保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

首相候補が見当たらない悲劇(3) ~高市前総務相の総裁出馬宣言~

突如伏兵が現れた。前総務相の高市早苗衆院議員である。 《女性初の総務大臣や衆議院議院運営委員長を歴任してきた自由民主党の高市早苗衆議院議員が、8月10日発売の「文藝春秋」9月号に「総裁選出馬宣言」となる論文を寄稿した。政権構想となる「日本経済強…

首相候補が見当たらない悲劇(2) ~中選挙区制に戻すべきだ~

一番の問題は「小選挙区制」である。小選挙区制は当選者が1人なので必然、政党を選ぶ選挙となる。逆に言えば、人を選ぶ選挙とならない。そのため選挙を通じて人は育たない。 選挙を通じて人を育てるためには、かつてのような「中選挙区制」に戻すことが望ま…

首相候補が見当たらない悲劇(1) ~人が育たない小選挙区制~

《産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査で、次の首相にふさわしい政治家を尋ねたところ、河野太郎行政改革担当相が17.9%で、5月の調査から4カ月連続でトップだった。前回調査(7月17、18両日実施)で3位だった菅義偉(…

閣僚の「8月15日の靖国参拝」について(3) ~8月15日は「終戦」か「敗戦」か~

8月15日を「敗戦記念日」と考えるものもいる。日本は戦争に負けた。が、大東亜戦争後、亜細亜は欧米の植民地支配から解放され、多くの国が独立を果たしたのである。 《1941年に合衆国と英国を一時的に打ち破ることによって、日本は西方列強が無敵では…

閣僚の「8月15日の靖国参拝」について(2) ~秘されるコミンテルンの陰謀~

1920年(大正9年)レーニンはモスクワ共産党細胞書記長会議で次のように述べた。 《全世界における社会主義の終局的勝利に至るまでの間、長期間にわたってわれわれの基本的原則となるべき規則がある。その規則とは、資本主義国家間の矛盾対立を利用して…

閣僚の「8月15日の靖国参拝」について(1) ~8月15日参拝は政治的~

《菅政権になって初の「終戦の日」のおととい、3人の閣僚が靖国神社に参拝した。菅首相は参拝せず、自民党総裁として私費で玉串料を納めるにとどめたが、その2日前には、自衛隊を指揮監督する立場の防衛相を含む2閣僚の参拝もあった。敗戦から76年、首…

敗戦記念日社説:孤軍奮闘する朝日新聞(4) ~「平和なくして平等はなく、平等なくして平和はない」?~

《平和なくして平等はなく、平等なくして平和はない――。市川(房枝)は晩年、そう強調した。 違いを認め合い、対等な立場で個人の尊厳が守られている国の間で戦争は起きないし、逆に戦争が起きれば平等も尊厳も、そして生存自体も脅かされる》(8月15日付…

敗戦記念日社説:孤軍奮闘する朝日新聞(3) ~全体主義者の科白~

《「男女に等しく政治的な権利を」という今では当たり前の主張は、男尊女卑の家父長的家族制に基礎をおく戦前の体制と真っ向から対立するものだった。このため当時の運動は、男女平等の本質を説くより、「台所と政治をつなぐ」ことの利点を訴えるという、妥…

敗戦記念日社説:孤軍奮闘する朝日新聞(2) ~平等はシジフォスの岩~

《ポップスからルソーに至る、さらにはロールズにまで達する「自然状態」という虚構のなかで、能力差のない人間の集まりというものを空想し、そこで「人は生まれながらにして平等である」というふうに自然権を謳(うた)うのはもう止めようではないか。人間…

敗戦記念日社説:孤軍奮闘する朝日新聞(1) ~戦後思潮の過ち~

今年の「敗戦記念日」の各紙社説はいよいよネタが尽きた感が強い。読むに値する情報がない。 そんな中、朝日新聞だけは、褒めるのも変な話ではあるが、しっかり独自路線を貫いている。 《戦後の日本が憲法を手にめざしたのは、国民が主権を行使し、個人が等…

