保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

稲田元防衛相の誤解(1) ~聞く耳を持たぬ独善~

稲田朋美元防衛相が、自身を批判した、産經新聞・阿比留瑠衣氏の記事に噛み付いた。 人間である限り誤ることもある。だから自分の方が間違っているのかもしれない。そう構えるのが「大人」というものだ。相手が阿比留氏のような実績評価のある新聞記者であれ…

「表現の不自由展」について(2) ~異国人に「表現の自由」は有りや無しや~

《「あいちトリエンナーレ」で芸術監督を務めた津田大介によれば、実行委には大量の脅迫FAXや脅迫メールが届いた。会場には妨害する右翼たちが集まり、警備上の問題もあったため、企画展は一時中止を強いられることとなった》(藤崎剛人『ニューズウィーク日…

「表現の不自由展」について(1) ~日本文化に対する異文化人の攻撃~

《6月10日、今月25日から東京都新宿区で開催予定だった「表現の不自由展」の実行委員会が緊急記者会見を行い、会場での妨害行為が頻発しているなどの理由で、開催場所の変更を行わざるをえなくなっていると発表した。 「表現の不自由展」は、元々は2019年の…

土地利用規制法成立について(2)  ~実質「基地周辺住民監視」法~

《土地を巡る安全保障上の不安や懸念としては、外国資本等による土地の取得・利用を問題視する指摘が少なくない。しかしながら、経済活動のグローバル化が進展する中、外国資本等による対内投資は、イノベーションを生み出す技術やノウハウをもたらすととも…

土地利用規制法成立について(1) ~土地購入規制法でないことに注目!~

《国境離島や防衛施設周辺等における土地の所有・利用を巡っては、かねてから、安全保障上の懸念が示されてきた。経済合理性を見出し難い、外国資本による広大な土地の取得が発生する中、地域住民を始め、国民の間に不安や懸念が広がっている。例えば、長崎…

異論を「ブロック」する河野大臣について

河野太郎氏は現在、行政改革担当、国家公務員制度担当、新型コロナウイルスワクチン接種推進担当、内閣府特命担当(沖縄及び北方対策、規制改革)大臣である。 が、思想的には、夫婦別姓賛成、女系天皇賛成、移民政策賛成、原発反対、靖国神社参拝反対という…

政権交代なき党首討論は不要だ

党首討論は、英国を真似、政権交代可能な二大政党制を目指して行われるものだったはずである。 《党首討論は、英国議会の「クエスチョン・タイム」をモデルに99年に導入された。一方的に与党が質問を受けるのでなく、与野党の代表が問題意識をぶつけ合う場…

「シナ人権侵害」非難決議見送りについて(4) ~獅子身中の虫~

《日本維新の会、国民民主党、立憲民主党や自民の外交部会などが了承手続きを終えたが、公明の同意が得られず、採決見送りとなった。国会決議は全会一致とする慣例を盾に取った判断といえる》(6月17日付産經新聞主張) ここまで露骨にシナを擁護しようと…

「シナ人権侵害」非難決議見送りについて(3) ~産經主張のおかしな論理~

《中国政府による深刻な人権侵害を非難する国会決議案の採択が、自民、公明両党の執行部の判断で見送られたことで…浮かび上がるのは、専制主義の中国と対峙(たいじ)して自由、平和、繁栄を守っていかねばならないという時代の要請を理解しない国会と政党の…

「シナ人権侵害」非難決議見送りについて(2) ~「アリバイ作り」の非難決議~

先日に引き続き「新疆ウイグル等における深刻な人権侵害に対する非難決議案」を見ていこう。 このような状況において、人権の尊重を掲げる我が国も、日本の人権外交を導く実質的かつ強固な政治レベルの文書を採択し、確固たる立場からの建設的なコミットメン…

「シナ人権侵害」非難決議見送りについて(1) ~人権は普遍的価値ゆえ内政干渉が許されるという危険な論理~

《中国政府による深刻な人権侵害を非難する国会決議案の採択が、自民、公明両党の執行部の判断で見送られた》(6月17日付産經新聞主張) 決議案の中身を見ておこう。 新疆ウイグル等における深刻な人権侵害に対する非難決議案 近年、新疆ウイグル、チベッ…

ワクチン開発は国防だ(2) ~ワクチン開発の体制作りを急げ~

《厚生省(当時)は1994年に予防接種法を改正し、ワクチンは義務接種から任意接種に変更された。それまでもワクチン接種率は低下し新規ワクチン開発も停滞していたが、法改正は国内メーカーのやる気を大いにそいだ。80年代まで日本はワクチン輸出国だ…

ワクチン開発は国防だ(1) ~ワクチン開発に横槍を入れる日本学術会議~

遅まきながら 《政府は国産ワクチンの開発・生産体制を強化するとして、拠点整備などを行う国家戦略を閣議決定した》(高橋洋一「国産ワクチンが遅れた理由」:ZAKZAK 2021.6.8) 国民が日常生活を取り戻すためには、ワクチンが必要である。したがってワクチ…

立憲民主・本多議員の「14歳と同意性交」発言について(3) ~「削除。無かったことにはなりません」蓮舫~

《寺田氏は記者団に「WTの役員としては『いかなる理由があっても成人は中学生を性行為の対象にしてはならない』と提示したが、反対意見が複数寄せられ、(結論を)まとめるには至らなかった」と述べた》(産経ニュース 2021/6/7 18:52) 成人が中学生を性…

立憲民主・本多議員の「14歳と同意性交」発言について(2) ~破廉恥の極み~

《複数の関係者によると、5月10日に開かれたWT(=立憲民主党「性犯罪刑法改正に関するワーキングチーム」)で本多平直衆院議員(56、比例北海道ブロック)が「例えば50歳近くの自分が14歳の子と性交したら、たとえ同意があっても捕まることにな…

