保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

地球温暖化防止政策「グリーン・リカバリー」について(1) ~温暖化ノイローゼ~

《今年の秋に予定されながら、新型コロナウイルスの影響で延期されることになった第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)の開催が、来年秋と決まった。

 気候危機は深刻化し、地球温暖化対策は待ったなしだ。会議までの時間を有効に使い、温室効果ガス削減の国際的な動きを加速させねばならない》(6月16日付朝日新聞社説)

 地球温暖化説は「仮説」であって科学的に実証された「真実」ではない。空気中の二酸化炭素が増加すると温室のようになって地球が温暖化するなどという考えは、仮説としては有り得ても、地球の気象の仕組みを余りにも単純に捉え過ぎていて科学的にはお話にならない。

《温暖化対策の国際ルール・パリ協定は、産業革命以降の気温上昇を2度未満、できれば1・5度に抑えることをめざす。ただ、各国が削減目標をすべて達成できても、今世紀末の気温上昇は3度を超してしまう》(同)

 二酸化炭素の排出を抑制すれば地球の温暖化を食い止められるというのは単なる「妄想」である。にもかかわらず、温室効果ガス、すなわち、CO2を削減することが至上命令であるかのように言い募るのは、もはや「温暖化ノイローゼ」である。

《温暖化は人類共通の危機だ。猛暑や豪雨などが増える。干ばつや水害で多くの人がすまいを失い、難民が紛争の火種を生む。感染症を媒介する蚊の分布域が拡大するとの予測もある》(5月31日付毎日新聞社説)

 何でも悪いのは地球温暖化地球温暖化は自然災害から社会悪まで何でも生み出す環境主義者にとっての謂わば「打ち出の小槌」である。こういったことからも地球温暖化とは科学的問題というよりも政治的問題であることが知られるだろう。

《折しも、コロナ危機で世界の排出量が一時的に減っており、環境に配慮した経済の回復(グリーン・リカバリー)を進めることが急務となっている》(同、朝日社説)

 以前オバマ前大統領も「グリーン・ニューディール政策」などと言っていたし、<グリーン・リカバリー>なる新しい妄想が出てきても別段驚くに値しないが、

《各国がグリーン・リカバリーの情報をオンラインで共有して温暖化対策の強化につなげる、というアイデアを小泉環境相が提唱したのは時宜にかなう》(同)

ということになると話が違ってくる。

 「人気取り」に目敏(めざと)い小泉大臣を環境大臣に据えたのがそもそもの問題であった。現実政治に疎(うと)い小泉大臣が綺麗事に覆われた政治的駆け引きに絡めとられてしまうであろうことは想像に難くない。【続】