保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

太陽光発電、既存の施設検証が先だ(2) ~自然、生態系を守れ!~

《太陽光は、風力発電などと比べて短期間で導入できる。12年から始まった固定価格買い取り制度によって急増してきた。

 その結果、国土面積あたりの設備容量は世界一となったが、適地が残り少なくなっている。さらに拡大するのは容易ではないとの指摘が多い。政府は方策を練り、用地を広げていかねばならない》(8月30日付読売新聞社説)

 こんな無責任な発言もないだろう。先日熱海で起こった大規模土石流の源には太陽光発電施設があった。盛り土崩落の引き金を引いたのがこの施設であった可能性は小さくない。が、怪しげな組織が関与しているからであろう、いつまでたっても真相は藪の中である。こういった問題は他所(よそ)にも見られるに違いない。

《近年、企業が山林を切り崩して太陽光発電設備を作る事例が増え、住民の懸念が強まっている。18年の西日本豪雨では、神戸市で太陽光パネルがある斜面が崩落し、新幹線が一時運休した。

 景観や自然環境を破壊するとして住民が反対し、トラブルに発展するケースも頻発している》(同)

 太陽光発電施設を巡る森林破壊の事例はおそらく枚挙(まいきょ)に暇(いとま)がないと言うべきだろう。

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 山に木は必要ないのか。木を大規模に伐採して太陽光発電を敷設すれば、景観だけでなく生態系も損なわれてしまう。山の保水力も失われるだろうし、「豊かな森が豊かな海を作る」というような「水の循環」といったものも失われてしまうだろう。

 環境に優しいはずの太陽光発電が環境を破壊するという逆理(paradox)。自然環境を破壊してまでどうして我々は太陽光発電を推進し続けなければならないのだろうか。まして土石流のような自然災害まで引き起こしかねないとなれば、ここで一度立ち止まって検証するのが筋なのではないか。にもかかわらず、<政府は方策を練り、用地を広げていかねばならない>などと前のめりの発言をするのはなぜなのか。

《住民の合意が得られ、太陽光に適した土地を、自治体が徹底して見つけ出していくことが大切だ》(同)

 敢えてこのようなことを宣(のたま)う読売社説子は太陽光パネルを売りたいシナの「走狗(そうく)」なのか。

 太陽光パネルは自然災害に弱いという問題もある。日本は台風や地震といった自然災害大国である。だとすれば、安易に太陽光発電施設を増設すべきではない。

 読売社説子は、

《ため池やダム湖の水面にパネルを浮かべる「水上太陽光」も有望だ》(同)

などとも言うが、ここまでくれば最早「太陽光発電」教の信者のようだ。太陽光発電拡大先にありきで、自然を破壊しようが、生態系を毀損(きそん)しようが気にしないというのでは国民の理解は得られまい。【了】