保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

こんな大変な時に温室効果ガス削減だなんて(2) ~地球温暖化問題は政治問題~

《今年1月に本格始動したパリ協定は、産業革命前からの気温上昇を2度未満、できれば1・5度に抑えることを目指す。各国が自主的に削減目標を積み上げ、温室効果ガスを削減していく仕組みだ。

 だが、各国が現行の目標を達成しても、今世紀末には気温が3度上昇するとの予測がある。削減量の引き上げは不可欠な状況だが、中国やインドなど排出量が多い国の動きは鈍い》(415日付京都新聞社説)

 今世紀末には気温が3度上昇するかもしれないし、しないかもしれない。そもそも地球の気温がどのような仕組みによるものなのかが解明されていないのに今世紀末の気温を予測することなど不可能である。

 にもかかわらず、IPPC気候変動に関する政府間パネル)が温暖化問題を煽るのは地球環境を考えるからというよりも政治的なものであろうと思われる。国と国の政治的駆け引きもあれば、学者個人の研究費欲しさということもあるだろう。いずれにせよ、科学と言うには余りにも確実なものがなさ過ぎる。そもそも計測されている温度自体が、適正な場所に計測装置が設置されているのかも含め、どれほど正確なものなのかが疑われる。

《18年策定の同基本計画は、再生可能エネルギーの「主力電源化」を掲げる一方で、原子力や石炭火力発電を温存している。

 30年度時点で原発の割合を20~22%に引き上げるとするが、再稼働の遅れに加えて、テロ対策の不備で運転停止を迫られる原発もあり、達成はほぼ不可能とみられている。

 一方で、温室効果ガスの排出量が多い石炭火力に大きく依存する状況が続いており、現行の削減目標の達成すら難しくなっている。

 原発頼みの排出量削減策に限界があることは明らかだ。政府は現実を直視し、再生可能エネルギーの比率を高めるなど、政策を抜本的に転換させるべきだ》(同)

 これこそまさに政治的な話なのであるが、ここに来て再生可能エネルギーの雄(ゆう)たる太陽光発電にも問題が生じている。1つは設置場所の問題で、設置するために環境が破壊され、例えば、山の保水力が弱まり洪水を引き起こしやすくなってしまうという弊害が指摘されている。

 さらに、昨今電気の買取価格が下がり、費用対効果の面にも疑問符が付いてきている。耐用年数の問題もあり、古い太陽光パネルの廃棄と新しいパネルの設置を考えると、どれだけCO2削減に寄与するのかも疑問である。

 一番の問題は、太陽光発電は天候に左右されるため主電源になり得ないし、安定供給のためには、バックアップ電源を用意するか、大容量の蓄電池開発を行う必要がある。【続】