保守論客の独り言

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大阪維新快勝について(1) ~対案なき反維新の自滅~

《大阪の府知事選と市長選では大勝して引き続きポストを確保し、府議選でも新たに過半数議席を獲得した。ただ、市議選では半数に及ばなかった》(48日付朝日新聞社説)

 大阪維新が勝つであろうことは予想されたこととはいえ、これほど大きな差がつくとは私自身正直意外であった。「勢い」とは怖いものである。

 各紙様々な分析が見られるけれども、私が思うに、今回の選挙は大阪維新の信認投票でしかなく、反維新の既成政党連には反維新以外に何ら積極的な公約は見られなかったということである。

大阪市を廃止して東京23区のような特別区に再編する都構想の是非を最大の争点として行われた異例の4重選挙は、構想の実現を訴えた大阪維新の会が幅広い支持を獲得した》(同)

 <都構想の是非>を最大の争点にする必要はなかったのであるが、実質的にはそういうことになってしまった。これでは、積極的政策を打ち出す大阪維新と、消去法で残った大阪維新の二側面から大阪維新が勝利することになったとしても無理はない。

《構想の実現には府議会と市議会の議決が前提となるため、選挙前と同様、維新が単独で手続きを進めることはできない。しかし、四つの選挙の結果からは、2015年の住民投票で否定された都構想への支持が広がっていることが見てとれる。

 その利点や懸念についての検討をさらに深め、どんな都市制度改革が必要かを突き詰めていく。維新と、都構想に反対してきた自民、公明など反維新の各会派は、真摯(しんし)に議論を重ねなければならない》(同)

 選挙結果からすれば、議論の主導権は維新にあると見ざるを得ない。そのことを前提としての「議論」でなければならない。私は都構想には終始反対の立場ではあるが、反維新側に代替案がない以上、都構想を煮詰めていく以外に道はないように思われる。

 詮無き話であるが、私自身は、「枠」の議論よりも「中身」の議論をすべきだと思っている。具体的には、自由と平等の綱引きにおいて、平等に傾き過ぎている現在の状況から自由の方へ軸足を移すべく政策を遂行すべきであるということである。

 福祉の充実よりも、自主自立を尊び、これから日本が行わねばならない「もの作り」から「価値作り」への転換を主導していくような意識転換を図らねばならない。

 そして意識変革の中心にあるのが教育であると私は見ている。平等だ、平和だ、などといったことから脱却しなければ大阪人の他者依存体質はおそらく変わらないであろう。が、これでは大阪が再浮上することはない。【続】