保守論客の独り言

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『テラスハウス』とSNS(1) ~<恋愛リアリティー>と銘打った「やらせ番組」~

《男女6人の共同生活に密着するフジテレビ制作・放送の「テラスハウス」に出演していた22歳の木村花さんが亡くなった。番組内での言動をめぐり、人格をおとしめる投稿がネット上で繰り返され、自宅から遺書らしきメモが見つかったという。

 番組はネットフリックスの動画配信で視聴でき、海外でもその死が話題になっている。番組のつくりに問題はなかったか。プライバシーをさらす若い出演者に対し、心身のケアは適切に行われていたか。制作側はしっかり検証してほしい》(5月27日付朝日新聞社説)

 私はこの番組を視聴してはいない。なので事の経緯を週刊誌の記事から抜粋引用しておこう。

《花さんは、昨年5月にスタートした恋愛リアリティー番組『テラスハウス』(フジテレビ系)の新シリーズに途中から出演。プロレスでのヒール役のイメージのまま、同番組の中でも、強気で、まっすぐで、感情的な姿を見せていた。そうした振る舞いが放送されるたびに、SNS上には彼女を批判する言葉が並んだ。

 そして、今回の不幸の引き金になったとされるのが、番組内で起きた“コスチューム事件”だった。

 花さんが「命の次に大切」と語っていた、リングで着るコスチュームが入ったままの洗濯機を、ほかの出演者が誤って使ってしまう。乾燥機にかけられ、コスチュームはよれよれに縮んで着られなくなってしまった。花さんは激怒し、共演者の帽子をはじき飛ばし罵声を浴びせた。

 その様子を見ていた視聴者が反発し、SNSに「テラハ史上いちばん最低なメンバーだと思いました」「花死ね」などと書き込み、乾燥機にかけた共演者が番組を去ることが決まると「そっちがいなくなれ」などとダメ押しが加わった》(『女性セブン』2020年6月11日号:『NEWSポストセブン』5/27(水) 16:00配信)

 さて、<恋愛リアリティー>と銘打ったテレビ番組ではあるが、実際は「やらせ番組」の気配が濃厚である。番組の元スタッフは証言する。

「台本はありません。でも、ストーリーはこちらで作っていました」

「集合したら、撮影前に『どんな設定でどんな方向に恋愛を動かしていくのか』という説明を制作者から出演者に伝えます。出演者は、そのときに“今回はこの人と肩を寄せ合うんだな”“この人と本音で語り合うのか”と状況を把握するんです。デートに行く組み合わせなども制作者側の指示通りに動いてもらっていましたね」(同)

 だから

《指示通りに撮れないときは“テイク2、テイク3”まで撮影することもあったという》(同)【続】