保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

大阪

大阪都構想再否決について(5) ~欠かせぬ既得権益の打破~

《10年にも及び、大阪市民を二分してきた論争にようやく終止符が打たれる。(中略)まず反対派との分断を修復し、幅広い理解を得ながら、真に大阪のためになる政策の実現に努めるべきだ》(11月3日付中國新聞社説) 大阪市民を二分してしまったのは、過…

大阪都構想再否決について(4) ~技術論一辺倒では変わらない~

《都構想はもともと大阪を成長させ、グローバルな大都市競争に打ち勝つことを主眼に置いていた。そのために大阪市を廃止して府と市の二重行政を解消し、成長に必要な権限と財源を府に集中させる狙いがあった》(11月2日付日本経済新聞社説) <グローバル…

大阪都構想再否決について(3) ~大改革よりも小改革の積み重ね~

私はまた先月のブログで、大阪が復興するためには、「大阪都構想」のように側(がわ)だけを変えても駄目であって、本質的には大阪に住む人たち自身が変わらなければならないと指摘した。 が、残念ながら反対派の側も「側」だけの議論に陥ってしまっている。…

大阪都構想再否決について(2) ~無責任な政治家達~

松井氏に続き、公明党府本部の佐藤茂樹代表が敗戦の弁を述べた。 佐藤「私もまずは、今回の住民投票で投票し、参加して頂いたことに御礼を申し上げたい。反対多数となったことを厳粛に受け止めてまいりたい。今回の都構想案は、しっかり公明党の主張が入った…

大阪都構想再否決について(1) ~政治とは固い板に穴をあけてゆく力強い緩慢な仕事~

私は先月のブログに「大阪市廃止」住民投票について書いた。 ​大阪市廃止住民投票について(1) ~大阪市廃止は単なるジリ貧~​(10月14日) ​大阪市廃止住民投票について(2) ~3S政策~​(10月15日) ​大阪市廃止住民投票について(3) ~漸…

大阪市廃止住民投票について(4) ~全体主義的手法~

大阪市を廃止するというやり方には、「全体主義」的なものが感じられる。全体主義と言えば、ソ連邦やナチスドイツが思い起こされるところであるが、全体主義化の第一歩が「中間組織」の破壊である。 《共通の世界が完全に破壊され、内部に何らの相互関係を持…

大阪市廃止住民投票について(3) ~漸進主義~

俳人松尾芭蕉の有名な言葉に「不易(ふえき)流行」がある。本質的なものを大切にしつつ新陳代謝を欠かさない。私はここに保守政治の本質があると思っている。その要諦(ようたい)は「漸進(ぜんしん)主義」にある。 漸進主義は、急進的社会変革を嫌う。一…

大阪市廃止住民投票について(2) ~3S政策~

次なる「大阪市廃止構想」の疑問は、大阪市を廃止して大阪府に一括し、これまで大阪市がやってきたことを大阪府が引き受けようという「下向きの仕事」と、大阪を副首都にという「上向きの仕事」との両方向の仕事を新たに請け負おうとする「空想」にある。 は…

大阪市廃止住民投票について(1) ~大阪市廃止は単なるジリ貧~

《大阪都構想の住民投票が10月12日告示、11月1日投開票の日程で行われることが決まった》(9月7日付日本経済新聞社説) これは情報操作である。今回の住民投票は「大阪市廃止」の是非を問う引き算の話であるのに、<大阪都構想>などと言うから何か…

松井大阪市長の買い物発言について(2) ~日本は遅れていると思いたがる人たち~

松井発言について内田樹(たつる)神戸女学院大名誉教授は言う。 「CNNに続いてフランスのメディアでも取り上げられました。世界標準に照らせば、ただちに政治生命を失うレベルの大都市の市長としてはありえない『愚行』だからです。大阪の有権者にはその…

松井大阪市長の買い物発言について(1) ~女性は買い物に時間がかかる?~

4月23日の記者会見で松井市長は、朝日新聞の記者からスーパーでの感染防止策に関連する質問を受け、次のように答えた。 「○○君(記者の名前)が買い物行ったらいいねん。夫婦で行かずに。言われたもんだけ買って帰る、と。やっぱり、女の人が行くとね、それ…

オークショットと大阪都構想(3) ~人が活躍できる「場」の必要~

大阪には物質的にはたくさんのものが「有(あ)る」。大阪が衰退していったのはそれらを有効に活用しなかったからである。「都構想」とは、この今有るものを有効活用しようとするのではなく、今有る「無駄」を省(はぶ)こうとするものである。 が、古来「無…

