保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

GDP大幅減について

《内閣府が17日に発表した2020年4~6月期の国内総生産(GDP)は物価変動の影響を除いた実質で前期比7.8%、年率換算では27.8%それぞれ減った。 減少率はリーマン危機直後の09年1~3月期(年率17.8%減)を超え、景気の体感に近い…

戦後75年の終戦の日を迎えて(5) ~蛸壺歴史観~

《ぜひ読み返してほしい文章がある。安倍晋三首相が5年前に発表した戦後70年談話である。(中略) 明治の日本が世界の列強に屈しまいと立ち上がった日露戦争のような戦いは「植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけた」と肯定…

戦後75年の終戦の日を迎えて(4) ~戦後の偏った歴史観~

《開戦時、政府関係者の念頭を支配したのは日露戦争の成功体験だ。自らの弱点を正視せず、都合のいい歴史を思い出す精神構造が平和論を弱腰と排除した》(8月15日付毎日新聞社説) 日露戦争の成功体験が後々の判断に影響しているだろうことは否定しないが…

戦後75年の終戦の日を迎えて(3) ~戦前日本のポピュリズム~

《軍部の独走だけにとらわれず、開戦の背景にあるものにも目をこらす必要がある。見過ごせないものの一つがポピュリズム(大衆迎合主義)だ》(8月15日付毎日新聞社説) 最近流行りの「ポピュリズム」を戦前の日本に適用して歴史を再解釈しようというもの…

戦後75年の終戦の日を迎えて(2) ~東条が退けた机上演習~

《日本国憲法は「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにする」とし、「主権が国民に存する」と宣言した。不戦の誓いが民主主義と連結した戦後思想は、国民に浸透しているといえるだろう》(8月15日付朝日新聞社説) <不戦の誓い>を…

戦後75年の終戦の日を迎えて(1) ~民主主義信者の戦後~

《日本が戦争に敗れて、きょうで75年である。 筆舌に尽くせぬ惨状を経て、この国は戦争の愚かさと平和の貴さを学んだ》(8月15日付朝日新聞社説) 何と偉そうな物言いであろうか。そもそも日本を<この国>などと見放しているのが気に入らない。 我々日…

森友を「済んだこと」にさせないと息巻く信毎社説

《国有地はなぜ大幅に値引きされて売却されたのか。公文書の改ざんは誰が何のために指示したのか―。森友学園をめぐる疑惑は、核心がいまだ解明されないままだ。「済んだこと」にさせてはならない》(7月12日付信濃毎日新聞社説) 社説の見出しには<「済…

どうして「村山自虐談話」を取り消せないのか(2) ~自虐史観という檻~

村山富市元首相は言う。 「当時、私は「村山談話」の作成に際し、作成実務を担った担当幹部に対して、一番、肝心な事は、侵略と植民地支配によって、中国・韓国・朝鮮など、アジア諸国の人々に耐えがたい被害と苦痛を与えた歴史的事実を明確にして謝罪の意思…

どうして「村山自虐談話」を取り消せないのか(1) ~歴史を政治的に決め付けるな!~

終戦の日の15日、村山富市元首相が「村山談話に託した想い」と題したコメントを公表した。曰く、 「『村山談話』は、中国・韓国あるいは米国・ヨーロッパなど、世界各国の人々や政府から、高い評価を受け続けているようで、光栄なことだと思います」 日本…

原爆投下について(3) ~終戦が遅れていたら3発目の原爆が落されていた~

《日本の軍部が降伏するかどうか確信のなかったアメリカ軍は、8月6日と9日、完成したばかりの2個の原子爆弾を広島と長崎に投下した。立ちのぼる巨大なきのこ雲の中で20万人近い人命が一瞬にして地上から消え去り、核時代の恐怖の到来を告げたのだった…

