保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

福島第1原発処理水放出について(2) ~処理水を放出して原発事故処理を先に進めるべきだ~

《原子炉から出る汚染水は専用の装置で浄化するが、放射性物質トリチウムだけは除去できず残留したままだ。科学的には安全だと言われても、風評被害が広がる懸念は拭えまい。漁業者ら地元住民から反対の声が上がるのも無理はない。

 これ以上、地域にさらなる重荷や分断を強いるようなことがあってはならない。政府と東電は地元の不安と正面から向き合い、具体的な対策を示して説明を尽くす必要がある》(10月18日付中國新聞社説)

 風評被害に対する<具体的な対策>とは具体的にどういうことを考えているのであろうか。例えば、韓国は悪評を垂れ流し続けている。

東京電力福島第一原子力発電所で増え続ける、トリチウムなどの放射性物質を含む水の処分方法をめぐって、韓国南部・チェジュ道の知事は、「放出された水は日本の海だけに流れ込むのではない」として、日本政府に海に放出しないよう求め、要求が拒否された場合には、沿岸住民などに呼びかけて日本と韓国でそれぞれ訴えを起こすことも辞さないという考えを示しました》(NHK WEB NEWS 2020年10月20日19時24分)

 が、韓国の原発トリチウムを排出している。

《日本政府は、資料に韓国の月城(ウォルソン)原子力発電所について言及し、ここからも年間140兆ベクレル(放射能の測定単位)のトリチウムが排出されていると記述した。

福島第一原発に貯蔵されている全体トリチウム量が860兆ベクレル、日本に降る雨に含まれる年間トリチウム量が220兆ベクレルである点と照らしてみた時、少なくない量のトリチウムが韓国からも排出されているのに、なぜ日本の汚染水だけに過敏に反応するのかということだ。

日本政府は「世界の原子力施設ではトリチウムが放出されているが、これら施設周辺でトリチウムが原因と思われる影響は見つかっていない」とし「仮にタンクの全量(福島第一原発に貯蔵されている860兆ベクレル)を一年で処分した場合でも、日本で生活する人が1年間に自然界から受ける放射線(自然放射線)の1/1000以下と、十分に小さいもの」との結論を下した》(中央日報10/20(火) 8:53配信)

《地元の漁業者らは強く反発している。全国漁業協同組合連合会も「国民の理解を得られない放出には絶対反対」との決議をし、今月15日には岸宏会長が経済産業省などを訪れ、「これまでの10年に及ぶ漁業者らの努力が水泡に帰する」と訴えた》(同、中國社説)

 <国民>とは誰のこと指しているのか。おそらく多くの国民は処理水放出に賛成するものと思われる。反対しているのは日本を困らせたいと思っている人達だけということはないのだろうか。

 勿論、風評被害は避けたい。が、日本を貶めようとしている連中の口を封じることは「人の口に戸は立てられぬ」のと同様できるはずもない。であるなら、漁業補償という形をとって対応することも必要となってこよう。

 いずれにせよ、福島第1原発事故の処理を先に進めるためには処理水の放出は必須であろうと思われる。【了】