保守論客の独り言

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大阪都構想再否決について(2) ~無責任な政治家達~

松井氏に続き、公明党府本部の佐藤茂樹代表が敗戦の弁を述べた。

佐藤「私もまずは、今回の住民投票で投票し、参加して頂いたことに御礼を申し上げたい。反対多数となったことを厳粛に受け止めてまいりたい。今回の都構想案は、しっかり公明党の主張が入ったよりよい内容になった。主張が結果となって出なかったことを重く受け止めたい」

大阪市民の民意を尊重し、どのようにすれば大阪が発展するかゼロベースで検討していきたい。大変市民を分断する拮抗(きっこう)した結果になった。大事なことは、しこりを残さないこと。大阪市が発展していくよう公明党としても頑張っていく。心から感謝申し上げます」(2020.11.1 23:33産経WEST)

 このしらっとした発言は何なのだろうか。敗北への残念さもなければ、大阪を混乱させたことへの反省もない。むしろうっすら感じられるのは、意に反する役回りがこれで終わったという安堵のようなものではなかったか。

 確かに大阪維新の会の要請に応え礼は尽くしたのかもしれない。が、敗北した以上、大阪維新の会を応援すると判断した人間は、別に辞めろとまでは言わないが、何らかの政治的責任を免れぬ。にもかかわらず、何事もなかったかのように今度は「大阪市廃止反対」の側に立って活動するかのような態度は許されない。

 立憲民主党辻元清美副代表は自身のツイッターで次のようにつぶやいた。

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 「大阪都構想」が否決されて終わりなのではない。賛成派はただ「大阪都構想」に夢を見ただけではない。大阪を地盤沈下させてきた張本人の既成政党連に愛想をつかしているのだと思われる。だからこそ、「大阪市廃止」には反対であっても、選挙において大阪維新の会に投票してきたのである。立憲民主党大阪市議会に議席を有していない。それが大阪市民の判断である。

 したがって、「大阪都構想」は一旦打ち止めであったとしても、既成政党連への批判は続くだろう。つまり、<ノーサイド>になどなり様がない。否、してはならない。にもかかわらず、産經主張は頓珍漢なことを書く。

《反対派、賛成派の対立が今後にしこりを残すようなことがあってはならない。双方がノーサイドの精神で、都構想を機に起こった改革議論を今後の大阪に生かしていくべきだ》(11月2日付産經新聞主張)

 大阪を巣食う既得権益は見直さねばならない。そのためには、お互い非難し罵(ののし)り合ったりするのではなく「熟議」が必要である。それが大阪再生の鍵となると私は考える。

《反対派の中で、ひときわ気を吐いていたのが、れいわ新選組山本太郎代表(45)だ。

 投票2週間前から大阪にとどまり、連日、市内各所でゲリラ街頭演説会を開催。週末には主要ターミナルで演説を行い、賛成派の大阪維新の会公明党との合同演説会にも引けを取らないほどの聴衆を引き付けた。

 賛成派の都構想設計案に具体的な数字を挙げながら反論する姿に、市政関係者は「賛成派の説明不足が指摘される中で、山本さんの説明が一番分かりやすいという人は多かった。どこに行っても人だかりができてましたしね」と話した》(東京スポーツ2020年11月01日23時13分) (参考資料:れいわ新選組「あかん!都構想」​)

 要は、大阪の既得権益を守ろうと言っているに過ぎない。「大阪市廃止」のような急進的改革には反対ではあるが、既得権益の見直しは必要と考える私のような者にとっては迷惑な話でしかない。こういった目立ちたがり屋の胡散臭い連中が既得権益を守りたいがゆえに「大阪市廃止」に反対するのを見れば、逆に賛成に回りたくもなる。

 大阪維新の会所属の市議は言う。

「前回より投票率が下がったこと、若い層の8割くらい、賛成かと思っていたが、そうではなかった。想定外の数字だった。山本太郎はまったく影響ないと思っていたのに、やられてしまった。最後の演説で賛成票5~6千票くらいが逃げた。逆にアテにしていた公明党が頼りにならんかった。ぜんぜんあかん。痛かったわ」(週刊朝日オンライン限定記事:AERAdot.11/3(火) 8:02 配信)

 が、<あかん>(注:「駄目」と言う意味の大阪弁)のは、こんな分析をして納得しているあんたの方や、と私は言いたい。【続】