保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

政治

「個人」とは何か(2) ~明治期の翻訳語~

《「3助」について、首相の説明に見当たらないのはそのバランスです。共助には地域のつながりやNPO活動などに加え、保険料を出し合って生活を守る年金、医療、介護、失業給付などの社会保障制度も含まれます。そこから漏れる人を税で支える生活保護や各…

「個人」とは何か(1) ~もやもやする東京社説~

《「私が目指す社会像は、『自助・共助・公助』そして『絆』です。自分でできることは、まず、自分でやってみる。そして、家族、地域で助け合う。その上で、政府がセーフティーネットでお守りする」 菅義偉首相が国会での所信表明演説の中でこう述べました。…

UN創設75年について(4) ~UNの成果って何?~

《75年の歴史の中でも重要な成果の1つが、1960年に総会で採択された植民地独立付与宣言であろう。「あらゆる形の植民地主義をすみやかに、かつ、無条件に終止させる」と明言した。このため60年代にアジア・アフリカの植民地が次々と独立し国連に加…

UN創設75年について(1) ~「国連」は明らかな誤訳~

《国際連合が発足して24日で75年を迎えた》(10月24日付琉球新報社説) 日本で「国際連合」と呼ばれている組織は英語ではUnited Nations(UN)であり、第2次世界大戦における「連合国」がその母体である。どうして日本でいかにも中立的な組織であ…

RCEP署名は軽率だ

《日中韓など15カ国が、東アジアの地域的な包括的経済連携(RCEP)協定に署名した。成長著しいアジア地域に巨大な自由貿易圏を築く意義は大きい》(11月15日付日本経済新聞社説) この能天気さは何なのか。米国とシナの新冷戦が勃発している中で、…

福島第1原発処理水放出について(2) ~処理水を放出して原発事故処理を先に進めるべきだ~

《原子炉から出る汚染水は専用の装置で浄化するが、放射性物質のトリチウムだけは除去できず残留したままだ。科学的には安全だと言われても、風評被害が広がる懸念は拭えまい。漁業者ら地元住民から反対の声が上がるのも無理はない。 これ以上、地域にさらな…

福島第1原発処理水放出について(1) ~「ゼロリスク」では何も出来ない~

《東京電力福島第1原子力発電所のタンク群にたまり続けているトリチウムを含む処理水について政府が海洋放出の方針を固めた。 早ければ今月末の関係閣僚会議で正式決定の見通しだ。事故後10年が近づく中で、ようやく見えてきた「処理水メタボ」解決への前…

皇室問題について(3) ~日本国憲法に埋め込まれた「時限爆弾」~

《憲法の規定では、天皇の地位は国民の総意に基づく。専門家ばかりでなく、世論にも耳を澄ませ、開かれた議論をすべきである》(11月6日付東京新聞社説) これは、GHQに潜り込んだソ連のスパイであるトーマス・ビッソンが日本国憲法に埋め込んだ「時限…

皇室問題について(2) ~現代の価値観で伝統を判断する愚~

《性別にこだわらない考え方に立てば「直系長子(第一子)優先制」が採られる。西欧諸国の王室などはその典型例であり、英国のエリザベス女王など有名な女王も珍しくない》(11月6日付東京新聞社説) 話にならない。「皇室」(権威の象徴)と「王室」(権…

皇室問題について(1) ~「女系天皇」は有り得ない~

《秋篠宮さまが皇位継承順位1位の皇嗣(こうし)となられたことを広く示す「立皇嗣(りっこうし)の礼」の中心儀式「立皇嗣宣明の儀」が8日午前、皇居・宮殿で行われた…立皇嗣の礼は、憲法に基づく国事行為で、天皇の子でなく、弟が皇嗣として公にお披露目…

「きっこのメルマガ」を読む(3) ~「地球の裏側の国まで武装した自衛隊を出動させて他国の戦争に参戦する」という嘘~

《歴代の自民党政権の政府見解にも反しています。日本学術会議の会員の選出が選挙制から推薦制に変わった1983年、当時の中曽根康弘首相は5月12日の参議院の文教委員会で、次のように答弁しています。 「(学術会議の会員の選出は)学会や学術集団など…

「きっこのメルマガ」を読む(2) ~天皇が任命を拒否できないという嘘~

《菅首相が除外した6人は、「特定秘密保護法」や「共謀罪」や集団的自衛権の行使を可能にした「安全保障関連法」など、これまでの安倍政権が強行して来た「アメリカの子分として戦争に参加するための悪法」に強く反対している学者たちです。百歩ゆずって、…

「きっこのメルマガ」を読む(1) ~日本学術会議が憲法23条の「学問の自由」によって保障された政府の影響を受けない独立した組織という嘘~

今回はTwitterのフォロワー数が16万人という人気ブロガー「きっこ」のメルマガを読んでみたい。 《日本学術会議は、内閣総理大臣の管轄で国費で運営されていますが、憲法23条の「学問の自由」によって保障された「政府の影響を受けない独立した組織」で…

川辺川ダム論争について

《国が熊本県南部で計画を進めながら地元の反対などで白紙に戻った川辺川ダム建設を巡り、議論が再燃している。今年7月の豪雨で川辺川の本流である球磨川が氾濫したためだ》(10月8日付西日本新聞社説) 議論って何だ。折角の防災・減災を台無しにしてし…

大阪都構想再否決について(5) ~欠かせぬ既得権益の打破~

《10年にも及び、大阪市民を二分してきた論争にようやく終止符が打たれる。(中略)まず反対派との分断を修復し、幅広い理解を得ながら、真に大阪のためになる政策の実現に努めるべきだ》(11月3日付中國新聞社説) 大阪市民を二分してしまったのは、過…

