保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

レジ袋禁止条例について

《7月からプラスチック製レジ袋の有料化が義務づけられる。大手コンビニが1枚3~5円に決めるなど、長年の慣行の本格的な見直しへ一歩を踏み出す》(6月14日付朝日新聞社説) これまでポイ捨てされてきた無料のレジ袋が、有料化されれば、ポイ捨てされ…

“Black Lives Matter”について(2) ~「力」で抑え込むしかない米国~

今回の“Black Lives Matter”運動の高まりが、ジョージ・フロイド氏の死亡が切っ掛けとなったという意味では、「黒人の命は大事」という意味合いが強いのだろうけれども、根底に米国社会における黒人差別問題があるという意味では、「黒人の生活は大事」とい…

“Black Lives Matter”について(1) ~「黒人の命は大事」or「命も大事」?~

去る5月25日、米ミネアポリス近郊で、アフリカ系アメリカ人ジョージ・フロイド氏が警察官の不適切な拘束によって亡くなったことを契機として、米国のみならず世界各地で”Black Lives Matter”運動が巻き起こっている。 まず私が気になったのは、この英語は…

地球温暖化防止政策「グリーン・リカバリー」について(2) ~グリーン・リカバリーという儲け話~

《小泉進次郎環境相は10日、気候変動対策の官民組織「気候変動イニシアティブ(JCI)」と新型コロナウイルスが収束した後の経済回復について意見交換した。脱炭素社会を目指し、環境と調和した経済復興「緑の回復」(グリーン・リカバリー)が重要との…

地球温暖化防止政策「グリーン・リカバリー」について(1) ~温暖化ノイローゼ~

《今年の秋に予定されながら、新型コロナウイルスの影響で延期されることになった第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)の開催が、来年秋と決まった。 気候危機は深刻化し、地球温暖化対策は待ったなしだ。会議までの時間を有効に使い、温…

地上イージス配備計画停止について(3) ~敵基地攻撃能力~

安倍首相は<地上イージス>に代わる最強の札を切ってきた。「敵基地攻撃能力」である。 《安倍晋三首相が18日の記者会見で、敵のミサイル発射基地を攻撃し、発射を抑止する「敵基地攻撃能力」の保有を検討する意思を示したのは、北朝鮮など周辺国のミサイ…

地上イージス配備計画停止について(2) ~対米従属を改めろ~

《迎撃ミサイルの発射後に切り離す推進装置「ブースター」を自衛隊演習場内や海に確実に落とせない技術的な問題が判明したためだ。そんな初歩的なことがなぜ、分からないのか》(6月17日付琉球新報社説) たとえ分かっていても、それを口に出せない「大人…

地上イージス配備計画停止について(1) ~判断の難しい<費用対効果>~

陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」計画の停止を河野太郎防衛相が表明した。これに対し、各紙社説は例によってぼろかすに書く。 《費用対効果に疑問をもたれながら、「導入ありき」で突き進んだあげく、地元の強い反対に直面し、破綻(は…

通常国会閉会について(4) ~神戸新聞社説~

《感染再拡大への備えや政府対応の遅れ、政権を取り巻く疑惑の解明など課題は山積している。国民に長期戦への覚悟を求めながら、丁寧な説明をせず、議論を避ける。閉会を急いだ安倍政権の姿勢は、国民を代表する立法府の軽視にほかならない。 閉会中も国会は…

通常国会閉会について(3) ~北海道新聞社説~

《空前の危機への不断の対処が政治に求められている。国会閉会はその使命を放棄したに等しい》(6月18日付北海道新聞社説) 成程、不断の対処が政治に求められているのだとしても、国会での<不断>の議論が求められているわけではあるまい。 《安倍首相…

通常国会閉会について(2) ~東京新聞社説~

《通常国会が会期を延長せず、きのう閉会した。新型コロナウイルスの感染拡大で、国民の暮らしや仕事が脅かされ、政治の役割は増しているにもかかわらず、国会はなぜ、国民から負託された役割を果たそうとしないのか》(6月18日付東京新聞社説) なので臨…

通常国会閉会について(1) ~毎日新聞社説~

通常国会が会期を延長せず閉じられたことについて各紙社説は悪口雑言(あっこうぞうごん)を並べ立てる。 《延長を拒む理由は明らかだ。 後手に回るコロナ対策への不満や検察人事問題などから安倍晋三内閣の支持率は急落している。 最近では持続化給付金の不…

同性カップルの犯罪被害給付制度について

《同性カップルは犯罪被害給付制度が対象とする事実婚(内縁)にあたるかどうかが争われた裁判で、名古屋地裁は遺族給付金を不支給とした愛知県公安委員会の裁定を認め、請求を棄却した》(6月8日付北海道新聞社説) 大手紙の反応は鈍いが、この判決に不満…

新型コロナ対策として「交通税」導入を主張する学者

新型コロナウイルス感染拡大防止のための活動自粛がやっと解かれる中、これに逆行するかのような驚くべき提言が飛び出してきた。 《経済活動について、ゼロか百かではなく、中間程度の自粛のような状況を生み出す政策がある。価格を通じたインセンティブ(誘…

コロナ禍下における外国人労働者について

《コロナ禍で仕事を失うなど生活に困る人が増えるなかでも、とりわけ厳しい状況にあるのが日本で就労する外国人だ。一方的に労働契約を打ち切られるなど不当な扱いを受ける例もめだつ。「外国人との共生」が看板倒れにならぬよう、支援の強化が求められる》…