オークショットと大阪都構想(2) ~得られる可能性と失う確実性~

第41回サントリー学芸賞に選ばれた、善教将大・関西学院大准教授の「維新支持の分析」によると、 《維新の台頭と躍進は、橋下氏の政治手法などからポピュリズム(大衆迎合主義)と結び付けて語られがちだが、決してそうではないという。 個別利益の代表者…

オークショットと大阪都構想(1) ~愛着心~

《地域政党・大阪維新の会が推進する「大阪都構想」。その賛否を問う2度目の住民投票が11月にも実施される見通しだ》(2月25日付京都新聞社説) 大阪維新の会(以下、「維新」)ある限り、その大看板たる「大阪都構想」(以下、「都構想」)を取り下げる…

大阪都構想再来について(2) ~水平化の鋭い鎌~

《松井一郎大阪市長は「都構想は制度の話であって、公営住宅の料金など個別政策の話ではない」として、サービス水準の議論は住民投票と切り離して考えるべきだとする。だが、格差を生むリスクを内包した制度である以上、サービス低下への懸念を払拭する努力…

大阪都構想再来について(1) ~<二重行政の無駄>の話は大阪衰退とは別次元の話~

大阪の駄目さ加減が分かる話題である。 《大阪都構想を改めて住民投票にかける制度案の大枠が決まった。大阪府と大阪市の議会で了承されれば、2020年11月にも住民投票が実施される》(2019年12月26日付日本経済新聞社説) どうして大阪維新の会は一度否決さ…

大阪都構想問題 ~公明も自民も腰砕け~

《大阪市をなくして東京23区のような特別区に再編するのが、地域政党「大阪維新の会」が掲げる都構想である。 これまで反対だった公明党大阪府本部と自民党大阪府連が一転して、構想の是非を問う住民投票に協力する方針を示した》(5月14日付産經新聞主張…

大阪維新快勝について(3) ~漸進的変革の必要性~

《これで都構想に全面的なお墨付きが与えられたわけではない。構想に反対する対立候補にも一定の票が投じられた。府・市議会の協力も欠かせない。 選挙は維新と、対立した自民、公明など反維新勢力の間に深い溝を残した。分断を修復し、円滑な府・市政の運営…

大阪維新快勝について(2) ~負け犬の遠吠え~

《都構想の狙いとして、維新は府と市の二重行政の解消を強調する。現行制度のもとでも取り組むべき課題であり、実際に維新も公営住宅事業や信用保証協会、産業・工業研究所を統合してきた。その上でなぜ都構想の実現が不可欠なのか、コストや懸念にどう向き…

大阪維新快勝について(1) ~対案なき反維新の自滅~

《大阪の府知事選と市長選では大勝して引き続きポストを確保し、府議選でも新たに過半数の議席を獲得した。ただ、市議選では半数に及ばなかった》(4月8日付朝日新聞社説) 大阪維新が勝つであろうことは予想されたこととはいえ、これほど大きな差がつくとは…

大阪W選: 急進的改革か旧套墨守(きゅうとうぼくしゅ)か

私は「大阪都構想」に反対である。これまでも何度かその旨(むね)を述べてきた。が、だからといって反大阪都構想陣営に賛成しているわけではないし、大阪維新の会のすべてを否定しているわけでもない。 百田尚樹氏がおもしろいツイートを上げている。 《大…

大阪ダブル選について(2) ~唯我独尊の大阪維新の会~

大阪都構想が実現すれば、全てとは言わなくとも粗方(あらかた)の問題が解決するかのような、そんな「うまい話」があるはずがないと考えるのが常識人である。勿論、大阪維新の会が言うように上手く行くかもしれないし行かないかもしれない。正直なところ、…

大阪ダブル選について(1) ~「下品」な入れ替え選~

《松井一郎大阪府知事(大阪維新の会代表)と吉村洋文大阪市長(同政調会長)が辞職願をそれぞれ府市両議会議長に提出した。 4月の統一地方選で知事選と市長選のダブル選を行い、松井氏は市長選、吉村氏が知事選に入れ替わって立候補する》(3月9日付北海道…

大阪都構想でダブル選? ~大阪維新の会のジレンマ~

《大阪維新の会の代表と政調会長をそれぞれ務める松井一郎・大阪府知事と吉村洋文・大阪市長が、任期満了を待たずにそろって辞職し、来春の統一地方選に合わせて「ダブル選」を実施する可能性を示唆している。 発端は、大阪都構想を問う住民投票の日程を巡り…