私は「大阪都構想」に反対である。これまでも何度かその旨(むね)を述べてきた。が、だからといって反大阪都構想陣営に賛成しているわけではないし、大阪維新の会のすべてを否定しているわけでもない。
百田尚樹氏がおもしろいツイートを上げている。
《大阪市長選に立候補し、共産党からも支援されている柳本顕氏は、三代続く大阪市議。 大阪で最もホームレスが多い西成区出身(一部に高級住宅街あり)で、そこを地盤としているが、三代続いて地元の西成を少しもよくできなかった男に、大阪市をよくできるとは、私にはまったく考えられない》(3月24日)
つまり、大阪市長候補の柳本氏は「世襲」の典型だということである。勿論、「世襲」だから即、駄目だと言いたいわけではないが、親子三代大阪市会議員でありながら、地元に何ら貢献し得なかったのだとしたら、やはり問題だと言わざるを得ない。
百田氏のツイートを受け
《西成に小中一貫校を作り、治安を改善し、街を綺麗にしたのは柳本顕ではなく維新》
《橋下徹が五カ年計画で実行した西成特区構想で、治安と美化に成功、住民と海外からの旅行者も根付きました》
《西成区に星野リゾートの誘致も維新。天王寺周辺を安心して歩けるようになったのも維新》
といった声が上がっている。
有本香女史は言う。
《橋下さんの思想や歴史観には賛同しかねるところがある。国政維新の憲法改正案にも賛同しかねる部分はあるし、経済政策の弱さは某番組で清水さんにきつめに申し上げた。だが、大阪の地方行政において維新の首長方が果たした役割は大。大阪の改善は多くの点で明らか。要は是々非々》(3月24日)
橋下氏の手法は急進的に過ぎ、私の考え方とは相容れない。大阪都構想の問題も詰まる所ここに問題がある。が、これを批判する側が漸進的手法を打ち出せているのかと言えば、まったくといって改善案を示せていないのもまた事実である。結局は既得権益を擁護しているだけで、このままでは大阪のさらなる衰退は明らかである。
保守的な考え方からすれば、大阪都構想のような急激な改革には反対せざるを得ない。が、一方で、既得権益にしがみつきたい人達と共に泥船に乗って沈んでいくのもかなわない。
問題は、国政では圧倒的支持を受けている自民党が、大阪ではくすんでしまっているということである。前回、住民投票で大阪都構想が否決された後、大阪自民は何をしてきたのか。大阪都構想を潰せば大阪が良くなるわけではない。大阪復興のためには何が必要なのか。今やれることのみならず、将来的にやるべきことを提示できないようでは怠慢の誹(そし)りは免れない。
反維新で、思想の異なる人達と共闘するようなことをいつまで続けるつもりなのか。自己否定なきところに道はない。