保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

和暦元号について(4) ~元号は国民統合の要~

2019年3月の「NNNと読売新聞社の全国世論調査」によると、普段の生活で元号と西暦では、元号の方を多く使っていると答えた人が41%、西暦が25%,どちらも同じくらいが33%であった。現実問題として、元号と西暦を使い分けるにあたって元号を用いる場面の方…

和暦元号について(3) ~元号なしに歴史は語れない~

《記者は旧くから其の必要を痛感していた事だが、此の際…元号廃止、西紀使用を主張したい。 元来我が国に於て初めて元号を建てたのは大化の革新の際であるが、勿論支那の制度の模倣であった。而かも其の後も年号を定められない天皇は幾方かあり、大化革新の…

和暦元号について(2) ~元号制約の逆説~

《芸術とは限定である。絵の本質は額縁にある。キリンを描く時は、ぜひとも首を長く措かねばならぬ。もし勇気ある芸術家の特権を行使して、首の短いキリンを措くのは自由だと主張するならば、つまりはキリンを描く自由がないことを発見するだろう。事実の世…

和暦元号について(1) ~天皇は夜空に輝く北極星の如し~

《歴史を振り返れば、多くの権力は、時を「統治の道具」として利用してきた。 日本の元号も、「皇帝が時を支配する」とした中国の思想に倣ったものである。 前漢(紀元前206年~8年)の武帝が、時に元号という名前を付けることを始めた。皇帝は元号を決…

夫婦別姓判決について

《戸籍法に夫婦別姓を認める規定がないのは憲法違反だと首都圏の男女4人が訴えた裁判で、東京地裁は合憲と判断、請求を棄却した》(3月27日付神戸新聞社説) 戸籍法が社会が変化したことで実情に合わなくなっているのであれば変えればよいだけで、これを仰…

アイヌをことさら持ち上げる読売社説の怪

冒頭何の脈略もなく次のように怪気炎をあげる。 《アイヌの人々がたどった歴史と、豊かな文化への理解を深め、将来に引き継ぐことが大切だ》(3月25日付読売新聞社説) 私にはどうして社説がこのように唐突で主観的な書き出しなるのか分からない。が、昨今の…

大阪W選: 急進的改革か旧套墨守(きゅうとうぼくしゅ)か

私は「大阪都構想」に反対である。これまでも何度かその旨(むね)を述べてきた。が、だからといって反大阪都構想陣営に賛成しているわけではないし、大阪維新の会のすべてを否定しているわけでもない。 百田尚樹氏がおもしろいツイートを上げている。 《大…

チベット問題で「中国は民族融和を目指せ」という神戸新聞社説

《弾圧に抵抗するチベット人が中国軍と衝突し、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世が亡命する契機となったチベット動乱から、60年となった。 亡命政府があるインド北部ダラムサラで開かれた式典で、ロブサン・センゲ首相は「中国はチベットの文明…

児童虐待防止について(2) ~社会の教育力を高めよ~

《親による子への体罰禁止を法律に明記することになったのは前進と言える。しかし虐待防止に不可欠な児童相談所の体制強化にはなお課題も多い。 子どもの命を守るために何が必要か。国会で議論を深め、今後の取り組みに生かさねばならない》(3月20日付朝日…

児童虐待防止について(1) ~「児童虐待の根絶」という空理空論~

安倍晋三首相は、1月28日の施政方針演説で次のように述べた。 子供たちの命を守るのは、私たち大人全員の責任です。 あのような悲劇を二度と繰り返してはなりません。何よりも子供たちの命を守ることを最優先に、児童相談所の体制を抜本的に拡充し、自治体の…

兵庫明石市長選:暴言泉氏再選について

《部下への暴言問題で前市長が辞職したことに伴う出直し兵庫県明石市長選が17日投開票され、前職の無所属泉房穂氏(55)が、元職、新人の三つどもえを制し、3度目の当選を果たした。泉氏は、謝罪を続けることで暴言問題への批判をかわす一方、手厚い子…

難航する英EU離脱について(3) ~守るべき英国政治の伝統~

right now, parliament faces a choice between the impossible — no deal — and the horrible — the prime minister’s deal. If accepted, the latter would be followed by years of painful trade negotiations, with, at present, no agreed destination…

難航する英EU離脱について(2) ~英国の二枚腰~

《29日に迫っていた英国の欧州連合(EU)離脱期限の延期が下院で決まった。しかし、打開策は見当たらない。続々判明する離脱の弊害。民意を問い直すことこそ、民主主義の本分ではないか》(3月16日付東京新聞社説) 状況次第で猫の目のように変わりかねな…

難航する英EU離脱について(1) ~国民投票に決定を委ねたツケ~

《英国議会が欧州連合(EU)からの離脱を巡る採決で、否決や修正を重ねた揚げ句、離脱の延期を決めた。この結果、英政府はEUに対し今月29日に予定された離脱日の延期を要請することになった。 EUが受け入れれば、経済や社会の混乱を招く「合意なき離…

大津いじめ自殺判決について(3) ~家族は自殺を抑止する~

自殺には社会的要因も大きく関わっていると考えられる。社会学者エミール・デュルケームは 《家族は、自殺の強力な予防剤であるが、家族がさらに強固に構成されていればいるほど、いっそうよく自殺を抑止することができる》(デュルケーム『自殺論』:『世界…

