保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

マスコミの頭を占有する森友問題(2) ~唯我独尊の似非民主主義者たち~

左寄りの新聞が難癖を付け続けるのは仕方がないのだろうが、驚くべきは産經新聞までが同様の批判を行っていることである。

《泰典被告は初公判で、「国策捜査」などと検察を批判した。1審とはいえ裁判所が認めたのは、両被告が人をだまし、詐欺を働いたということである。自らの行為の意味をかみしめるべきである。

 そのような被告に付け入られ、振り回されて国政を混乱させたのは、安倍晋三首相周辺であり財務省だ。その責任の重さを痛感してし過ぎるということはない。

 開校予定の小学校の名誉校長に安倍首相の妻、昭恵夫人が就いていた。学園が取得した国有地は8億円以上も値引きされていた。

 平成29年に問題が明らかになってからの狂騒は、国民への背信と言っても過言ではない》(2月20日産經新聞主張)

 私が不満なのは、新聞が自ら真相を究明しようとせず、ただふんぞり返ってこのような批判を繰り返していることである。

 森友学園前理事長籠池夫妻の長男、籠池佳茂氏はツイッターで次のように言う。

森友学園騒動は朝日新聞社捏造報道が発端》(プロフィール)

《3年が経過し、安倍総理は森友に一切関与していない事が証明されている。学校認可は大阪、土地取引は近畿財務局。しかし、未だに総理は森友に関与したとの偽情報が出回っている。犯人はメディアだ。総理が評価したのは「籠池の教育に対する姿勢」ただそれだけ》(1月9日付)

 さらに籠池佳茂は自著『籠池家を囲むこんな人たち』で、森友問題は、当初は新左翼木村真豊中市議が右翼の教育者を潰そうとしたものであり、朝日新聞が問題を全国に拡散し、菅野完(すがの・たもつ)氏が書いたシナリオに野党とマスコミが乗っかったものだ、と言うのである。

 誤解のないように付け加えれば、私は籠池佳茂氏の言っていることが正しいと言いたいのではない。ただ籠池夫妻の身近にいた人間がこのように言っているのであるから、事の真偽をしっかり検証する必要があると言いたいだけである。マスコミが木村議員や菅野氏を黙過するのは何故なのか。

《一連の疑惑を巡っては、当初から検察の消極姿勢が目立った。

 詐欺事件の起訴状では被告と業者との共謀を記しながら、業者は誰も罪に問われなかった。不自然な印象が否めない。

 値引きや文書改ざんに関わったとして告発された財務官僚ら38人全員を大阪地検は不起訴にした。

 検察審査会の「不起訴不当」の議決を受けて再捜査を行ったが、改めて不起訴の判断を下し、捜査は終結した。疑惑の本筋について公開の法廷で真相に迫る機会は失われた。検察には、真実を解明する意思があったのだろうか》(2月20日京都新聞社説)

 安倍首相も信用ならん、検察も信用ならん、自分の考えと異なるものは信用ならん、で「民主主義」は成立するのだろうか。【了】