保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

森友を「済んだこと」にさせないと息巻く信毎社説

《国有地はなぜ大幅に値引きされて売却されたのか。公文書の改ざんは誰が何のために指示したのか―。森友学園をめぐる疑惑は、核心がいまだ解明されないままだ。「済んだこと」にさせてはならない》(7月12日付信濃毎日新聞社説)

 社説の見出しには<「済んだこと」にさせない>と能動的に書かれているのであるが、どういうわけか本文は<「済んだこと」にさせてはならない>と弱気である。が、いずれにせよ、「馬鹿の一つ覚え」の森友批判には辟易(へきえき)する。

 森友批判が始まって長い時間が経った。そして状況は変わっている。籠池夫妻も呪縛を解かれつつある。

《そもそも、森友問題の本質は、約9億6千万円の土地が1億3400万円で売却されたことが適法かどうかというものです。

 森友学園が国有地の定期借地契約を結んだ後、地中に大量のゴミが埋まっていることが判明しました。財務省としては、ゴミの撤去が必要な瑕疵(かし)物件を売りつけたことになり、その影響で開校が送(ママ)れたりすれば、訴訟を起こされかねない。そこで、瑕疵担保を除外して格安で売り切ってしまおうと考えたのです。

 森友学園の土地取引に問題がなかったことは裁判でも明らかになっています》(籠池泰典「森友騒動を語る」:『WiLL』2020年7月号、pp. 32-33)

 既に梯子(はしご)が外されてしまっているにもかかわらず、いまだに2階に居座って「値引き問題」で難癖を付けるのは頓珍漢(とんちんかん)と言わざるを得ない。

《学園が開校を予定した小学校は、安倍晋三首相の妻が一時、名誉校長に就いていた。政権への忖度(そんたく)が働き、行政の公正さが損なわれた疑惑は消えていない》(同、信毎社説)

 長男・佳茂氏は言う。

森友学園の土地取引に違法性はなく、地中に埋まっていたゴミの存在を隠していた財務省の怠慢が招いたものです。安倍首相への忖度(そんたく)などあるはずがない。ところが朝日新聞は、「財務省が安倍首相に忖度して値下げした」というストーリーをつくりあげ、 切り取り報道によって虚偽の物語を無理やり正当化していきました》(籠池佳茂「父の洗脳が解けた日」:同、pp. 39-40)

財務省の決裁文書の改ざんに加担させられ、自殺した近畿財務局職員の妻が、公務災害の認定に関する文書の開示を国に求める裁判を大阪地裁に起こした…自殺した赤木俊夫さんの妻雅子さんは、国と佐川宣寿(のぶひさ)・元理財局長に損害賠償を求める裁判も起こしている。何が夫を追いつめたのか。改ざんの詳しい経緯を知りたいと考えてのことだ》(同、信毎社説)

 自分たちが事を大きくして人を死にまで追いやってしまった。それが分からない得手勝手なマスコミには恐れ入る。