「ワクチンパスポート」について(3) ~<ワクチンパスポート>よりも先にすべきこと~

「ワクチンパスポート」については、イケイケの産經よりも石橋を叩いて渡ろうとする毎日の意見に私は共感する。 《既に一部の自治体や企業は、接種後に発行される証明書を提示した人に対し、地域の買い物に使える割引券を配布するといった特典を設けている。…

「ワクチンパスポート」について(2) ~経団連の思惑~

《経団連はイベントの入場、国内ツアーの参加、介護施設や医療機関での面会などで、人流の制限緩和に活用できると提案している》(7月26日付産經新聞主張) <人流>という言葉はコロナ禍で生まれた造語である。物の搬送における「物流」のごとく人を流れ…

「ワクチンパスポート」について(1) ~前のめりの産經新聞~

《新型コロナウイルスワクチンの接種履歴を示す証明書「ワクチンパスポート」の申請受け付けが26日から始まる。 個別申請に基づいて発行し、一部の国・地域に渡航した際にこれを提示すれば入国後の隔離期間が免除・緩和される》(7月26日付産經新聞主張…

ナショナル・ルサンチマンが生んだ核廃絶の責務意識(5) ~核廃絶は悪魔の囁き~

《私たち自身も過去と向き合わなければならない。五輪開会式のショーディレクターがかつてユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)を揶揄(やゆ)したとして解任された問題では、負の歴史が共有されていないことがあらわになった。戦時中の日本による加害行為を含…

ナショナル・ルサンチマンが生んだ核廃絶の責務意識(4) ~世間知らずの青臭い科白~

《被爆者の悲願だった核兵器禁止条約が発効してから初めての原爆忌である。 あの日、強烈な熱線や爆風、放射線で町は一瞬にして焼け野原となった。1945年末までに約20万人もの尊い命が奪われた。 生き残った被爆者たちは放射線による健康被害に苦しみ…

ナショナル・ルサンチマンが生んだ核廃絶の責務意識(3) ~全国紙総崩れ~

《広島はきょう、長崎は9日に「原爆の日」を迎える。 1945年夏、2度にわたる米軍の原子爆弾投下により、20万人を超える市民が犠牲になった。放射線を浴びた多くの人が今なお健康被害に苦しむ。 惨禍の記憶を次世代に伝え、二度と核兵器が使われない…

ナショナル・ルサンチマンが生んだ核廃絶の責務意識(2) ~核廃絶の瞬間が最も危険~

《米国の退潮に伴い「核の傘」の信頼が弱まり、同盟国に核武装の連鎖が起きかねない。世界ではそんな懸念も論じられる。科学者らが警告する地球滅亡までの終末時計は、最悪の100秒前で止まったままだ》(8月6日付朝日新聞社説) 《米科学誌が人類滅亡ま…

ナショナル・ルサンチマンが生んだ核廃絶の責務意識(1) ~台湾有事は自分事~

《世界はいま、核の恐怖の果てにある破局か、それとも、より安全な共生の未来か、どちらの道へ進むかの分岐にある。 米国と中国の覇権争いを筆頭に、欧州・アジア・中東で国家間の対立が熱を帯び、核戦争の不安を高めている。 一方で、だからこそ協調の価値…

戦後日本の「ナショナル・ルサンチマン」(2) ~平和という奴隷道徳~

《(平和憲法と経済力)どちらもがルサンチマンのはけ口であったがゆえに、自己制御が不可能なまでに強力でありつづけ、今も強力である。これあるがゆえに日本人は自分で自分を不自由にしている。しかし、このどちらもがアメリカの言うがままにならないため…

戦後日本の「ナショナル・ルサンチマン」(1) ~ルサンチマンが生んだ戦後日本の平和主義~

ルサンチマンとは外のもの、他のもの、自己でないものに対して否と言うとき、外へと向かうべき真の反応、つまり行為による反応が自己自身の無力さから拒まれているために、価値を定める眼ざしを逆転させ、想像上の復讐によってだけその埋め合わせをつけよう…

