保守論客の独り言

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マスコミの頭を占有する森友疑惑(1) ~強迫性障害~

大阪市の学校法人森友学園に対する補助金不正事件で、詐欺罪などに問われた学園前理事長の籠池泰典被告と妻の諄子被告に対し、大阪地裁が有罪判決を言い渡した。

 起訴状によると、両被告は大阪府豊中市の国有地に開校を予定していた小学校の建設に絡み、国や大阪府大阪市から補助金約1億7千万円をだまし取ったとされる。

 判決では、籠池被告の手口は巧妙かつ大胆で「犯行を主導した」と認定し、懲役5年の実刑とした。諄子被告については、府市からの詐取については無罪とし、執行猶予を付けて懲役3年を言い渡した》(2月20日中國新聞社説)

 本来この補助金詐取が問題とされねばならない時にさえ、マスコミは挙(こぞ)って「疑惑」を性懲りもなく言い募る。

《忘れてならないのは、森友学園を巡る事件の核心は、国有地がなぜ8億円余りも値引きされ、売却されたのかである。

 それが大阪府の小学校の開校認可と深く結び付き、しかも小学校の名誉校長には安倍昭恵首相夫人が一時名を連ねていた。そして不透明な土地取引を巡る決裁文書を改ざんした財務省の疑惑が加わる。

 国民が本当に知りたかったのは、籠池夫妻が有罪か無罪かどうかという結果ではあるまい。売却の裏で何があったのかという一点に絞られよう。

 森友学園疑惑は発覚から3年たつが、「闇」は深く、まだ晴れていない》(同)

 他紙も同様の不満を漏らす。

《忘れてならないのは、この裁判では正面から争われなかった多くのことがらである。

 学園に国有地を売却するにあたり、財務省はなぜ鑑定価格から8億円余、9割近い値引きをしたのか。他の売却事例では金額を公表しているのに、このケースだけ当初開示を拒み、さらに決裁文書などの改ざん、廃棄に手を染めた理由は何か。

 学園が開校をめざしていた小学校の名誉校長には安倍首相の妻昭恵氏が就いており、公文書からは、取引にかかわった複数の政治家らとともに、昭恵氏の名が削除されていた。首相側への配慮が背景にあったのでは、との疑いは残ったままだ。

 改ざんの責任をとって、財務省で理財局長を務めた佐川宣寿氏が辞職し、他の多くの職員が処分された。だが麻生財務相は続投し、国会で「私や妻が関与していれば、首相も国会議員もやめる」と答弁した首相は、その後言い分を変え、うやむやにすることを図った。そんな「トカゲのしっぽ切り」の過程で、財務省近畿財務局職員の自殺という悲劇も生まれた》(2月20日朝日新聞社説)

《森友問題の本質は小学校建設を巡る不透明な国有地取引にある。この真相は解明されなかった。

 発端は、財務省が鑑定価格9億5600万円の国有地を約8億円も値引きして学園に売却したことだ。

 財務省は土地の地中にあるごみの撤去費用などを挙げた。しかし、実際に大量のごみがあったかどうかは確認されていない。

 学園を巡っては安倍晋三首相の妻昭恵氏が建設予定の小学校の名誉校長に一時就いていた。こうしたことが、官僚が政権に忖度(そんたく)をしたという疑念を生んだ。

 安倍首相は値引きが発覚した直後の2017年2月には、自身や昭恵氏が取引に関与していれば辞任すると国会で答弁した。

 答弁をきっかけに財務省が国有地売却に関連して学園との取引に関する交渉記録を廃棄したり決裁文書などを改ざんしたりしたことが、後に分かった。

 森友問題は、政治家への忖度と、公文書管理をめぐる政治と行政のゆがんだ実態を浮き彫りにした》(2月20日毎日新聞社説)【続】