保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

温室ガス46%削減について(2) ~独りシナは好き勝手~

《首相が掲げた「50年実質ゼロ」は、気候変動の影響を減らすため、パリ協定が努力目標とする「産業革命前からの世界の平均気温の上昇を1・5度までに抑える」のに必要とされる。達成には、50年までの段階での二酸化炭素(CO2)排出削減も欠かせない。排出量1位の中国などの動きを促すためにも、5位の日本のさらなる目標上乗せを期待したい》(4月25日付朝日新聞社説)

 シナが日本の涙ぐましい努力に絆(ほだ)されて自らも削減に転じるなどということは絶対有り得ない。シナは「発展途上国」だから削減に応じる必要はない、これまで良い思いをしてきた「先進国」が頑張って削減すればよい、と嘯(うそぶ)いている。

《今回の気候変動サミットには、世界最多の二酸化炭素排出国である中国に削減の国際協調を促す目的もあった。習近平国家主席の参加を引き出したのは、成果のひとつである》(4月25日付産經新聞主張)

 が、習近平は30年を排出量の頂点と言い、それまでは削減する気はまったくない。世界の温室ガス排出量の3割を占めるシナが削減しないというのでは、日本が頑張ったところで焼け石に水である。

《水素やアンモニアを燃料の一部にしても削減量は多くない。

 再生可能エネルギーでは洋上風力発電が有力視されているが、短期間での主力化は難しい。太陽光発電は、すでに立地で摩擦を起こしている。

 残された9年間で46%減に近づけるには福島事故以来、停止を続けている原発の再稼働以外に選択肢は見当たらない》(同)

 日経社説も産経主張と同様の意見である。

《排出削減を加速するには、化石燃料への依存を極力減らす必要がある。生産から消費まであらゆる段階で電化を進めつつ、石炭火力発電を再生可能エネルギーなどに転換することが急務だ。

平地の少ない日本は、大規模な太陽光発電の適地が限られる。期待の高い洋上風力発電も、建設や試験、周辺漁業への影響調査などを考えると30年までの本格展開は難しい。

とすれば、エネルギーの安定供給を確保するために原子力発電を選択肢からはずすことはできない。経済産業省は現在作成中の次期エネルギー基本計画のなかで、原発の役割を明確にすべきだ》(4月24日付日本経済新聞社説)

 国際的に約束したから原発を再稼働するしかない、というのでは本末転倒である。原発の再稼働の見込みがついてから削減目標を立てるのが当然の手順であり、国際公約を盾に原発を再稼働させようとするのは間違っている。

《政府が50年までの政策の柱にしているのが、昨年末にまとめた脱炭素化と経済成長の両立を目指す計画「グリーン成長戦略」だ。

 洋上風力発電など14の重点分野を定め、2兆円の基金を使って企業の研究開発や普及の取り組みを支援する。50年の発電割合の参考値として再生エネ50~60%、CO2回収を前提とした火力と原発は30~40%、水素とアンモニア発電10%を掲げた。

 だが、まだ実証段階の技術も多い。再生エネの要となる洋上風力の本格導入は40年と想定し、新車販売からガソリン車をなくすのも35年が目標で、新たな目標の30年とはずれがある》(4月24日付南日本新聞社説)

 が、現段階では、経済成長につながるような脱炭素化など夢物語でしかない。見切り発車も良い所である。【続】