保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

LGBT法案を巡って(3) ~「ジェンダーフリー」社会の到来~

《5月21日、東京・永田町の自民党本部前で抗議集会が開かれた。 

トランスジェンダー女性を犯罪性と結びつけるな」「わたしたちはもうすでに一緒に生きている」ーー。そう訴える人たちが永田町に並び、主催者によると約100人が参加した》(HuffPost 2021年05月22日10時39分)

 「トランスジェンダー女性を犯罪性と結びつけるな」とは具体的に何を言っているのだろう。具体性がなければ、ただの「被害妄想」である。「わたしたちはもうすでに一緒に生きている」も何を訴えたいのか不明である。

トランスジェンダー当事者の浅沼智也さんは「自分の性自認で生きる。なぜそれが許されないのか」と話した》(同)

 社会には様々な「制約」がある。「道徳」はその最たるものであろう。が、様々な「制約」があってはじめて社会秩序は成り立つ。

 トランスジェンダーの人が<自分の性自認>で生きればどのようなことになるのか、それを考えた上で言ってもらわねばただの「自己中」である。

 例えば、<自分の性自認>で生きるとして、女性を自認する男性が女性用のトイレ、更衣室、風呂などの施設を使い出せば大混乱になるだろう。女性を自認すれば男性でも女風呂に入れるというのであれば、女性を自認する男性がおそらくたくさん出て来るだろう。当たり前であるが、<自認>では本物と偽物の区別が付かないから「にわかトランスジェンダー」が増えることは避けられない。

精神科医の針間克己氏は、「自称性同一性障害と本物をどう見分けるか」というタイトルでブログ記事を書いている。結論から言うと、現在においても自称と本物の鑑別は専門医であっても困難だということ。診断は彼らの主観をベースにするしかないのだから、手術要件をなくしてしまえばほぼ要求が通ってしまうことは容易に想像がつく。

女性になった自分の姿に性的興奮を感じるオートガイネフィリアが、マニュアル通りの受け答えをして診断書を書かせたという話はネット上にごろごろ転がっている。精神科医は当事者から「門番」と疎まれており、GID学会では医師である理事長の解任動議が何度も出されている。しかし本当に性別を自分たちだけで決めることに問題はないのだろうか。

 自己申告で性別を変えられるセルフIDを導入した海外ではすでに混乱が生じており、日本の女性たちからも不安の声が上がっている。男性器のついたトランス女性が女性専用シャワールームに入ってきても注意した人が警察に通報されたり、女性刑務所に収監された男性器のついたトランス女性が女性受刑者に性暴力を繰り返したりといったニュースは後を絶たない》(松浦大吾「国会で性別の定義変更の議論が始まろうとしている」:アゴ2021.04.23

 結局、これらの問題を「解決」するには、あらゆる施設を男女兼用にするしかない。つまり、左翼の待ち望む「ジェンダーフリー」社会が到来するわけである。【続】