大阪都構想再否決について(4) ~技術論一辺倒では変わらない~

《都構想はもともと大阪を成長させ、グローバルな大都市競争に打ち勝つことを主眼に置いていた。そのために大阪市を廃止して府と市の二重行政を解消し、成長に必要な権限と財源を府に集中させる狙いがあった》(11月2日付日本経済新聞社説) <グローバル…

大阪都構想再否決について(3) ~大改革よりも小改革の積み重ね~

私はまた先月のブログで、大阪が復興するためには、「大阪都構想」のように側(がわ)だけを変えても駄目であって、本質的には大阪に住む人たち自身が変わらなければならないと指摘した。 が、残念ながら反対派の側も「側」だけの議論に陥ってしまっている。…

大阪都構想再否決について(2) ~無責任な政治家達~

松井氏に続き、公明党府本部の佐藤茂樹代表が敗戦の弁を述べた。 佐藤「私もまずは、今回の住民投票で投票し、参加して頂いたことに御礼を申し上げたい。反対多数となったことを厳粛に受け止めてまいりたい。今回の都構想案は、しっかり公明党の主張が入った…

大阪都構想再否決について(1) ~政治とは固い板に穴をあけてゆく力強い緩慢な仕事~

私は先月のブログに「大阪市廃止」住民投票について書いた。 ​大阪市廃止住民投票について(1) ~大阪市廃止は単なるジリ貧~​(10月14日) ​大阪市廃止住民投票について(2) ~3S政策~​(10月15日) ​大阪市廃止住民投票について(3) ~漸…

安倍前首相の好意的評価について(2) ~戦後を最も代表する安倍前首相~

《満州事変、そして国際連盟からの脱退。日本は、次第に、国際社会が壮絶な犠牲の上に築こうとした「新しい国際秩序」への「挑戦者」となっていった。進むべき針路を誤り、戦争への道を進んで行きました》(平成27年8月14日内閣総理大臣談話) <国際社…

安倍前首相の好意的評価について(1) ~歴史認識問題に一応の決着をつけた?~

大阪大学の坂元一哉教授は、 《私は安倍政権は、戦後という時代を終わらせた政権、として記憶されると予想する》(【世界のかたち、日本のかたち】:産経ニュース2020.10.19 08:00) と言う。が、私の評価は真逆である。安倍政権は戦後を終わらせたというよ…

菅首相の所信表明演説について(3) ~薄っぺらな所信表明~

菅首相の所信表明は、残念ながら私には薄っぺらに思われた。 もはや、温暖化への対応は経済成長の制約ではありません。 積極的に温暖化対策を行うことが、産業構造や経済社会の変革をもたらし、大きな成長につながるという発想の転換が必要です。 どういう<…

菅首相の所信表明演説について(2) ~<グリーン社会の実現>という妄想~

私が所信表明演説で最も問題だと思ったのが、<グリーン社会の実現>の話である。 菅政権では、成長戦略の柱に経済と環境の好循環を掲げて、グリーン社会の実現に最大限注力してまいります。 わが国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼ…

菅首相の所信表明演説について(1) ~理念がないのは政治もマスコミも同じ~

10月27日付各紙社説は菅義偉首相の所信表明演説を取り上げている。 《人目を引くキャッチフレーズは避け、実務重視で各論を積み上げていく。それが菅首相の流儀なのだろうが、就任後初めての所信表明演説としては、肩すかしと言うほかない》(朝日新聞)…

合同葬弔意要請について(2) ~おかしな要請~

「強制でなくとも、弔意を求めるのは職員の思想良心の自由に触れる。葬儀があるとの通知にとどめ、大学の自治に委ねるべきだった」(東京都立大の木村草太教授(憲法))(時事ドットコムニュース10/18(日) 7:21配信) <思想良心の自由に触れる>とは憲法に…

合同葬弔意要請について(1) ~教育への不当介入~

《昨年11月に101歳で死去した中曽根康弘元首相の内閣・自民党合同葬が17日、東京・高輪のグランドプリンスホテル新高輪で営まれた。葬儀委員長の菅義偉(すが・よしひで)首相ら政界関係者や近親者ら644人が参列し、国鉄民営化などの業績を残した…

大阪市廃止住民投票について(2) ~3S政策~

次なる「大阪市廃止構想」の疑問は、大阪市を廃止して大阪府に一括し、これまで大阪市がやってきたことを大阪府が引き受けようという「下向きの仕事」と、大阪を副首都にという「上向きの仕事」との両方向の仕事を新たに請け負おうとする「空想」にある。 は…

日本学術会議人事について(5) ~学術会議がなくなっても学問の自由はなくならない~

日本学術会議の大西隆・元会長は言う。 《微細なプラスチック片が分解されずに海に滞留し、摂取した魚、さらに人に害を及ぼすから、プラスチックの利用を大幅に削減しようというキャンペーンが、レジバッグ有料化やマイバッグ携帯につながった。このきっかけ…

日本学術会議人事について(4) ~御飯論法返し~

《発足翌年の50年と67年には「軍事目的の科学研究を行わない」とする声明を出し、3年前にも継承する見解をまとめた》(10月3日付朝日新聞社説) が、甘利明衆院議員は自身のHPで日本学術会議の二重基準を批判する。 《日本学術会議は防衛省予算を…

日本学術会議人事について(3) ~戦前の反省に立って設立された?~

国民民主党の山尾志桜里議員は、自身のブログで「任命拒否には違法の疑いがある」と述べた。 《この任命制度が制定された際の政府答弁をみると、「私どもは、実質的に総理大臣の任命で会員の任命を左右することは考えておりません」(手塚康夫・内閣官房総務…