専門家の恣(ほしいまま)の制度になってしまうだろう。ただ…

消費税率10%への引き上げについて(1)~「ハーメルンの笛吹き」に導かれて落ち込む日本経済~

《安倍首相が15日の臨時閣議で、消費税率を来年10月1日に8%から10%へ引き上げる考えを正式に表明した。 (中略)首相が予定通り消費税10%を実施する方針を示したことは評価できる。 高齢化で増大する社会保障費を支えるには、景気に左右されに…

『新潮45』問題から「保守」を考える(3)~「暗黙の圧力」を掛けるべきではない~

《その(=保守思想の)根底には人間の弱さに対する温かいまなざしがあるはずなのです。まなざしは自身にも向けられる。自分も間違えるし、絶対的な正解も絶対的に正しい世界観もない、と。 すると何が起きるか。他者と議論が始まります。自分は間違っている…

『新潮45』問題から「保守」を考える(2)~「保守」と「右派」の混同~

《安倍さんや周辺の杉田さんら自民党議員は「保守」を自認しています。10月号特集の筆者たちも「右派論客」と言われます。しかし、本来の保守の思想はそのようものではありません》(中島岳志<「新潮45」問題を考える>:毎日新聞 10/9(火) 16:47配信)…

『新潮45』問題から「保守」を考える(1)~「リベラル保守」中島岳志教授の批判~

『東京工業大学の中島岳志教授は『新潮45』問題について次のように言う。 《安倍さんも杉田さんも、自分の弱みや痛みを押し隠し、強い何かにすがろうとして「右派」という鎧(よろい)を身につけているように見えます。その先には、多様な価値を認めない独…

朝鮮学校高校無償化判決について

《朝鮮学校を高校授業料無償化の適用対象外とした国の措置について大阪高裁は適法と認め、学校側の訴えを退けた。 北朝鮮の独裁者を礼賛する教科書を使うなど、教育内容や学校運営にわたって朝鮮総連から「不当な支配」を受けていると判示した。朝鮮学校の実…

結党から1年が経った立憲民主党について ~「草の根からの民主主義」などという看板は下ろすべきだ~

10月3日で結党1年を迎えた立憲民主党。が、当初の勢いには陰りが見られる。 《本紙の直近の世論調査では、ピーク時に17%あった立憲の支持率は5%にまで落ち込んだ。地方の組織づくりも33都道府県にとどまっている》(10月2日付朝日新聞社説) …

柴山新文科相の教育勅語発言について(4)~70年前の議論は面白かった~

1948(昭和23)年5月27日に開かれた参議院第002回国会文教委員会での教育勅語に関する議論を見てみよう。 羽仁五郎 教育勅語が如何に間違つて有害であつたかということは、道徳の問題を君主が命令したということにあるわけであります。これは極…

柴山新文科相の教育勅語発言について(3)~開闢(かいびゃく)以来の日本を大らかに肯定するか否か~

《正文の冒頭からお読みになればおわかりの如く、この勅語は発布の時に至るまでの国民の歴史を、道徳の側面から見て大らかに肯定してをります。そしてその肯定された諸要素の精髄と目すべきものを(国体ノ精華)と呼び、それこそがまさに(教育ノ淵源)であ…

柴山新文科相の教育勅語発言について(2)~教育勅語を否定する論理~

《根幹が国民主権と人権尊重に反するものを、どのようにアレンジしても、学校で使えるわけがない》(10月5日付朝日新聞社説) 例えば、<父母に孝行をつくし、兄弟姉妹仲よくし、夫婦互に睦び合い、朋友互に信義を以て交り、へりくだつて気随気儘の振舞を…

柴山新文科相の教育勅語発言について(1)~法律でない「教育勅語」は無効に出来ない~

《教育勅語には、現代風にアレンジすれば道徳の授業などに使える分野が十分にある。普遍性をもつ部分が見て取れる――。 柴山昌彦・新文部科学相が就任会見でそんな見解を披露した。教育行政をつかさどる閣僚の見識を疑う》(10月5日付朝日新聞社説) とい…

沖縄県知事選結果について(3)~米国の意向は日本の民主主義とは無関係である~

《知事選の結果を受け、安倍首相は「選挙結果を真摯に受け止める」と述べた。そうであるなら、これまでの強硬な姿勢をまずは改める必要がある。今月4日に知事に就任する玉城氏は「はなから対立や分断の立場を取るつもりはない」とし、国と協議したいとの意…

沖縄県知事選結果について(2)~辺野古移設の賛否を明らかにしない佐喜真氏の卑怯~

《宜野湾市の市街地に囲まれた普天間の危険性を取り除く上で移設は待ったなしの課題である。同時に在沖縄の米海兵隊は、北朝鮮や中国などを見据えた日米同盟の抑止力の要である。 抑止力の維持と基地の安全性の確保を両立させるには、辺野古移設が唯一現実的…

沖縄県知事選結果について(1)~必要なのは基地撤廃の青写真だ~

10月1日付各紙社説は、沖縄県知事選を取り上げた。 《沖縄県知事選は共産、社民両党や労組などでつくる「オール沖縄」が推し、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する玉城(たまき)デニー前衆院議員が、自民、公明両党などが推した佐喜真淳(さきま・あ…

稲田元防衛相は保守ではなくリベラルである(2)

《保守とは本来、多様性を認めるものです…自分がすべて正しいとは思わず、色々な考えを聞いて賛同すれば考えを変える。それこそが、保守の姿だと思います》(朝日新聞DIGITAL 10/02 07:13) と稲田朋美女史は言う。 が、<多様性を認める>こと、それはすな…

稲田元防衛相は保守ではなくリベラルである(1)

以前なら「右」「左」と呼ばれていたものを最近は「保守」「リベラル」という言葉に置き換えて、つまり、「正体」を隠して語ろうとするのが流行りである。そのこともあって何をもって「保守」「リベラル」というのかが混乱してしまっている。 日本の場合、敗…

「新潮45」休刊について(4)~「言論の自由」の重要性~

《自民党は杉田氏に注意するよう指導したものの、謝罪や撤回を求めず、処分もしなかった。形だけ取り繕うような鈍い人権感覚が、差別を助長する言動を許したと言えないか。 子どもを持つかどうかで人の価値を計り、選別するような考え方は容認できない。新潮…

「新潮45」休刊について(3)~「言論の自由」には「議論の場」が必要だ~

《雑誌ジャーナリズムは、タブーに切り込む力や、発想の柔軟性、多様な企画力などで、大きな足跡を残してきた。しかしそれが、少数者や弱者へのバッシングに向かい、人権を傷つける道具になってしまったら、人々の信頼を失い、表現・言論の自由の危機を招く…