韓国のWTO提訴手続き再開について

《韓国が、日本による半導体材料の輸出規制強化について世界貿易機関(WTO)への提訴手続きを再開すると発表した》(6月12日付毎日新聞社説) 自分勝手なことしか言わない国だから、「勝手にしたら」としか言い様がない。 《日本は昨年7月、韓国の輸…

横田滋さん死去について(3) ~ゴルディウスの結び目~

《北朝鮮の非道さを非難するとともに、日本政府には問題の解決へ向けた有効な方策を急ぐよう強く求める》(6月7日付朝日新聞社説) 朝日もやっと北朝鮮を非難したかと考えるのはまだ早い。この日本語は曖昧である。語順を変えて、 日本政府には、北朝鮮の…

横田滋さん死去について(2) ~植民地支配という「嘘」~

今でも戦前日本は朝鮮を植民地化して悪逆無道なことを行ったのであるから、日本人が北朝鮮に拉致されても仕方がない面があると思っている日本人が少なくないのだろうと思われる。実際、日本は植民地支配に対する国家的謝罪を繰り返している。 「わが国は、遠…

横田滋さん死去について(1) ~各紙社説の白々しさ~

北朝鮮による拉致の被害者横田めぐみさんの父、滋さんが亡くなった。 各紙社説も拉致被害者およびその関係者に寄り添うが如くこの訃報を扱っているが、私はその言葉の白々しさに虫唾(むしず)が走る思いがするのである。 《この悲劇を繰り返してはならない…

麻生氏の<民度>発言について(3) ~文化的小児病~

判断能力の発展段階からみて、それ相応以下にふるまう社会、子供を大人にひきあげようとはぜず、逆に子供の行動にあわせてふるまう社会、このような社会の精神態度をピュアリリズムと名付けよう(ホイジンガ『朝(あした)の影のなかに』「XVI ピュアリリズ…

麻生氏の<民度>発言について(2) ~心卑しき文句垂れ~

《日本の新型コロナウイルスによる死者が欧米諸国と比べて少ないことについて、麻生太郎副総理兼財務相が4日の参院財政金融委員会で「民度のレベルが違う」と発言した。「民度」は人民の生活や文化の程度を意味する。 新型コロナで多数の死者を出した国々は…

麻生氏の<民度>発言について(1) ~「何言ってるか分からない」蓮舫女史~

《麻生副総理兼財務大臣は、4日開かれた参議院の財政金融委員会で、日本での新型コロナウイルス感染症による死者数はほかの先進国と比べて少ないと指摘したうえで、その理由について「国民の民度のレベルが違う」と述べました》(NHK NEWSWEB 2020年6月4日 …

検事と記者のずぶずぶの関係について

西日本新聞の永田健・特別論説委員は自問する。 《黒川弘務前東京高検検事長が記者と賭けマージャンをしていたことが発覚し、辞職に追い込まれた。 そもそも賭けマージャン自体が違法であるし、緊急事態宣言の発令中に「3密」状態で遊んでいたのもよろしく…

種苗法改正案について(2) ~日本の農業の未来図をどう描くかが問題だ~

《改正案の背景には、近年、登録品種の優良なブドウやイチゴなどが中国や韓国に不正に持ち出されて栽培され、販売されているケースが相次いでいることがある。 このため、開発者が品種登録の際に輸出可能な国や国内の地域を指定できるようにし、歯止めをかけ…

種苗法改正案について(1) ~一理ある柴咲コウの問題提起~

女優・柴咲コウ女史が と反旗のツイート(現在は削除)を投稿し一躍話題となった「種苗法」。「検察庁法」と印象が重なってしまいがちであるが、反政府色の強い小泉今日子女史と違い、柴咲女史の主張には(別にファンだからという訳ではないが)一理あると思…

なぜ中学生は制服を着るのか

《福岡県の公立中1年のA君は「制服を着たくない」と悩み続けている》(西日本新聞 2020/5/30 11:00) という。 《A君は全員が同じ服を着用することで個性が軽視され、大人たちが納得する「中学生らしさ」が押しつけられているように感じるという》(同) …

『テラスハウス』とSNS(3) ~最初が肝心~

何が問題なのかを最初に掴(つか)み損なっては出る答えも出せない。「最初が肝心」なのである。女子プロレスラー木村花さんが自殺(?)したのはSNSで誹謗中傷を受けたからだと考えるのは余りにも短絡的である。それどころか、本質から目を背ける行為だ…

『テラスハウス』とSNS(2) ~炎上狙いのテレビ番組~

《リアリティー番組は、予測できない展開が視聴者を引きつけ、世界でも人気のコンテンツだ。「テラスハウス」も台本がないと宣伝していた。 しかし、実名で生身の自分をさらけ出すことになる。番組内で注目が集まれば、SNSなどで個人攻撃の的になる危険性…

『テラスハウス』とSNS(1) ~<恋愛リアリティー>と銘打った「やらせ番組」~

《男女6人の共同生活に密着するフジテレビ制作・放送の「テラスハウス」に出演していた22歳の木村花さんが亡くなった。番組内での言動をめぐり、人格をおとしめる投稿がネット上で繰り返され、自宅から遺書らしきメモが見つかったという。 番組はネットフ…

黒川検事長の辞職について(3) ~自分には多くを課さない人達~

《歴史の下降期、すなわち国家が分立主義の犠牲となって分裂する時期には、大衆は大衆であることを欲せず、大衆の一人一人が指導的人物であると信じ、すべて卓越した者に反逆し、彼らに嫌悪や愚昧や妬みを浴びせる。そういうときには、大衆は自分のばかげた…