立憲民主・本多議員の「14歳と同意性交」発言について(1) ~弱者保護と自由~

《立憲民主党は2日、性犯罪に関する勉強会を国会内で開催しました。桃山商事の清田隆之さんから「世界で進む『性的同意』の議論。俺たちは男はその意味を理解できているのか」と題する講演を聞いた後、意見交換しました。(中略) 清田さんは、日本の刑法で…

皇位継承等の有識者会議について(8) ~5月31日政府有識者会議~

5月31日の政府有識者会議では以下のような意見が出された。 君塚直隆氏「男系男子にのみ皇位継承資格を与えるという現行制度を改定し、女性皇族にも皇位継承資格を与えるとともに、現行の男性皇族と同様に、婚姻時もしくは適切な時期に宮家を創設し、ご自…

皇位継承等の有識者会議について(7) ~5月21日政府有識者会議~

5月21日の政府有識者会議では以下のような意見が出された。 国際日本文化研究センターの今谷明(いまたに・あきら)名誉教授「女性宮家は早く何とかしなければいけない。とりあえず男系で続いていくしかないが、準備はしておく必要がある。女系天皇の場合…

皇位継承等の有識者会議について(6) ~一夫一婦制は俗世の倫理~

《新典範に於ては、皇統に属する者であっても、庶子(しょし=本妻以外の女性から生まれた子)に対しては皇族の身分を認めず、従って皇位継承権は認められないことになった。この点は、古来の皇位継承法、明治の典範が、嫡出(ちゃくしゅつ)優先主義の上に立ち…

皇位継承等の有識者会議について(5) ~権威を規定するのは歴史伝統~

《日本の皇位継承法に於て、女帝の制度の認められた歴史はあるが、女帝は常に配偶者の現存せざる場合に限られていたのであって、女系子孫の継承を認める思想は全然存在しなかった。日本皇室の万世一系とは、男系子孫一系の意味であることは論をまたぬ。然(し…

皇位継承等の有識者会議について(4) ~伝統を憲法で論ずる勿れ~

《政府は10日、安定的な皇位継承策を議論する有識者会議(座長・清家篤前慶応義塾長)の第4回会合を首相官邸で開いた。憲法や法律の観点から母方にのみ天皇の血筋を引く女系への皇位継承資格の拡大、旧宮家の皇籍復帰などについて4人に意見を聴いた。 女…

皇位継承等の有識者会議について(3) ~側室制度~

《女性天皇への賛成派は85%、女系天皇への賛成派も79%に上っている…男女共同参画という時代の流れや、男女平等の憲法の精神にかなっていることは言うまでもない。 そもそも2017年に成立した天皇退位特例法の付帯決議は、女性皇族が結婚後も皇室に…

皇位継承等の有識者会議について(2) ~権威と権力の分離~

《安定的な皇位継承策を議論する有識者会議が始まった。女性・女系天皇や旧宮家(旧皇族)の皇籍復帰など十項目がテーマとなる。国民の意識や時代の流れを踏まえ、新しい皇室像を探ってほしい》(4月5日付東京新聞社説) コミンテルン(共産主義インターナ…

皇位継承等の有識者会議について(1) ~有識者会議という「茶番」~

《安定的な皇位継承策などを議論する政府の有識者会議が初会合を開いた》(3月24日付毎日新聞社説) <有識者>とはどのような人のことを言うのだろうか。皇室問題を扱うのに皇室伝統の専門家が一人も入っていない有識者会議。こんな「茶番」はもううんざ…

改正少年法成立について(2) ~罪に応じた罰~

《もう一つの大きな変更点は、起訴された際の氏名の扱いだ。 過去に罪を犯したことが明らかになれば、就職や進学の支障になるとして、これまでは実名や写真の報道が禁じられていたが、改正法では可能になる》(5月22日付毎日新聞社説) <就職や進学の支…

改正少年法成立について(1) ~18、19歳は成人か少年か~

《弁護士や法学者ら専門家の反対表明が相次ぐ中、改定少年法がきのう成立した。 事件を起こした18、19歳の厳罰化が柱だ。「特定少年」と位置づけて、家庭裁判所が検察官に逆送し20歳以上と同様の刑事手続きを取る事件を強盗などにも拡大。起訴後には実…

LGBT法案を巡って(5) ~逆転高裁判決~

《戸籍上は男性だが性同一性障害で女性として生活する経済産業省の50代職員が、勤務先の庁舎で女性用トイレの利用を制限しないよう国に求めた訴訟の控訴審判決が27日、東京高裁であった。北沢純一裁判長は「十分配慮して決定したトイレの処遇は不合理と…

LGBT法案を巡って(4) ~価値平等は野蛮化~

《法案を巡っては、理解増進に重点を置く自民と、差別解消を盛り込むべきだとする立憲民主党の立場に開きがあったが、目的と基本理念に「差別は許されない」との文言を追加することで折り合った。 合意した要綱案は「性的指向と性自認の多様性を受け入れる精…

LGBT法案を巡って(3) ~「ジェンダーフリー」社会の到来~

《5月21日、東京・永田町の自民党本部前で抗議集会が開かれた。 「トランスジェンダー女性を犯罪性と結びつけるな」「わたしたちはもうすでに一緒に生きている」ーー。そう訴える人たちが永田町に並び、主催者によると約100人が参加した》(HuffPost …

LGBT法案を巡って(2) ~50年前まで同性愛行為が違法だった英国~

英国は、今から僅か50年前まで、男性の同性愛行為は違法だった。イングランド及びウェールズで男性の同性愛が条件付きで非犯罪化されたのは1967年のことである。 (英国ニュースダイジェスト 16 November 2017 vol.1495「19~20世紀を生きた 英国…