保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

「アイヌ新法」について(1) ~国民が知らぬ間に新法~

安倍晋三首相は、1月の施政方針演説に次のような文言を盛り込んだ。

「広くアイヌ文化を発信する拠点を白老町に整備し、アイヌの皆さんが先住民族として誇りを持って生活できるよう取り組みます」

 思わず「ん?」と首を傾(かし)げてしまうのであるが、<アイヌの皆さん>とは一体どういう人たちのことを言っているのであろうか。

 歴史的に見てアイヌ蝦夷の地における先住民であったであろうことまでは否定しないが、かつて札幌の金子快之市議(当時)がツイッターでつぶやいたことがやはり引っ掛かる。

アイヌ民族なんて、いまはもういないんですよね。せいぜいアイヌ系日本人が良いところですが、利権を行使しまくっているこの不合理。納税者に説明できません」(2014811日付)

 同様のことは漫画家の小林よしのり氏も次のように述べている。

《わしのスタッフの時浦君は北海道出身だけど「アイヌの人に会ったことがあるか」と訊いたら全然ないという。会ったこともない、見たこともない、何も知らないのに、国会決議までされている。これは何なんだ、だったらわしが北海道に行って取材しよう、その結果を漫画に描こうとなるわけだよね。ところが先方が取材を拒否したために「これはヤバいことがあるのか」と、当然こっちも猜疑心がわいてしまう。

 で、実際に北海道に行った。アイヌの血が混じっているという人にも会った。でも実際には、誰もアイヌ語はしゃべれない。アイヌ語でものを考えているわけでもない。親のどちらかがアイヌ系であるというだけ。それも、ハーフやクオーターどころではない。もっと血は薄まっていると。

 まあそれはそうだよな。アイヌの絶対数が少ないんだから、アイヌという民族が純血で保てるわけがない。和人との混血を重ねていけば、もう何百分の一しかアイヌの血は残らない。それでもアイヌ民族だと言い張る。これは一体何なんだろうと思ったわけですよ。アイヌ民族っていうのは何なんだろうと。「ない」と結論せざるをえない》(篠田博之「国会提出のアイヌ新法をめぐる小林よしのり香山リカ両氏の激しい論争の中身」:2/11() 19:45

 こういった素朴な疑問に応えることなく、

《本国会では、アイヌ民族を支援する新法案、いわゆる「アイヌ新法」が提出され、3月の成立が目指されることになっている。そこではアイヌ民族が「先住民族」であることが、法律上初めて記される予定》(香山リカアイヌ新法の国会提出と雑音」:創 2/11() 19:22配信)

だというから驚かざるを得ない。

 先のように首相が施政方針演説で明確に述べているのだから、知らない方が悪いと言えばそれまでだが、「アイヌ新法」が出来ようが出来まいが大差ないと思うとすれば、それは大間違いだと言うべきである。【続】