保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

通常国会閉会について(1) ~毎日新聞社説~

通常国会が会期を延長せず閉じられたことについて各紙社説は悪口雑言(あっこうぞうごん)を並べ立てる。

《延長を拒む理由は明らかだ。

 後手に回るコロナ対策への不満や検察人事問題などから安倍晋三内閣の支持率は急落している。

 最近では持続化給付金の不明朗な民間委託問題も発覚した。今後は自民党河井案里参院議員と夫の克行前法相の公職選挙法違反疑惑の捜査が進む可能性もある。

 通常国会開会直後の大きな焦点だった「桜を見る会」をめぐる疑惑も何ら決着していない。首相や与党はこれ以上、国会で追及が続くのを恐れているのだろう》(6月17日付毎日新聞社説)

 <首相や与党はこれ以上、国会で追及が続くのを恐れている>というのであるが、果たしてそれは<明らか>なのか。

 確かに政府の側にもちょっと首をひねりたくなるようなこともある。が、「桜を見る会」だの「森友問題」だの、総じて野党の追及は言い掛かりの域を出ない。そんなことのために会期を延長しなければならないとは思えない。

《国会が終わり、しばらくすれば国民は忘れるだろうと考えているのかもしれない。しかし、それはあまりにも国民を軽んじている》(同)

 勝手な憶測を立て、<国民を軽んじている>などと批判するようなやり方は、堅気(かたぎ)のやるようなことではない。

《2011年の東日本大震災の際、当時の民主党政権通常国会を8月末まで70日間延長し、直後の9月には臨時国会を開いた。これが危機対応時の常識だ。ところが今の与党内には予備費があるから秋の臨時国会を召集しなくても構わないという意見さえある》(同)

 <危機>と一口で言っても、中身が異なれば対応が異なっても何らおかしくない。まして、今回の場合、野党はコロナ対策ではなく政権批判を続けたいがために会期の延長を望んでいるのであり、コロナ対策を考えれば、むしろ閉会すべきだとも言えるだろう。

《安倍首相は以前から国会を軽視し、答弁は論点のすり替えやごまかしが続いてきた。今国会で目立つのは答えに窮すると「事前の質問通告がない」とかわす場面だ。

 官僚が用意したペーパーを読み上げるだけなら質疑は成り立たない。ここにも「言論の府」の否定につながる姿勢が表れている》(同)

 質問がおかしいからおかしな答えしか返ってこないのである。なんとでも答えられるようなことを聞いて、やれ<論点のすり替え>だ、やれ<ごまかし>だ、と印象操作するようなやり方はもう飽き飽きである。

 「言論の府」を冒涜(ぼうとく)してきたのは、建設的な意見もなくただ政権批判に終始する野党の側である。【続】