保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

新型コロナ特措法成立について(1) ~立憲民主、国民民主が賛成しても反対する新聞~

衆院内閣委員会はきのう(=311日)、新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正案を、与党や立憲民主、国民民主両党などの賛成多数で可決した。この特措法は民主党政権時代の2012年に制定され、最大の特徴は首相が強制力を伴う「緊急事態宣言」を発令できることだ。改正は新型コロナウイルス感染症も特措法の対象に加える内容である》(312日付西日本新聞社説)

 この特措法改正を批判する新聞が多いが、元の法律は民主党政権時代に制定されたものであるし、今回の改正にも立憲民主、国民民主なども賛成している。これではただの難癖である。

 勿論、批判しようと思えば可能である。

《これにより、首相が緊急事態宣言を発令できるようになった。その内容は、強制力の強い措置を含む一種の非常事態対応だ。

 宣言が出されれば、都道府県知事は外出自粛や、学校・映画館など多くの人が集まる施設の使用制限を要請できる。国民の権利制限を伴う。

 このため国会審議では、宣言が恣意(しい)的になされないよう歯止めがかけられるかが焦点だった。

 改正法は、緊急事態の要件を「まん延のおそれ」と「生命・健康への重大な被害のおそれ」と定めている。政府は「まん延」について「相当数の都道府県で患者クラスターが確認される」などと説明したが、あいまいさが残る。「重大な被害」の定義も議論が進まなかった。

 緊急事態の判断にあたっては、専門家の意見を聴取することが与野党協議で付帯決議に盛り込まれた。だが、本来は法に明記すべき事柄だ。野党が求めた国会の事前承認については、事前報告にとどまった。全体として歯止めは不十分だ》(314日付毎日新聞社説)

 が、このような問題は元の特措法にもあったと言うべきである。にもかかわらず、なぜ今回だけこのようなことをねちねちと言うのか。

安倍晋三首相も国会などで、宣言は「専門家の意見を頂く中で検討したい」と述べてはいる。

 だが、政府の基本方針になかった大規模イベントの自粛や全国一斉休校の要請を独断で行ってきた首相の言葉には信を置きかねる。

 しかも検察官の定年延長問題のように「法の支配」を軽んじ、特定秘密保護法や「共謀罪」法など基本的人権を侵しかねない法律を強引に押し通してきた政権だ。

 後手に回ってきた政府の対策への批判をかわすために「果断な措置」をアピールしようと、根拠の乏しい緊急事態宣言に踏み切り、社会の不安と混乱を助長する―。

 首相がそんな行動に出ないように、与党も厳しく監視すべきだ》(314日付北海道新聞社説)

 要は、大嫌いな安倍首相のやることは何であれ気に入らないということだけなのではないか。【続】