原爆投下について(2) ~原爆を投下したかった~

Unconditional Surrender is the only obstacle to peace,” Foreign Minister Shigenori Togo wired Ambassador Naotake Sato, who was in Moscow on July 12, 1945, trying to enlist the Soviet Union to mediate acceptable surrender terms on Japan’s b…

原爆投下について(1) ~戦争勝利に原爆投下は不要だった~

米紙『ロサンゼルス・タイムズ』に、「合衆国指導者たちは、米国が戦争に勝利するために日本に原爆を投下する必要がないことは分かっていた」と題する記事が掲載された。寄稿者は歴史学者のガー・アルペロビッツ、マーティン・シャーウィン両氏である。 The …

「オオカミ少年」藤巻健史氏について(3) ~日銀の破綻は避けられない?~

《コロナショックをきっかけに働き方も変わる。年功序列型賃金や終身雇用制は限界だ。これからは雇用の流動化が進む》(AERA dot. 2020.5.16 10:30) 1980年代バブルが弾ける前から言われてきたことである。一体どれほど遅れた情報を持ち出してくるので…

「オオカミ少年」藤巻健史氏について(2) ~単式簿記で財政判断をする単細胞~

藤巻氏は次のように解説する。 「財政赤字解消のためには増税しかありません。財政赤字を放置してもなんとかなるのなら消費税どころか所得税も法人税も国は徴収する必要がないことになります。そうでないのなら財政再建のためには、どこかで増税が必要です。…

「オオカミ少年」藤巻健史氏について(1) ~MMTは「ブードゥー経済学」か~

経済評論家の藤巻健史(ふじまき・たけし)氏は言う。 《政府は大規模な財政出動で経済の悪化を食い止めようとしており、個人も企業もお金をもらうことを考えている。国債を発行して財政出動をするなら、本来は将来の増税を考えないといけない。国債は将来の…

財政再建派マスコミの迷妄を撃つ

「経世済民」(世の中をよく治めて人々を苦しみから救う)が解らないマスコミが多過ぎる。 《政府は楽観的な見通しを排し、財政再建に向けた道筋を描き直すべきだ》(8月2日付読売新聞社説) 《現実に即した財政再建の目標や道筋を再検討すべきだ》(8月…

被爆75年に当たって(3) ~平和主義の「倒錯」~

《まず世界の核兵器の9割を専有する米国とロシアが削減に動くべきだ。 両国に残る唯一の核軍縮ルールである新戦略兵器削減条約(新START)は、来年2月に期限を迎える。青天井の軍拡を防ぐために、両政府は延長の合意を結ばねばならない。 リスクの削…

被爆75年に当たって(2) ~核廃絶こそ恐怖~

私は「核抑止論」が正しいと言っているのではない。ただ「力の均衡」(balance of power)が戦争や紛争を抑止する作用があることは否定しがたいことだと思うだけである。 《75年が過ぎて、いまだ非核の願いは実らない。核の均衡が戦争を止めるという虚構を…

被爆75年に当たって(1) ~「核抑止論」は「虚構」~

《大半の核兵器は、一触即発の臨戦態勢に置かれている。戦争の意図がなくとも、偶発や誤算から核攻撃の応酬がおきる危うさと隣り合わせだ》(8月5日付朝日新聞社説) 戦争状態にないのに誤作動によって核ミサイルが飛び交うなどと危ぶむのは「妄想癖」が過…

再び敵基地攻撃能力について(3) ~愚かなる論理の飛躍~

《敵基地攻撃能力は「専守防衛」から逸脱するとの懸念が根強く、与野党から慎重な検討を求める声が上がる。専守防衛は日本の防衛政策の根幹である。拙速な議論は許されない》(7月18日付南日本新聞社説) <専守防衛>などという自縄自縛(じじょうじばく…