東京五輪を批判し広告が入らぬ大手紙の自業自得について

《コロナ禍で開幕した東京オリンピック…日本人アスリートの金メダルラッシュがテレビを賑わせている。一方、創業以来最大の赤字を出した朝日新聞をはじめ厳しい経営が続く新聞業界は、期待したスポンサー企業の広告が入らず困惑している》(日刊ゲンダイ2021…

日本を「核の先制不使用」の例外にせよと主張するシナ軍事評論家(2) ~国際世論を味方に付けろ!~

The commentator points to recent remarks by high-ranking Japanese officials as the motivation behind his proposal. Japan's Defense Minister Nobuo Kishi and his deputy, Yasuhide Nakayama, have spoken in support of Taiwan's security in the f…

日本を「核の先制不使用」の例外にせよと主張するシナ軍事評論家(1) ~危険な連合国憲章旧敵国条項~

ニューズウィーク誌に ‘China Officials Share Viral Video Calling for Atomic Bombing of Japan’(中国政府関係者、日本への原爆投下を呼びかける動画を公開)と題する恐ろしい記事が掲載された。 Communist Party officials in northwestern China appear…

「ゼロコロナ病」について(2) ~やはり政治家次第~

《そもそも新しいタイプの風邪ウイルスである新型コロナが、どれだけワクチンが普及しようが「ゼロ」になる可能性は著しく低い。それにもかかわらず無理やり「ゼロ」を目指し、例えば緊急事態宣言を頻発するようになれば(仮に政府が徹底的な補償を行ったと…

「ゼロコロナ病」について(1) ~尾身独尊では危うい~

京都大学の藤井聡教授は言う。 《菅義偉首相の4度目の緊急事態宣言の発出を耳にしたとき、啞然(あぜん)とした心持ちとなった国民は多かろうと思う。そもそも、「五輪を絶対にやる」という菅首相の方針から言うなら、軽々なる緊急事態宣言などあり得ないは…

熱海土石流について(4) ~太陽光発電に吹く逆風~

キヤノングローバル戦略研究所の杉山大志研究主幹は言う。 「アメリカで問題視されたら、日本が何もしないという訳にはいかない。ただ、部品の輸入元を中国から切り替えた瞬間、太陽光発電の価格は跳ね上がる。そうなれば、日本の脱炭素に向けた計画は近い段…

熱海土石流について(3) ~本当に太陽光発電コストが最安なのか~

理学博士・高田純氏は次のように分析する。 これは1つの分析であって、絶対的なものではないことは言うまでもないが、少なくとも現段階において非常に有力な分析であることは間違いない。であれば、山間部における太陽光発電施設を総点検し直す必要があるし…

熱海土石流について(2) ~太陽光発電施設の影響の有無~

《土石流が静岡県熱海市伊豆山地区を流れ下った7月3日、上流部の森林を開いて作られた太陽光発電施設との関連を指摘する声がSNS上にあふれた。その後、静岡県の調べにより、谷あいに残土が持ち込まれて盛り土された場所が土石流の起点だったとわかり、"…

熱海土石流について(1) ~「盛り土」崩壊の要因~

《静岡県は4日、熱海市伊豆山(いずさん)地区で発生した土石流災害について、土石流の発生源付近に置かれていた盛り土が崩れることで大規模化したとの見方を示した。盛り土は開発行為により置かれたものとみられ、土石流の推定総量約10万立方メートルの半…

東京五輪に沸く日本人を批判する芥川賞作家・平野啓一郎氏(3) ~重症者数、死亡者数の方を見るべし~

が、感染者数が増える一方、重症者数、死亡者数は減っている。嘉悦大の高橋洋一教授は、7月30日付の自身のツイッターで、「図を作ったが。新規感染者数より、重症者数、死者数をみたほうがいい」と言う。 《新規感染者数が急増しているのに、重症者数が増…