保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

地球温暖化主義者について(2) ~なんでも「地球温暖化」のせい~ 

《ロシアではこの数カ月、50頭を超えるホッキョクグマが住宅やオフィスに侵入し、人を攻撃する例も確認されており、当局が非常事態宣言を発令した。

(中略)

温暖化などによって餌不足が深刻化するなか、ホッキョクグマはこれまで以上に人間の居住区域に近づくようになっている。氷が解けて生息地は減少しつつあり、陸地で過ごす時間が増えているのだ》(News Week 2/12(火) 13:06配信)

 が、<氷が解けて生息地は減少しつつあ>るという話は事実に基づかない。

北極海最小海氷面積(万㎢)(Arctic Data archive System(ADS)参照)

2011年
2012年
2013年
2014年
429
318
481
489
2015年
2016年
2017年
2018年
426
402
447
446

ホッキョクグマは海氷上でアザラシなどを捕食する。近年の地球温暖化で海氷面積が激減し、陸上で過ごす時間が増えているとの指摘もある…地球上で最も温暖化の影響を受けやすい北極海では、今世紀に入って夏場の気温が2度近く上昇した。2030年代末には海氷が消滅するとの予測もある》(2月19日付京都新聞梵語」)

 <指摘もある>だの<予測もある>だのまったく信憑性に欠ける話である。実際、先ほどの表からも海氷が消滅しそうにはとても思えない。

 そもそもホッキョクグマが激減したのは乱獲のせいである。

Prof Lomborg points out that over the past decades, the global polar bear population has increased dramatically from about 5,000 members in the 1960s to around 25,000 as a result of the regulation of hunting. ― Bjorn Lomborg, “Save polar bears by not shooting them”

(ロンボルグ教授は、過去数十年にわたって、地球上のホッキョクグマの数が、狩猟制限の結果として1960年代の5,000頭から約25,000頭にまで劇的に増加したと指摘している)

 だとすれば、今回ロシアでホッキョクグマが人間の居住区に現れたのは、生息数が増え、餌が不足したためではないかと疑われるのであって、温暖化によって餌が減っただの、海氷が解けて陸上で過ごす時間が増えただのといった話ではないように思われる。

《オーストラリア政府は20日までに、同国北部沖にある世界最大のサンゴ礁グレートバリアリーフの島に生息していたネズミの一種が絶滅したと発表した。地元メディアによると、海面上昇で島が浸水して生息地が奪われたのが原因とみられており、研究者は地球温暖化の影響で絶滅が確認された初めての哺乳類だとしている》(共同通信社 2019/02/20 18:26)

 地球温暖化によって一体どれくらい海面が上昇したというのか。当初は地球温暖化によって海面が10m上昇するなどといったデマが飛び交っていたが、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)は、

《今世紀末までの世界平均気温の変化はRCPシナリオによれば0.3~4.8℃の範囲に、 海面水位の上昇は0.26~0.82mの範囲に入る可能性が高い》(第5次評価報告書)

としている。ではこのネズミは一体何㎝の海面上昇で絶滅したというのだろうか。

 何でもかんでも地球温暖化のせいにするから余計に嘘臭くなるのである。【了】