再び敵基地攻撃能力について(2) ~専守防衛の檻に閉じ込められた日本~

《「敵基地攻撃能力の保有」を事実上求める自民党の提言は、「専守防衛」の憲法9条を逸脱するのでは、との疑問が拭えない。地域の軍拡競争が加速すれば、真の抑止力にもならないのではないか》(8月5日付東京新聞社説) この際、憲法9条についてじっくり…

再び敵基地攻撃能力について(1) ~周辺国にお伺いを立ててきた日本~

4日午前行われた河野太郎防衛相の記者会見でのやり取りが話題になっている。 東京新聞上野実輝彦記者:安全保障政策の見直しに関して自民党提言にあったような相手国の領域へのミサイル阻止能力等検討する場合はですね、周辺国からの理解というのが重要にな…

アサヒ芸能:「文科省調査官」に“北朝鮮工作員”が紛れ込んでいた!(2) ~赤く染まる文科省~

歴史教科書に従軍慰安婦や南京大虐殺といった記述が復活したことについて、公安関係者は次のように言ったという。 「こうした記述を認めた調査官の中に『北朝鮮のスパイリスト』に掲載された人物がいるとなると、検定が公正なものであったのかどうか、いきな…

アサヒ芸能:「文科省調査官」に“北朝鮮工作員”が紛れ込んでいた!(1) ~スパイでなく共産主義者~

これが「アサヒ芸能」というゴシップ誌の特ダネ記事だったから驚きである。 何となく「世論誘導」のような気がしないでもないので、少し眉に唾を付けて見る必要もあるだろうが、取り敢えずこの記事を復習(さら)えておこう。 《韓国は自由北韓運動連合のビ…

令和3年度中学歴史教科書に見られる南京事件の扱いについて(2) ~矛盾する「マギー証言」~

南京事件の証人として、東京裁判で、日本軍による殺人、強姦、略奪事件について、被害者からの直接聴取、自ら行った被害調査などを基に証言を行った人物にジョン・マギー牧師(John Gillespie Magee)がいる。マギー牧師は次のように日記に書いている。 Sund…

令和3年度中学歴史教科書に見られる南京事件の扱いについて(1) ~朝日新聞はシナの橋頭保~

《24日に検定結果が公表された中学校の教科書(令和3年度から使用)で、社会科では「従軍慰安婦」の呼称が復活したほか、「南京事件」などについて自国の近現代史をことさら悪く描く記述が一部でみられた》(産経ニュース2020.3.24 14:42) 今では「南京…

李登輝氏逝去について(3) ~日本精神~

《日本は先の大戦に敗れるまで半世紀、台湾を植民地支配していた。その歴史を背景に、李氏は日本にとって特別な政治家だった。植民地時代の台湾で生まれ、京都帝大に学んだ。日本軍人として終戦を迎えた。 流暢(りゅうちょう)な日本語で「22歳まで自分は…

李登輝氏逝去について(2) ~東京社説子が勝手に抱く「台湾の悲哀」~

《李氏を語る時、忘れてはならないのは「台湾の悲哀と誇り」を自身が強く感じ、その思いを台湾統治に結実させてきた政治家であるという視点であろう。 李氏は90年代初め、台湾を訪れた作家の司馬遼太郎氏と対談し「台湾人に生まれた悲哀」に言及した。その…

李登輝氏逝去について(1) ~中共と親中派の策動を可視化する探照灯~

台湾民主化の父・李登輝元総統が逝去(せいきょ)された。 が、例によって日本の政治に不可思議な動きが見られる。 《台湾の民主化を進めた李登輝(り・とうき)元総統の死去を受け、日本政府が弔辞を送る準備を進めていることが31日、分かった。政府関係…

ALS嘱託殺人について(2) ~議論の先送りは許されない~

《懸念されるのが、難病患者の死を安易に容認する考え方が広がることだ。ALS患者であるれいわ新選組の舩後(ふなご)靖彦参院議員は「『死ぬ権利』よりも『生きる権利』を守る社会にしていくことが何よりも大切だ」とのコメントを公表した》(7月26日…