女優・柴咲コウ女史が
と反旗のツイート(現在は削除)を投稿し一躍話題となった「種苗法」。「検察庁法」と印象が重なってしまいがちであるが、反政府色の強い小泉今日子女史と違い、柴咲女史の主張には(別にファンだからという訳ではないが)一理あると思われる。
《種苗とは、植物の種や苗のことを指す。誰でも知っている「コシヒカリ」をはじめ、農作物にはさまざまなブランドがある。このブランドを守ろうというのが「種苗法」の根本だ。勝手に栽培されないように、勝手に外国に持ち出されないようにするため、今回、法改正が目指された》(Smart FLASH 2020.06.01 16:59)
《今回の法改正で大きく変わるのは2つある。1つは、新品種を登録する場合、輸出先や栽培地域を自分で決定できること。これにより、意図しない海外流出が防げる。
もう1つが、柴咲が「日本の農家が窮地に立たされる」と指摘した自家採種の禁止》(同)
どの法案もそうだが、この法案にも長所と短所が混在する。要はその利害得失をどう判断するのかということである。
《農作物を育てれば、当然、種ができる。その種を再び使う場合、開発者に許諾が必要になるのだ。このため、農家は種や苗のコストが余分にかかってしまう。ただし、禁止される品種はコメの16%、みかんの2%、ぶどうの9%程度で、残りは自由に自家採種してかまわない。具体的には、お米の「コシヒカリ」「ひとめぼれ」「あきたこまち」はOKだが、「ゆめぴりか」は許可がいるということだ》(同)
この記事が正しければ、コストが余計にかかってしまうところもあるが、総じて利益の方が大きい法案だと考えられる。
が、市民セクター政策機構の白井和宏・代表専務理事がこれに待ったを掛ける。
「今回の種苗法改正案は、2017年の『種子法』の廃止とセットで考えなければいけないんです。
種子法の廃止で、公的機関による種苗事業が民間に移され、種子の開発が止まりました。同時に、『農業競争力強化支援法』により、日本の財産である種苗を、外国企業も含めた民間企業に提供を促すことが決まったんです。
そこにきて、今回の種苗法改正案です。自家採取に規制をかければ、国内の自由な生産が抑制され、日本の農業は衰退する一方です」(同)
(注)左下の切れている部分は、<笑顔で仕事ができるように祈っています。>
半分賛成、半分反対である。問題提起を行う。そのこと自体は重要である。が、一旦問題提起を行ったのであれば、それをやりっ放しにしないで、何が問題なのか、そしてどうすればよいのかを自分なりに追求し、それを再提起するのが責任ある態度であろうと思われる。
<賛成、反対だけでなく、その間にある声も聞きながらベストを探っていく。その時間が必要だ>というのはその通りである。桜がどうのこうのより、この議論の方がよほど前向きであり重要である。【続】