保守論客の独り言

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熱海土石流について(3) ~本当に太陽光発電コストが最安なのか~

理学博士・高田純氏は次のように分析する。

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 これは1つの分析であって、絶対的なものではないことは言うまでもないが、少なくとも現段階において非常に有力な分析であることは間違いない。であれば、山間部における太陽光発電施設を総点検し直す必要があるし、今後は安易な建設は控えるべきであろうと思われる。

 が、この期に及んで太陽光発電を増やそうという計画がなされている。

《政府が見直しを進めているエネルギー基本計画の原案が16日、明らかになった。2030年度の総発電量に占める太陽光や風力など再生可能エネルギーの比率を、現在の計画の22~24%から36~38%に高める。原子力は20~22%を維持する。再生エネと原子力を合わせ、約6割を二酸化炭素を排出しない「脱炭素電源」にすることを目指す》(読売新聞7/16() 20:13配信)

 国土の6割が山である日本には、安全に太陽光発電施設を造れる場所がない。既存の施設も総点検が必要とされている中、能天気に再生エネルギーの割合を<現在の計画の22~24%から36~38%に高める>などというのは常軌を逸している。

 さらに経産省は2030年時点で、太陽光発電が発電コストが最安となるとの見通しを示している。

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《6年前の試算で最も安かった原子力は、安全対策のための費用が膨らみ、発電コストは1円以上、上がりました。

一方、太陽光は4円程度下がり、最も安くなりました。

発電コストで太陽光が原子力を下回るのは初めてとなります。

ただ、太陽光発電は天候による発電量の変動が大きく、実際にはバックアップのために火力発電を確保する必要がありますが、その費用は計算に含まれていません》(NHK NEWS WEB 2021712 1849分)

 なぜ太陽光発電の発電コストにはバックアップ電源のコストが含まれていないのか。要は、太陽光発電を普及させたいから情報を意図的に操作しているということである。

 さらに、安全性という点でも、自然災害に弱い太陽光発電施設には問題があろう。また一般的なソーラーパネルの寿命は、20年程度だと言われており、パネル交換に伴う費用も相当なものになると思われる。

 高田博士は、太陽光発電の問題を次のようにまとめられている。

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 さらに太陽光発電にはもっと「やばい話」がある。

アメリカは6月24日、「労働者に対する脅迫や移動の制限が確認された」と人権侵害を指摘し、中国企業「合盛硅業(Hoshine Silicon Industry)」からパネルの部品となるシリコンの輸入を禁止すると発表した》(「ウイグルの強制労働疑惑、太陽光パネル関連工場でも浮上」:HUFFPOST 2021年07月01日07時58分)【続】