大津いじめ自殺判決について(2) ~自殺の原因はいじめであると断定する無理~

《元同級生側は、生徒の口の上にハチの死骸を乗せるなどの行為は「遊びの延長で、いじめとの認識はない。自殺の原因は別にある」と主張して裁判を続行、判決を迎えた。(中略) この日の判決は「元同級生二人の連日の暴行から、生徒は死にたいと望むようにな…

大津いじめ自殺判決について(1) ~過てる処方箋~

《大津市立中の男子生徒が11年に自殺した事件で、大津地裁はいじめが原因と認め、加害側の元同級生2人に計3700万円の賠償を命じた。市はすでに責任を認め、亡くなった生徒の両親と和解している》(2月22日付朝日新聞社説) が、私が疑問に思うのは、…

大阪ダブル選について(2) ~唯我独尊の大阪維新の会~

大阪都構想が実現すれば、全てとは言わなくとも粗方(あらかた)の問題が解決するかのような、そんな「うまい話」があるはずがないと考えるのが常識人である。勿論、大阪維新の会が言うように上手く行くかもしれないし行かないかもしれない。正直なところ、…

大阪ダブル選について(1) ~「下品」な入れ替え選~

《松井一郎大阪府知事(大阪維新の会代表)と吉村洋文大阪市長(同政調会長)が辞職願をそれぞれ府市両議会議長に提出した。 4月の統一地方選で知事選と市長選のダブル選を行い、松井氏は市長選、吉村氏が知事選に入れ替わって立候補する》(3月9日付北海道…

地球温暖化主義者について(2) ~なんでも「地球温暖化」のせい~ 

《ロシアではこの数カ月、50頭を超えるホッキョクグマが住宅やオフィスに侵入し、人を攻撃する例も確認されており、当局が非常事態宣言を発令した。 (中略) 温暖化などによって餌不足が深刻化するなか、ホッキョクグマはこれまで以上に人間の居住区域に近…

地球温暖化主義者について(1) ~トランプ氏の皮肉~

トランプ米大統領はツイッターで次のように「地球温暖化」を皮肉った。 In the beautiful Midwest, windchill temperatures are reaching minus 60 degrees, the coldest ever recorded. In coming days, expected to get even colder. People can’t last ou…

「森友問題」問題について(2) ~籠池氏の胡散臭さ~

7日付東京新聞社説は「籠池夫妻初公判 法廷で真相を解明せよ」との見出しを掲げた。が、裁判とは事件の<真相を解明>するためのものではない。 《「刑事裁判とは、検察、すなわち行政権力を裁く場である」というのは近代裁判の大前提なのですが、これもまた…

「森友問題」問題について(1) ~籠池氏を利用する左寄りマスコミ~

世に「三百代言」なる言葉がある。「論法が巧妙で、しばしばもっともらしいことを言う人」、つまり「詭弁(きべん)家」のことである。いい加減なことを明朗に語る籠池氏はまさに「三百代言」と呼ぶに相応しい人物であろうと思われる。 《国や大阪府・市の補…

米韓軍事演習廃止について

《米韓両国が、朝鮮半島有事を想定し毎年春に実施してきた2つの大規模合同軍事演習の廃止を決めた》(3月7日付産經新聞主張) このことに対し主張子は、 《北朝鮮に核・弾道ミサイルを放棄させようとしているときに、米韓両国が同盟の抑止力を弱める動きを…

「進むも地獄、退くも地獄」の英国EU離脱問題

《自らが選んだ決断を、どうやって実現するか決められない。英国の政治の迷走に世界が不安を募らせ、いよいよ「最悪」への備えが目立ち始めた。 英国が欧州連合(EU)から抜ける期日は、3月29日。離脱の仕方をめぐる合意がまとまらないなかで、各国の企…

米朝会談不調の影を落とす3・1文大統領演説(2) ~有難迷惑だった(?)善政~

《列強時代、朝鮮が清国の属国であったことは各国ともに承知していたことで、朝鮮外交をめぐる交渉は李朝朝廷ではなく清国を通して行われていた。朝鮮の国事や人事までも、清政府が決めていた》(黄文雄『韓国は日本人がつくった』(WAC)、p. 46) この状況…

米朝会談不調の影を落とす3・1文大統領演説(1) ~醜い「事大主義」~

《日本統治に抵抗して1919年3月1日に朝鮮半島で始まった「3・1独立運動」から100年を迎えた。 記念演説で、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は「過去は変えられないが未来は変えられる」と未来志向の日韓関係を強調した。歴史問題は間接的に言…

「アイヌ新法」について(2) ~利権誘導の危ない臭い~

「先住民族」とは、日本ではただ「先祖」的な意味しか感じられないかもしれないが、世界的に見れば、米国のネイティブアメリカンや豪州のアボリジニのように、後から侵入してきた者たちによって「父祖の地」を奪われた被害者という意味合いが強くなるのでは…

「アイヌ新法」について(1) ~国民が知らぬ間に新法~

安倍晋三首相は、1月の施政方針演説に次のような文言を盛り込んだ。 「広くアイヌ文化を発信する拠点を白老町に整備し、アイヌの皆さんが先住民族として誇りを持って生活できるよう取り組みます」 思わず「ん?」と首を傾(かし)げてしまうのであるが、<ア…

「あなたに答える必要はない」と言ってしまった菅官房長官

《菅義偉官房長官が記者会見で、東京新聞記者の質問に対し「あなたに答える必要はない」と回答を拒んだことが波紋を呼んでいる》(時事通信社 2/27(水) 17:12配信) 菅官房長官の回答拒否に対し、野党が非難の声を上げている。 《立憲民主党の辻元清美国対委…